自分で気づきにくい「蓄積型熱中症」って知ってる?

暑さ・疲れ・脱水で夏バテ?と思ったら、実は「蓄積型熱中症」かも!猛暑を乗り切る対策も【ウエルネス最旬トピックスVo.2】

更新日:2024/07/23

スキンケアや美肌の秘訣から、睡眠や腸活、温活などのヘルスケアまで、今話題のトレンドワードをみんなの意識調査を交えて届ける「今コレ知りたい!ウエルネス最旬トピックス」。第2回目は「蓄積型熱中症」。猛暑の今、夏バテだと思っていたら実は蓄積型熱中症の可能性が。そこで、つらい症状が出る前に自分でできる対策を医師の三宅康史先生に直撃!

■オズモールユーザー「熱中症」白書

熱中症アンケートグラフ
2024年7月オズモール調べ、n=865

オズモールユーザー865人に調査!「熱中症」の原因や症状を理解しているのは少数派

オズモールが行ったアンケートで、「熱中症のこと、ちゃんと知ってる?」という質問に、はい34%、いいえ34%、どちらともいえないが32%。6割ぐらいが曖昧のよう。

さらに、熱中症の原因については、「暑いから熱中症になりやすいと思う」、「室内でも湿度や日差しによって熱中症になりそう」と季節的な要因が原因だと思う人が多数。でも実は、その日の体調や疲労具合、栄養面など複合的な原因が絡み合って熱中症になるといった「アンケート項目すべてが当てはまる」と正しく回答をした人は約3割程度。理解している人は少数派のよう。

さらに、「冷房だけでいいのかわからない」、「水分は摂っているけど、それ以外の対策も知りたい」と、日々の生活の中でなにをしていけばいいかは曖昧だという回答がほとんど。そこで、熱中症の最新情報と共に、日々できることや、熱中症になったときの対策などを医師の三宅康史先生に聞いてみよう。

■医師・三宅康史先生が解説!猛暑到来の盛夏こそ気を付けたい「蓄積型熱中症」とは?

暑さ、疲れ、脱水など、熱中症の症状が蓄積。翌日などに時間差で現れる「蓄積型熱中症」に注意

梅雨が明けて、盛夏と呼ばれる7、8月は、昼も夜も高温多湿となり、熱中症に気を付けなければならない時期。「ここ11年間の調査では、7月下旬〜8月は熱中症にかかる人が最も多くなる時期です」と教えてくれたのは、帝京大学医学部附属病院・高度救命救急センター長/教授の三宅康史先生。

しかも、体に熱中症の症状が蓄積される「蓄積型熱中症」が増えているそう。蓄積型熱中症とは、繰り返される暑さによるダメージの蓄積により、数日後にどっと症状が現れてしまうこと。「本来なら熱中症は、ひどくなる前に症状を感じたらすぐに涼しい環境で体を休めたり、水分をこまめに摂ったりと、体をリカバーすることで熱中症から回復できます」(三宅先生)。ただし暑さのせいや、ただの夏バテなどと捉えてそのまま放っておくと、症状は蓄積される一方。

では、そういった体調不良が出た場合にできることや、あらかじめ熱中症を防ぐ方法は?「体調に変化を感じたら、水分をしっかり摂って、十分に眠って体力を回復させること。よく眠れる環境を整えることも大切です」(三宅先生)

<こんな症状は蓄積型熱中症の可能性あり>
・全身の強い倦怠感
・頭痛や吐き気
・ふらつきや手足のしびれ
・足のこむら返り(足がつる)

■今日から始めたいケア3選

【ケア1】外出時は日差しを避け、衣類で体温調節

体の中に熱が蓄積される原因の大半は日差し。さらに、壁や道路からの熱も影響を受ける。これらを避けるには、外出時の日傘や帽子、サングラスは必須。

日陰の場所を歩くようにしたり、速乾性や吸水性のよい衣類で、汗をしっかりと出して、その後は水分をこまめにとろう。「後で休憩したときに飲もう」という考えは、今の時期はご法度。食事量と合わせて1日2〜3リットルを目安に、ちょこちょこ水分をとろう。

<7、8月の外出時のPOINT>
・日傘や帽子、サングラス、日陰の道で日差しを避ける
・通気性のよい素材や、速乾性の高い衣類で、体温調節をする
・水分は食事量と合わせて、1日2〜3リットルを目安に摂る

【ケア2】食事抜きはNG。朝ごはんは必ず食べる

夏バテで食事を抜きがち。特に、朝食を抜くと、夜のうちに排出された水分が補えなくなるので、体の中はカラカラ。水分だけではなく、塩分やエネルギーも補わない状態のまま、暑い環境に身をおくと、それだけで熱中症のリスクが高まる原因に。

朝、食欲がわかない人は、少し早めに起きて、お腹が空くまで待つなどの工夫をしてみよう。

<おすすめ朝ごはん>
・食欲がない人は果物などで水分を摂ろう
・塩分が摂れるお漬物やお味噌汁
・素早くエネルギーに変わるバナナ

【ケア3】入浴で自律神経を整え、良質な睡眠をとる

夜の過ごし方は、熱中症対策のキモ! いかに体を休めるかが蓄積型熱中症を防ぐポイント。まずは、暑いからとシャワーで済ませがちなのをやめて、週に数度はぬるめのお湯で入浴しよう。お湯に浸かることで血行がよくなり、副交感神経が活発になりリラックス度が高まる。結果、ぐっすり眠れることにもつながり、日中に受けた熱ストレスがリカバーされる。

入浴前後と寝る前はコップ1杯の水分を摂ろう。途中で目覚めたとき、ベッドサイドにも水を置いておくと◎。また睡眠中の冷房温度は28度以下で、自分が快適に感じる温度を設定しよう。

<夜に体を休めるコツ>
・週に数回は38度以下のぬるめのお湯に浸かる
・入浴前後と睡眠前にコップ1杯の水分を摂る
・冷房温度定は、寝苦しくならないよう28度以下に設定を

お話を伺った人

医師 三宅康史先生

帝京大学医学部救急医学講座教授、帝京大学附属病院高度救命救急センター長。専門は救急医学。共著に「医療者のための熱中症対策Q&A」(日本医事新報社)ほか。
●監修:熱中症ゼロへ

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WRITING/YUKIKO MORITA

※記事は2024年7月23日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります