【人気の化粧品原料メーカーおすすめ10選】OEMコンサルに聞いた失敗しない選び方もご紹介!

化粧品を作るためには原料を購入しなければいけないが、たくさんある原料メーカーから、どこを選ぶべきか困ってしまうケースも多いのでは? そこで今回は、おすすめの化粧品原料メーカーを10社ご紹介。メーカーの特徴やメリット、化粧品原料の基礎知識、選び方なども併せて解説するので、ぜひ参考にしてみて。

更新日:2023/03/31

お話を聞いたのは・・・

化粧品開発コンサルタント 赤星恵美子さん

化粧品業界歴20年。大手化粧品メーカー、オーガニック化粧品メーカーで企画、開発等様々な職種を経験。現在はELATE COSME WORKS代表として、企業向け化粧品開発のサポートや、美容メディアの記事監修、化粧品の成分解析などを行っている。

今月のピックアップメーカー[PR]

一丸ファルコス株式会社

世界でも数少ない天然素材の有用成分の開発、製造に特化した企業

創業から60年以上にわたり、天然素材の有用成分を研究、開発してきた化粧品原料開発のパイオニア。

例えば、ヒメフウロエキスに肌トラブルの元となるトリプターゼの働きを抑える効果があることや、マンダリン果皮エキスが皮膚の透明感を向上させることなどを発見。ナチュラル志向層をターゲットにした商品作りや、新しい商品開発を目標としている企業に好適。

「in-Cosmetics ASIA 2014 Bangkok」では最優秀化粧品原料部門の銅賞を受賞、中国・広州で開催された「PCHi2023」では、PCHi6度目のFountain Award(化粧品技術革新賞)を獲得するなど、複数の受賞歴を持つ。経験豊富なメーカーを探している人は一度相談してみよう。

1.化粧品の原料とは?

化粧品のベースとなる「原料」。化粧品の約7~9割は「基材」と呼ばれる成分でできていて、残りには添加剤が含まれている。まず2つの成分の違いや、概要を確認しよう。

基材以外の「添加剤」は、商品の特徴やポイントになることから重要な役割を担うともいえる。添加剤の種類は、主に天然系有用成分(美容成分)、安定成分、その他の成分の3種類。

1-1.基剤

水性成分

基材のなかでももっとも多く配合され、水に溶けやすい性質を持つ。肌の保湿に役立ち、水やエタノール、精製水、グリセリンなどが代表的。

原材料にこだわりを持つメーカーでは、果実水やハーブ水などの品揃えがあることも。

油性成分

水に溶けにくい性質があり、保湿した水分が逃げないように肌に膜を張る役割がある。

乳液やクリーム、ボディオイルなどに多く配合され、スクワランやワセリンなどの炭化水素、ホホバ種子油などのロウ、またはオリーブ果実油、シア脂、馬油などの油脂と、複数の種類がある。

界面活性剤

水性成分と油性成分を混ぜ合わせるための成分。界面活性剤を入れることで乳化が起こり、原料が均一化されるため、化粧品製造に欠かせない。汚れを落としたり、静電気を防いだりする効果も期待できる。

なお敏感肌向けの商品には、人によっては肌に合わない可能性もある石油由来の合成界面活性剤は避け、アミノ酸由来などにするのがおすすめ。

1-2.添加剤

天然系有用成分(美容成分)

機能性成分とも呼ばれる、化粧品にプラスの機能をもたらす成分。保湿、美白、シワ改善、引き締め、ハリなどの働きを持つ。

具体的には、コラーゲンやヒアルロン酸、イソフラボンなどの成分が挙げられる。天然系有用成分は、含有できる量があらかじめ決められているケースも少なくない。

また多く入っていればよいというわけでもなく、肌荒れリスクや効果を発揮できる分量などを加味して調節する必要がある。

安定成分

化粧品の変質を防止することを目的として配合することが多い。一度開封した化粧品は空気や肌に触れると菌が繁殖したり酸化したりする恐れがあるため、防腐剤や酸化防止剤などをブレンドし品質の維持に努める必要がある。

また、テクスチャーをなめらかにするための増粘剤や、酸性、アルカリ性を調整するためのpH調整剤などを入れるケースも。これらの成分が配合されていないと肌に合わない可能性もあり、欠かせない成分のひとつといえる。

その他の成分

香料や色剤、冷感成分など、天然系有用成分でも安定成分でもない、化粧品の香りや見た目をよくするための成分。ファンデーションには色剤を入れるが、スキンケア商品には入れないといったように、商品によって配合する成分が大きく異なる。

監修者のアドバイス

ELATE COSME WORKS代表 化粧品開発コンサルタント 赤星恵美子さん

水性成分は、潤いを与えるモイスチャー効果があります。例えば、エタノールは清涼感、グリセリンは温感効果などの働きもあります。
油性成分は、肌からの水分蒸散を防いで、肌を柔らかくするエモリエント効果があり、クレンジングなどに使用されるのが一般的。

環境への配慮という観点で、天然由来の原料開発が多い傾向にあり、その中でも植物エキスは新規成分として注目されています。ただ、溶剤の種類によって溶け出す成分は変わり、効能効果も変わります。同じ表示名称でも抽出方法によって変わってくるためメーカーに確認しましょう。

2.化粧品原料の選び方

「基材」と「添加剤」の中にもさまざまな種類の成分があり、どの原材料を使用するか悩んでいる人も多いのでは? 化粧品原料の選び方を紹介するので、商品を企画、開発する際の参考にしてみて。

2-1.成分・効果にあった原料で選ぶ

化粧品の成分や効果にあった原料を選ぼう。配合する成分や効果を決める際は、商品コンセプトやターゲット層を明確にする必要がある。

例えばニキビを防ぐ化粧水を作りたいと考えている場合は、油性成分の分量を少なくし殺菌成分を配合するなどの選択肢も。

年齢肌向けの化粧品であれば、ヒアルロン酸などの保湿成分やナイアシンアミドなどのシワ改善の効果が認められた有効成分などが挙げられる。

2-2.配合しない成分で選ぶ

配合しない成分によって、商品の方向性が変わるケースも。例えば、香料を入れないとナチュラル志向な商品になり、天然系有用成分(美容成分)を入れないと子供向け商品にもなり得る。

配合する成分だけでなく、配合しない成分、できれば入れたくない成分についても考えてみよう。

2-3.全成分のバランスで選ぶ

成分によって相性の良し悪しも異なる。とくに油性成分は固形や液体、さっぱり、しっとりなどさまざまなテクスチャーがあるため、水性成分との相性に合わせて選ぼう。最近では、さっぱり感を出すためにあえて界面活性剤を使用しない商品も出ている。

一つひとつの成分を選んでいくというよりは、各成分のバランスを見ながら全体像を決めることが大切。

監修者のアドバイス

ELATE COSME WORKS代表化粧品開発コンサルタント 赤星恵美子さん

メーカーやブランドの方針によって、天然由来の原料のみ使用したり、動物性の原料は使用しない等あるので、コンセプトにあったメーカー選びが重要になってきます。

気をつけるべき点は原料にはグレードがあるということです。精製度合いによって不純物の含有率が変化し、原料の価格にも影響してきます。どのグレードで配合されても、化粧品の表示には同一名で記載されるので注意しましょう。

3.人気のおすすめ化粧品原料メーカー10選

ここでは、化粧品原料メーカー10社をご紹介。知名度の高いメーカーを紹介するので化粧品原料の購入を検討している人はぜひチェックしてみて。

一丸ファルコス株式会社

世界でも数少ない天然素材の有用成分の開発・製造に特化した企業

創業から60年以上にわたり、天然素材の有用成分を研究、開発してきた化粧品原料開発のパイオニア。

例えば、ヒメフウロエキスに肌トラブルの元となるトリプターゼの働きを抑える効果があることや、マンダリン果皮エキスが皮膚の透明感を向上させることなどを発見。ナチュラル志向層をターゲットにした商品作りや、新しい商品開発を目標としている企業に好適。

「in-Cosmetics ASIA 2014 Bangkok」では最優秀化粧品原料部門の銅賞を受賞、中国・広州で開催された「PCHi 2023」では PCHi 通算 6 度目の Fountain Award(化粧品技術革新賞)を獲得するなど、複数の受賞歴を持つ。経験豊富なメーカーを探している人は一度相談してみよう。

日光ケミカルズ株式会社

1946年創業の歴史と実績を誇るグローバルカンパニー

1946年に創業した、パーソナルケアや医薬品、化成品分野を中心に活躍するメーカー。処方相談から開発、製造までトータルサポートを依頼できる。

化粧品原料は約3000種類と豊富で、商品コンセプトやイメージにあった化粧品の製造が可能。とくに高品質な界面活性剤に定評があり、技術を応用して半導体や食品製造の分野でも活躍している。

グローバルカンパニーとして、海外パーソナルケア事業にも注力。機能性原料やサステイナブル原料などをアメリカやアジア、ヨーロッパなどで提供している。世界のトレンドや需要も考慮した商品開発がかなうので、世界進出をめざす企業におすすめ。

高級アルコール工業株式会社

ニーズに合わせたオーダーメイドの製造サポートが可能

パーム油など植物由来の高級アルコールを開発、製造するメーカー。新規性・進歩性・経済性・安全を重視した独自技術が強み。

油性成分の一種である高級アルコールは、商品に撥水性を与えるほか保湿、皮膚の保護に欠かせない。また、テクスチャーをなめらかにしたり乳化成分の状態を安定させたりするために使われることも。

オーダーメイドのサポートができる点も心強い。処方開発の初期段階でも相談ができるので、商品の製造や開発が初めてで不安を感じている人におすすめ。

阪本薬品工業株式会社

豊富な実績を持つ、日本国内で唯一のグリセリン専業トップメーカー

豊富な実績と安定的な供給力に定評がある、日本国内で唯一のグリセリン専業メーカー。

創業から70年以上にわたって培ってきた独自技術を用いて、高品質なグリセリンを製造。ヤシやパームといった植物油脂原料を使用しているから、肌にやさしい商品作りに適している。

植物由来の天然グリセリンは、クリームやローション、ジェル、口紅といった商品に使用可能。保湿に特化した商品を製造したいと考えている企業にぴったり。

三洋化成工業株式会社

自社開発のコスメブランドを持つ企業。豊富なノウハウで開発、製造をサポート

化粧品や自動車、住宅など幅広い分社で活躍している企業。豊富なノウハウと知識、ネットワーク力で商品の開発、製造をサポートしている。

化粧品事業も拡大しており、2020年にはスポンサー契約を結ぶ中国人女子プロゴルファーとのコスメブランドも自社開発。海外進出をめざす企業もぜひ注目してみて。

低刺激性洗浄基剤や水溶性保湿成分、増粘、ゲル化剤など、化粧品の製造に必要な一通りの成分はすべて保有。抗菌、防腐剤も配合できるから、ニキビ予防や敏感肌向けの化粧品製造にも適している。

日本精化株式会社

独自性のある成分を複数保有。オリジナリティの高い商品を開発できる

100年の歴史を持つ老舗企業。化粧品原料事業ではリン脂質素材、機能性油剤、生理活性物質の3つを使用した商品作りを行う。

ギリシャ、ローマ時代から使用されていたとされる、羊毛からとれる天然油脂、ラノリンなど、中でもリン脂質素材の製造に特化。保湿性や乳化性が高く、化粧品の基材として幅広い商品に使用できる。

他にリポソームや天然乳化剤、高溶解エステルなども製造。ほかのメーカーにない成分も多数保有しているから、オリジナリティの高い商品を開発したいと考えている企業におすすめ。

日本光研工業株式会社

パール顔料を製造するメーカー。アイシャドウやフェイスパウダーの開発に好適

アイシャドウやフェイスパウダーなどに応用できるパール顔料を、国内で唯一製造するメーカー。化粧品はもちろん、機械の塗料や住宅内装などの製造も手がけている。

例えば「SILSEEM」という独自開発された成分は、絹のようにつややかな仕上がりに。色だけでなく、肌に輝きをプラスしたいときにもおすすめ。

また、合成炭化水素系溶剤や高品質タルク、黒色顔料も製造。色やテクスチャー、種類のバリエーションが豊富だから、コンセプトに合わせた商品作りがかなう。

東振化学株式会社

テーマに合わせた企画、開発に関する相談が可能。初めての商品開発におすすめ

化粧品や医薬品、食品添加物など、さまざまな化学商品の開発、製造をするネットワーク商社。化学業界、業種のジャンルを超えた企業とも積極的に提携することで、新しい商品や成分の開発をめざす。

東振化学株式会社では、油性成分や水性成分、界面活性剤、エキスといった化粧品の製造に欠かせない基材を多数製造。国内外の化粧品や医薬部外品原料も揃っているから、化粧品原料の容易な調達が可能に。

さらに、商品の企画や相談から研究、設計までトータルサポート。初めての商品開発で、何から始めればよいかわからないときにも安心。

池田物産株式会社

世界ニーズを把握するグローバルカンパニー

化粧品や食品、ヘルスケアといったヒューマンケア分野で活躍する企業。世界のニーズに合わせた原材料をそろえている。

化粧品原料の基材は一通り保有しているうえ、紫外線防御剤やリン脂質関連物、特殊製剤品といった原料も提供可能。化粧水や乳液はもちろん、化粧下地や日焼け止めなどの商品にも活用できる。

企画、開発だけでなく、世界規模で販売するためのマーケティング力やコミュニケーション力が強み。世界の約30カ国、200社以上での販売実績がある。

大東化成工業株式会社

パウダーを使用する化粧品を中心に、幅広い商品に対応

粉体分野の製造に特化した老舗メーカー。「世界から必要とされる化粧品原料のエキスパート」をめざしており、幅広い商品に対応が可能。ターゲット層やコンセプトに合わせた商品開発をサポートしている。

パウダーファンデーションなどに使用される原料の一種である、表面処理粉体ひとつをとっても、化粧持ちに優れたもの、しっとりとした質感を与えるものなど、さまざまな種類を製造している。

国内6拠点、海外4拠点を展開。拠点数が多いからすぐに相談に行きたい、自社の近くで商品製造している企業を選びたいと考えている企業にもおすすめ。

4.読者の疑問を解決!化粧品原料に関するQ&A

ELATE COSME WORKS代表 赤星恵美子さんが、化粧品原料についての疑問にお答え。

安定化成分とは?

化粧品の品質維持に役立つ成分のこと。化粧品は、法律によって製造から3年間の品質維持が義務化されているため、腐食や変色を防ぐために安定化成分が欠かせない。

種類としては防腐剤、増粘剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤などがあり、防腐剤の中にもカルボマー、ペクチンなど複数の種類がある。それぞれの特徴や他の成分との相性も確認しながら慎重に選択しよう。

全成分表示のルールとは?

全成分表示義務とは、化粧品に含まれるすべての成分を記載すること。日本で化粧品を製造、販売する際は、全成分表示義務が課される。全成分表示に関する主なルールは以下の通り。

・分量の多い成分から順に記載する
・成分表示名称リストに記載のある和名を使用する
・キャリーオーバー成分は記載しなくてもよい
・混合原料は成分ごとに記載する
・抽出物は抽出溶媒または希釈溶媒に分けて記載する
・香料成分は「香料」と記載してもよい
・医薬部外品は表示指定部分のみの記載でよい

なお、海外ではそれぞれの国のルールに従って記載する必要がある。海外展開も検討している場合は注意しよう。

化粧品原料の配合ルールって?

化粧品原料を選択する際は、以下のような配合ルールについても確認しておこう。

・使用してはいけない成分がある
・配合量を守ることで使用できる成分がある
・タール色素のうち、赤色219号と黄色204号は爪用か髪用の商品にしか使えない
・グリセリンのジエチレングリコールの含有量が0.1%以下とする

化粧品基準は平成12年に厚生労働省が発表した基準。厚生労働省のホームページから資料を確認し、配合ルールに違反しないよう心がけよう。

化粧品原料メーカーはどこで見つける?

初めて化粧品を作る際は、原料メーカーをどのように探せばよいかわからず困ってしまうことも。インターネットで検索するほか、化粧品原料メーカーについてまとめたコラムを読む、化粧品OEMメーカーや原料メーカーをまとめて検索できるサイトを使う、身近に化粧品を販売している企業があれば相談してみるなどの方法もある。

化粧品原料メーカーは複数あるから、保有している成分やサポート内容といったメーカーの特徴を比較し、自社に合った企業を選ぼう。おすすめの化粧品原料メーカーを10社紹介した今回の記事も、ぜひ参考にしてみて。

この記事に登場した監修者

ELATE COSME WORKS代表 化粧品開発コンサルタント 赤星恵美子さん

株式会社カネボウ化粧品に6年勤務し、結婚後にポーラ化成工業株式会社に転職。2社では、主に医薬部外品の主剤分析、クレーム品や製造トラブルに関わる調査分析業務に携わる。

その後、アロマ、オーガニックコスメのOEM製造会社にて新規化粧品事業の立ち上げに携わり、化粧品製造販売業許可、化粧品製造業許可を5カ月で取得。自社ブランドおよび企業向けの商品開発、コンサルティング営業、製造オペレーション構築、オーガニックコスメの処方開発に携わる。

実績として、有名アパレルブランドのノベルティコスメや、ヘアケア製品、アロマ製品、スキンケアブランド、メンズコスメなど多数。コンセプトに沿って洗練されたパッケージデザインにも気を配っている。

今回の記事では、化粧品原料メーカーの選び方からOEM業界の事情まで、幅広く監修。OEM業界に携わってきた経験から、化粧品開発にまつわる基礎知識をわかりやすく伝えている。

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※記事は2023年3月31日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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