ひびのこと ~夏の暑さを旬の食べ物で吹き飛ばそう~

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【毎週土曜日 16:00 更新】
わたしたち日本人は古くから、四季に寄り添って暮らしてきました。季節の移ろいごとに、暮らしやすくするための知恵や技を使った丁寧な生活。それらは日本の風情や趣として現代に伝えられています。わたしたちが大切に育んできた暮らし方、もう一度見直してみませんか?

更新日:2016/08/27

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夏は一年の中でも体力を最も消耗する季節です。炎天下で過ごすと体に熱がこもって熱射病になってしまたり、夏バテで食欲不振になったりと、体調管理も難しいもの。暑い夏を元気に過ごすためには、カラダの内側から健康になることが大切です。
暑いからといって、ついつい冷たい食べ物や飲み物を摂り過ぎてはいませんか? 冷たい食べ物をたくさん摂取すると内臓の機能が低下して体調不良を起こしやすくなります。
でもご安心ください。食べ物で体の熱を取り除く方法はあるんです。
今回は夏の暑さを乗り切るために、火照った体の熱を和らげてくれる食材を上手に使った暮らしの知恵をご紹介します。

毎日の食事に意識しておきたい『身土不二』の考え方

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身土不二(しんどふじ)という言葉を聞いたことがありますか? 身(カラダ)と土(土地・環境)は切っても切れない関係であるという意味で、自分が生まれ育った土地の作物を旬の時期に食べることが健康につながるという考え方です。
例えば、熱帯地域で育つトロピカルフルーツは、暑さに対応できるように体の熱を冷ます効果があります。この食材を寒い時期に食べると冷えにつながり、体調不良を招きやすくなってしまいます。逆に、冬野菜には体を温める成分が多く含まれています。

暑さを和らげる食材は?

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それでは、夏の暑さを乗り切るためにはどんなものを食べたらよいのでしょうか。
古くから伝わる中医学の考え方によると、食材は「熱性」「温性」「平性」「涼性」「寒性」の5つのタイプに分けられます。文字通り、体を温める効果があるものが「熱性・温性」、どちらでもないものが「平性」、そして熱を冷ます力があるものが「涼性・寒性」です。
夏の体の火照りを取りのぞいてくれる「涼性・寒性」の具体的な食材を見てみましょう。

【寒性・涼性の食材】
きゅうり・茄子・オクラ・レタス・セロリ・スイカ・トマト・ゴーヤ・ズッキーニ・冬瓜・メロン・マンゴー・バナナ・パイナップル・ハト麦・緑豆・ミント・白砂糖・塩・・・etc.

【寒性・涼性の食材の効能】

体の熱や火照りを取りのぞき、便通をよくする

ただし、暑いからといって解熱作用のある食材ばかりを摂っていては体がどんどん冷えてしまいます。
重要なのはバランスの良さ。
例えば体を温めるスパイスを使って、カレーにしてみたり、炒め物にしてみたり、食材と調理方法を上手に組み合わせることができれば、夏バテ知らずの健康な体を手に入れる近道になってくれます。

夏の火照りを取り除く、さっと簡単お手軽レシピ

【胡瓜とプチトマトのナムル】

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【材料】
・きゅうり・・1/2本(乱切り)
・プチトマト・・・5個
★ごま油・・・大さじ1
★酢・・・大さじ1
★すりおろしにんにく・・・少々
★すりごま・・・大さじ1

【作り方】
【1】きゅうりは薄切りにし、プチトマトは1/4にカットする。
【2】★の材料をボウルで混ぜ合わせ、きゅうりとプチトマトを入れて絡ませて出来上がり。

時間がないときでも、火を使わずに簡単に作れるレシピです。お豆腐の上に乗せたり、素麺の具材としても美味しく召し上がっていただけます。

まだまだ今年の残暑は続きます。夏の旬食材を味わいながら、体の中から涼しく、健康的に過ごすことを心がけてみてください。


記事/渡部さやか
日常と食のライフスタイルマガジン「ケノコト」の編集企画業務をしつつ、自身主宰の日本酒・食のイベントを開催するほか、ライフスタイルにまつわる執筆を行っている。

※記事は2016年8月27日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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