大正時代の女学生の恋を描いた人気漫画「はいからさんが通る」の世界を紹介する展覧会

更新日:2017/10/28

明治から大正にかけての女学生の装いだった、華やかでキュートな袴姿。今や女の子の卒業式スタイルの定番だけど、その人気に火をつけたのは、1975年から連載されて大ブームとなった漫画家・大和和紀の「はいからさんが通る」だと知っていた? この人気漫画の原画とともに、大正から昭和初期の女学生や女性たちの姿を紹介する展覧会が開催中。大正時代の乙女たちの世界を、漫画と歴史資料で体感して。

② 「はいからさんが通る」
「はいからさんが通る」 第1巻 1975年 (C)大和和紀/講談社

ハイカラ女学生とイケメン少尉の恋物語。その名シーンを描いた貴重な原画を公開

2017年9月29日(金)から12月24日(日)まで、文京区の弥生美術館では「はいからさんが通る」展 ~大正?乙女らいふ×大和和紀ワールド!~を開催中。元気で男まさりのハイカラ女学生・花村紅緒と、笑い上戸のイケメン少尉・伊集院忍の恋物語が展開する漫画「はいからさんが通る」の世界観を、原画や当時の資料などで紹介する。漫画の中の数々の名シーンを貴重な原画で見られるから、連載当時に少女だったママ世代にも教えてあげたい。

弁慶橋にて
弁慶橋にて(東都女学生通学姿)『少女画報』1913(大正2)年12月

大正時代の女学生文化「ハイカラらいふ」を当時の雑誌や写真などで紹介

大きなリボンを髪に結んで、着物に袴、編み上げのハーフブーツを履いてさっそうと自転車に乗る少女たちの姿。それは、明治~大正という時代の、和装から洋装へ移り変わる時期に現れた一瞬のきらめきのような存在だったそう。会場では、漫画「はいからさんが通る」の舞台となった大正時代の女学生の文化について、当時の雑誌や写真、ファッション小物、自転車などを展示して、その「ハイカラらいふ」を検証するコーナーも。この時代の自由な着物の着こなしは、着物のおしゃれのヒントになるかも。

「どろぼう天使」
左:「どろぼう天使」1969年(若木書房)(C)大和和紀 *デビュー作品
右:「あさきゆめみし」第1巻 1980年 (C)大和和紀/講談社

デビュー作から最新作まで、大和和紀・画業50周年を振り返る代表作の原画展示も

また、デビューから50周年を迎えた作者・大和和紀の画業を振り返る展示も実施。デビュー作となった1966年の「どろぼう天使」から、シリーズ累計1800万部を超えた源氏物語が原作の「あさきゆめみし」、現在も連載中の最新作「イシュタルの娘」まで、代表作が一度に見られる。

11月12日(日)と12月9日(土)の14時からは、学芸員によるギャラリートーク(事前申込不要・要入館料)も開催されるので、興味のある人はこちらもぜひチェックを。大正ロマンとラブコメディと、ハイカラな女性たちの姿に元気をもらいながら、展覧会を楽しんで。

外観

「はいからさんが通る」展 ~大正?乙女らいふ×大和和紀ワールド!~

TEL.03-3812-0012
東京都文京区弥生2-4-3 弥生美術館
アクセス:東京メトロ千代田線「根津駅」より徒歩7分、南北線「東大前駅」より徒歩7分

会期:2017年9月29日(金)~12月24日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜
入館料:一般900円、大・高校生800円、中・小学生400円
「ハイカラさん割引」
袴着用で来館すると100円引き+大正乙女しおりをプレゼント(他割引と併用不可)

WRITING/NAOKO YOSHIDA (はちどり)

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※記事は2017年10月28日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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