全国のクラフト工房から手仕事の逸品が集結するイベント「工房からの風」が市川市で開催
更新日:2017/10/06
陶磁、ガラス、染、織、木工、金属、革など、作り手の思いが詰まったさまざまなクラフトの逸品と、その手仕事を生み出す作家たちが、全国から集うイベント「工房からの風」。今回は初開催から15回目の節目を迎え、特別な図録の刊行販売や初のコラボ展示など、見どころもいっぱい。気持ちよい秋風の中で、クラフトの祭典を楽しもう。
第15回の記念プログラムも必見!「工房からの風」出身の人気作家にも注目を
2017年10月14日(土)と15日(日)の2日間、千葉県市川市のニッケコルトンプラザ屋外会場では「第15回 工房からの風 craft in action(クラフト イン アクション)」を開催。全国から集まった70名の作り手による野外展覧会で、今回は15回を記念して、これまでに出展経験のある作家51名の代表作とエッセイを編んだオールカラーの記念冊子図録「風50+」(1000円)も販売。クラフト好き必見の1冊となっている。
回を重ねる中で「工房からの風」への出展を機に活躍の場を広げる作家も増え、出展作家には受賞歴を持つ作家さんも多い。福岡県糸島市の木工ブランド「DOUBLE=DOUBLE FURNITURE(ダブル=ダブルファニチャー)」は「工芸都市高岡2017クラフトコンペティション」で高橋俊宏賞を受賞。端正なフォルムから丁寧な仕事ぶりが伝わる、カトラリーなどの作品を今回も出展する。
作り手の個性が相乗効果を生み出す初のコラボレーション展示「風のケミストリー」も
第15回展の記念に、出展経験作家による初のコラボレーション展示「風のケミストリー」も6組で行われる。例えば、「Anima uni(ジュエリー)」x 大野七実さん(陶器) x 大野八生さん(イラスト)の組は、果実や植物をモチーフに、ブローチなど装身具を発表。それぞれの作り手の感性と技術がどんなケミストリー(化学反応)を見せてくれるのか、楽しみな展示に。
写真は繊細な金属表現と動物の愛らしさで人気の作家、岡山在住の水野麻弥さんの作品。今回が初の屋外展示なのだとか。このほかに透明の吹き硝子のシンプルなフォルムが美しい、岐阜在住のガラス作家・さこうゆうこさんの作品などもチェックしたい。
作り手と使い手が交流する「手仕事の庭」には自然豊かな工房で作られた作品がよく似合う
「工房からの風」は2016年度のメセナ大賞を受賞したほか、2017年度はグッドデザイン賞(Activity・取り組み部門)も受賞。「手仕事の庭で地域の人々とつながり、工芸を通して作り手と使い手とのつながりを育む活動を継けている点を評価していただきました」と、広報担当者さん。これも、交流する人々のぬくもりが感じられるイベントならでは。
写真の作品は、綿や麻シルクなど自然素材の布に草花や心に描いた風景をのせて染められた、豊田陽子さんの作品。長野の自然豊かな工房で描かれた手描きのストールは、緑豊かな庭が広がる会場にぴったり。
庭の恵みを使った味わい豊かなカフェメニューも。秋の週末をクラフト&フードで楽しんで
会場では、庭の恵みも使ったお茶とスイーツの「トキニワカフェ」や自然酒蔵元「寺田本家」など、食のブースも充実。例えば、写真は「トキニワカフェ」の「らふと茶菓部」による「栗の渋皮煮とくるみの黒糖パウンドケーキ」。このほかに、「pâtisserie MiA(パティスリー ミア)」のラズベリーのバターケーキや「CORDUROY(コーデュロイ)」の木いちごあんぱん、オリジナルハーブブレンドの紅茶など、ナチュラルな素材を使った味わい豊かなフード&ドリンクが揃う。クラフト散歩の合間にひと息入れたいときは、オープンカフェで楽しんで。
展示販売のほかにも、作家から直接手ほどきを受けられるワークショップや、ギャラリートーク、制作風景の公開なども行われるという。個性豊かなクラフトの手仕事と開放的なカフェのメニューで、実り多い秋の週末を過ごしてみては?
第15回 工房からの風 craft in action
TEL.047-378-3551
千葉県市川市鬼高1-1-1 ニッケコルトンプラザ屋外会場
アクセス:JR・都営新宿線「本八幡駅」、JR「下総中山駅」より徒歩10分、JR「本八幡駅」北口に無料シャトルバスあり
開催日:2017年10月14日(土)・15日(日)
開催時間:10:00~16:30
※雨天決行(荒天の場合は、当日午前8時に開催か中止かを決定)
WRITING/NAOKO YOSHIDA (はちどり)