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わたしたち日本人は古くから、四季に寄り添って暮らしてきました。季節の移ろいごとに、暮らしやすくするための知恵や技を使った丁寧な生活。それらは日本の風情や趣として現代に伝えられています。わたしたちが大切に育んできた暮らし方、もう一度見直してみませんか?

更新日:2016/08/20

ミントのメントールがもつ涼しさ

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清涼感を得られるハーブとして広く知られているミント。夏になると飲食店でもミントの風味を効かせたお菓子やお酒などのメニューも登場してきて、その涼し気なイメージについ惹きつけられてしまいます。

ミントは世界中で栽培されているシソ科ハッカ属のハーブの総称です。食べ物や飲み物に添えられていたり、ガムや歯磨き粉などの香料と使われていたり、アロマオイルなどの原料として使われていたりとその用途は様々で、みなさんにとっても身近なハーブなのではないでしょうか。
その品種は何百種にも及ぶといわれています。ペパーミントやスペアミント、アップルミント、オレンジミント・・・と挙げればきりがありませんが、なかでもスースーした清涼感の元となる成分である「メントール」が多く含まれているのが西洋ハッカの葉っぱと言われていています。特に代表的な2種類としてペパーミントとスペアミントです。
また日本では、北海道で主に栽培されている和種ハッカから抽出されるハッカ油にもこのメントール成分がたくさん含まれているといわれています。

このメントールが持つ清涼感こそ、じめっとした夏の暑さと不快感を和らげてくれる優れものなのです。


どうしてスースーするの?

ミントに含まれるメントールが肌に触れるとどうして冷たく感じるのでしょうか? 実際に体温が下がっているのでしょうか?
実は、私たち人間の皮膚や口の中には「冷たさ」を感じる受容体があり、メントールがこの冷感を引き起こす受容体を刺激することでひんやりした感覚になります。というわけで、実際には皮膚や口の中の温度が下がっているわけではなく、ひんやり冷たいと錯覚しているだけなのです。
そしてなんと、ミントのクールダウン効果は体感温度でマイナス4度ともいわれています。



清涼感だけではないミントのもたらす効能

ミントに含まれるメントールにはひんやりとした清涼感を感じる効果の他にも、様々な効果があります。
●清涼効果
●眠気覚まし・気分転換
●筋肉痛や頭痛の緩和
●かゆみの鎮静効果
●消臭・消毒効果


暮らしへの取り入れ方

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例えば、フレッシュなミントを栽培してハーブティーにしたり、製氷皿にミントを散らしてミント入りの氷を作ってみてはいかがでしょうか。
清涼感を得られるだけではなく、ミントは食することで解熱作用が得られ、胃腸を活発に動かしてくれるので夏バテ気味で食欲がない方には特におすすめです。


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もっとお手軽に使いたい場合にはオイルが断然おすすめ。ハッカ油は薬局でも売っているので入手も簡単です。

オイルはお風呂に1~2滴垂らすだけで湯上りが爽快になりますし、疲れたときや眠い時には、ほんのちょっと指になじませてこめかみあたりをマッサージするだけで意識がはっきりして集中力も高まります。
またオイルを使ったスプレーは夏休みのお出かけに携帯すれば、虫よけ、かゆみ止め、酔い止め、制汗スプレーにもなるという優れもの。
あなたの生活スタイルに合った方法でミントを上手に暮らしに取り入れてみてください。



これ1本で暑い夏を乗り越えよう。【万能ハッカスプレーの作り方】

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■材料
・ハッカ油・・・5~6滴
・無水エタノール(掃除用途でない場合は消毒用でも可)・・・小さじ2
・水・・・90ml
・携帯用スプレーボトル

■作り方
上記の材料を容器にいれて混ぜるだけ。

■用途
・汗をかいた体にシュッとひと吹きすればひんやりクールダウン。消臭・制汗効果もあります。
・乗り物酔いの時にはハンカチに吹きかけてにおいを嗅げば吐き気が治まります。
・アウトドア遊びの時に肌に吹きかけて虫よけに。虫に刺されてしまった箇所の炎症止めにもなります。

ミントがもたらしてくれるひんやりとした清涼感とリフレッシュ効果。上手に使えるようになると、この夏手放せないアイテムになること間違いありません。毎日のことだからこそ、環境にも身体にも優しい暮らしの知恵を取り入れてみてください。




渡部さやか(ケノコト)
日常と食のライフスタイルマガジン「ケノコト」の編集企画業務をしつつ、自身主宰の食・日本酒のイベントを開催するほか、ライフスタイルにまつわる執筆活動も行なっている。

※記事は2016年8月20日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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