メトロミニッツ編集部のお酒担当・松島が日本全国を巡って見つけた日本ワインを、ワイン初心者の編集長・古川に飲みながら伝える連載。第9回は、1988年に山梨県の中央葡萄酒の支店として北海道の千歳の地に創業した千歳ワイナリーを訪れました。
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●メトロミニッツ編集長 古川誠(右)
一昨年の日本ワイン特集を機に日本ワインの魅力に目覚め、今や家飲みもすっかり日本ワインに。日本ワインのことをもっと知りたい
●メトロミニッツ編集部 お酒担当 松島千冬(左)
ワインエキスパート・エクセレンスの資格を持つ、日本ワインを愛する編集者。日本中のワイナリーを訪れ、古川に日本ワインを教える
今月の日本ワイン:北海道中央葡萄酒・千歳ワイナリー「北ワイン ピノ・ノワール プライベートリザーブ」
赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはケルナーのみを醸造。プライベートリザーブは、ピノ・ノワールを樹齢ごとに仕込み、約9カ月樽熟成させた後、特に優れたものをセレクトし、さらに1年以上瓶熟成させた千歳ワイナリーのトップキュヴェ。
北海道中央葡萄酒・千歳ワイナリー
TEL/0123-27-2460
住所/北海道千歳市高台1-7
※見学可(要予約の有料見学ツアーもあり)
松島(以下:松): 今月からイラストをリニューアルしました! 古川さんもずいぶんとダンディになりましたね。ぜひコメントもダンディにお願いします。
古川(以下:古): 人生で一度もしたことないわ(笑)。そこは今まで通りでいこう。
松: そうですね。
古: あれ? このワイン、中央葡萄酒って書いてあるのに北海道なの?
松: そう。この連載の初回にご紹介した山梨県の中央葡萄酒の第2支店として、1988年に北海道に誕生したのが、千歳ワイナリーなんです。
古: 1988年? 結構古いんだね。
松: はい。2011年に分社化して独立し、あの三澤彩奈さんの弟の三澤計史さんが代表を務めています。
古: えー! お姉さんが山梨、弟さんは北海道でワインを造ってるんだ。
松: そうです。飲んでみてください。
古: これ、ピノ・ノワール?
松: 古川さん、すごい。正解です!
古:味がわかるようになってきたぞ。
松: 三澤さん曰く、ピノ・ノワールの魅力は、「芳醇な香り、なめらかな口当たり、上品な味わい。この品格あるブドウが飲み手を魅了し続ける」と。そもそも千歳ワイナリーを北海道に設立した目的は、世界水準のピノ・ノワールを造ること。その夢を実現するために、ピノ・ノワール栽培の第一人者と呼ばれる余市町の「木村農園」とともに1993年からブドウを育てて、ワインを造っています。でも今でこそ、木村農園と言えば、千歳ワイナリーを始め、ココ・ファーム・ワイナリーや10Rワイナリーなど、トップワイナリーにブドウを提供していますが、90年代はまだ北海道でのピノ・ノワール作りは難しく、鳴かず飛ばずの日々を過ごしていたそうです。
古: そんな時代があったんだ。
松: はい。「1993年から15年経った2008年に初めて北海道のグレートヴィンテージというものを経験し、千歳ワイナリーと木村農園が二人三脚で支え合ってきたものがようやく報われた。この期間があるのが、うちのワイナリーの価値です」と三澤さんはおっしゃっていました。
古: 「グレートヴィンテージ」って、よい年だったってこと?
松: はい。天候に恵まれた年のことです。ちなみに、今飲んでいるワインの2019年も降水量が少なくて、年間の日照時間は近年トップクラス。ブドウがよく熟した、余市町のグレートヴィンテージと言われています。
古: なんかさ、そういう想いとか天候とかを全部受け止めて、グラスに入っているっていうのは感慨深いね。
松: だからこそ、その場所で造る意味があるんですよね。三澤さんに今後どんなワインを造っていきたいですか? とお聞きしたら「北海道でしか造れない、全部自分で飲みたくて1本も売りたくなくなるような、究極のピノ・ノワールを造りたい」と。
古: めっちゃいいね。俺、松島の話を聞くたびにワインを造る人のことが好きになってるわ。
限定10名募集! 7月21日(金)開催・編集部と飲んで旅する日本ワイン会
今回ご紹介した「ピノ・ノワール 2019 プライベートリザーブ」を含む千歳ワイナリーの6種のワインを、メトロミニッツ編集長・古川、お酒担当の松島と一緒に飲む日本ワイン会を開催。会場は麻布十番のフランス料理店「エルブランシュ」。洗練されたワインとおいしいお料理をお楽しみに。リピーター枠も設けていますので、2~3回目の方もぜひご応募ください。
●日時:2023年7月21日(金)19:00~22:00(受付18:45~19:00)
●会場:エルブランシュ(東京都港区麻布十番2-8-10 パティオ麻布十番5F)
●会費:20000円(コース料理・ワイン代込み)
●募集人数:10名(抽選)
●参加条件:1名もしくは2名での参加。代表者および同行者ともに20歳以上であること
●応募〆切:2023年6月30日(金)23:59
●参加方法:下記のリンクより申し込みください
※応募者多数の場合は、抽選とさせていただきます
※当選した方にのみ、メトロミニッツ編集部(info@metromin.net)よりメールにて、2023年7月10日(月)までにご連絡させていただきます
●主催:スターツ出版
●お問い合わせ:メトロミニッツ編集部(info@metromin.net)
【ワインラインナップ】(各1杯のご提供となります)
・北ワイン ケルナー スパークリング
・北ワイン ケルナー 2020
・北ワイン ピノノワール ロゼ 2021
・北ワイン ピノノワール 2020
・北ワイン ピノノワール 2019 プライベートリザーブ
・北ワイン ケルナーレイトハーベスト 2021
Photo/KATSUMI SATO Illustration/MARIE MORI
※メトロミニッツ2023年7月号「編集部と飲んで旅する日本ワイン」より転載