日本の酒が生まれる地を訪ねる連載「MEETS SAKEBITO」。沖縄・首里最古の酒蔵で出会ったのは、泡盛の多様性の伝道師。度数もクセもがつんと強め、泡盛のそんなイメージが変わります。
Vol.16 沖縄・那覇市「瑞穂酒造」仲里 彬さん
「瑞穂酒造」の創業は、琉球最後の国王・尚泰王が即位した1848年。
古酒に新酒を継ぎ足し育てる泡盛の伝統製法「仕次ぎ」をメーカーで初めて取り入れ、こだわりの古酒造りで知られます。
「でも古酒だけじゃない。元々フロンティアスピリットのある蔵なんです」と語るのは、商品開発部の仲里さん。
「うちは原料の米の種類も貯蔵方法もさまざま。桜や沖縄県花のデイゴから採取する自社酵母の開発を進めてきたほか、早くから海外進出を果たし、グローバルな視点も強みです」。
先達が培った技術とチャレンジ精神を引き継ぎ、仲里さんが力を入れるのは、泡盛の間口を広げること。
製造に科学的な分析を用い、米麹由来の甘い風味にフルーティな香りが漂う新感覚の泡盛を手がけるなど、現在なんと約100 種の商品構成を実現。
最近では泡盛の知見を活かしたジンやラム造りも大きな話題に。そのラインナップは言うなれば、オープンかつフレンドリー!
お酒初心者からマニアまで、どんな人でも推しの1本が見つかるはず。
「瑞穂酒造」で生まれた泡盛
琉球泡盛 ロイヤル瑞穂
熟成五年古酒
3190円(720ml)
5年以上熟成させた古酒を独自配合でブレンド。なめらかでとろりと甘く、ナッツやドライフルーツと合わせれば、口中でぐんと風味豊かに!
PHOTO/TAMON MATSUZONO TEXT/RIE KARASAWA
※メトロミニッツ2022年5月号「MEETS SAKEBITO」より転載