湘南でクラフトビールを造るブルーパブへ_MEETS SAKEBITO Vol.11

更新日:2021/11/20

日本の酒が生まれる地を訪ねる連載「MEETS SAKEBITO」。今回訪ねたのは、涼しい風に潮の香りが混ざる秋の湘南。グッドバイブスに満ちたブルーパブにある、小さな醸造所が舞台です。

Vol.11 神奈川・茅ヶ崎市「バーバリックワークス」安藤佑一さん・永石卓宏さん

オーナーの安藤さん(右)は栃木県出身。10 代でアメリカに留学、帰国後は大手外食企業に勤めた後、湘南で独立。2016年、醸造所併設のバル「ゴールデンバブ」オープン。醸造長の永石さん(左)は佐賀県出身。JA の飲料部門や飲料メーカーを経て入社

写真の右側、豊かな髭がトレードマークの安藤さんは“パンチョ”の愛称で知られる名物オーナー。

2016 年、経営するバルにクラフトビール醸造所を併設する際、安藤さんの胸にあったのはちょっとした反骨心でした。

「ビールって、いつも既製品のソーセージと一緒に出てくるイメージでつまらない。もっとワインのようにたくさん選択肢があればいいのに」。長年飲食畑を歩みソムリエ資格も持つ安藤さん。

飲料メーカーから転職した永石さんとともに造り始めたビールは、どこかワイン的アプローチを感じさせます。

左上/柿や梅、苺など旬の地元産フルーツを使うビールも製造 右上/ 茅ケ崎駅近くの人気バル「ゴールデンバブ」に併設 左下/ 安藤さん曰く、「湘南は“東京近郊の海外”って感じ」。都会的だが肩の力が抜けた街の雰囲気が、2人の造るビールとマッチする 右下/バルでは常時10 タップ前後がつながっている

例えば、人工的なガス充填ではなく、自然に発生させる方法で炭酸ガスを付けたり、地元産フルーツと発酵中の麦汁を木樽に入れ、野生酵母の力を借りながら熟成させたり。

気付けば杯を重ねてしまうナチュラルな味わいは、料理の味も会話の流れも邪魔しません。トレンドは気にせず、自分たちが飲みたいビールをマイペースに造るのが2人の信条。

地元の常連客でにぎわうバルの中、今日も黄金色のビールが、愛すべき名バイプレーヤーとして存在感を放ちます。

「バーバリックワークス」で生まれたビール

ゴールドフィッシュボウル
710円(330ml)

トロピカルな香りとシトラス感、セッションIPAらしいクリアなのどごしが光るドリンカブルな1本。地元アーティストによるラベルもクール!

バーバリックワークス

TEL/0467-67-7916
住所/神奈川県茅ヶ崎市幸町23-21 ブリーゼ茅ヶ崎1F

※内部の見学は応相談。通常は「ゴールデンバブ」店内から様子を伺える

PHOTO/SAORI KOJIMA TEXT/RIE KARASAWA
※メトロミニッツ2021年12月号「MEETS SAKEBITO」より転載

※記事は2021年11月20日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります