オズモールとはじめる、SDGsアクション。小さな“サステナブルチャレンジ”から始めてみませんか? 最近よく耳にする食品ロス・フードロスという言葉。日本では、年間600万トンもの食品が食べ残し、売れ残りや期限が近いなどの理由で食べられる状態なのに廃棄されている。そもそも食品ロスとフードロスは意味が同じと思っている人も多いのでは。そこで言葉の違いを解説。あわせてフードウェイストなど関連キーワードもおさらい。
今回のサステナブルチャレンジは“言葉の意味や由来を正しく理解して、今の食生活を見直してみること”
食品ロス・フードロスとは?
「食品ロス」とは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことを指します。お店や自宅で食べきれずに残したもの、使いきれずにダメにしてしまった食品、スーパーなどで期限が過ぎてしまって廃棄される食品などのすべてが食品ロスです。
農林水産省の調査によると、日本では年間2531万トン(※1)の食品廃棄物等が出されていて、このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品は約600万トンだとか(※1)。これは日本人全員が、毎日茶碗約1杯分の食べ物を捨てている計算になります。
世界に目を向けると、生産された食料の約1/3が食品ロスとして廃棄されているんです(※2)。
※1 農林水産省及び環境省「平成30年度推計」
※2 FAO「世界の食料ロスと食料廃棄―その規模、原因および防止策」(2011)
フードロスってなに?食品ロスとの違いは?
日本では、本来食べられるのに捨てられてしまう食品、つまり「食品ロス」のことを「フードロス」と表現しているケースも多いですが、厳密に言うと、海外で「フードロス」というと、意味合いが異なります。
国際連合食糧農業機関(FAO)では“Food loss”を「小売業者、食品サービス事業者、消費者を除く連鎖の中で、食品供給者の判断や行動によって生じる食品の量や質の低下」と定義。海外では、消費者に届く前の事業者側に対する言葉として使われるのが一般的です。loss=損失(失われた)という意味合いが強く、消費者の手に届く前の段階、生産~加工~流通までの間で廃棄せざるを得なくなったものを指します。
発音としては同じながら意味合いが少し違うため、最近日本では、いわゆる「食べられるのに捨ててしまう食品」という意味としては「食品ロス」を使おうという動きが出てきています。
フードウェイストってなに?食品ロスとの違いは?
一方、フードウェイストはいわゆる「食品廃棄物」のこと。同じくFAOによると、「小売業者、食品サービス事業者、消費者の判断や行動によって生じる食品の量や質の低下を指す」とあり、外食産業や小売だけではなく、消費者の食べ残し、調理で発生するゴミなども含め廃棄されてしまう食品全般を指します。waste=無駄にするという意味合いが強く、海外では消費者の行動によって生じる食品のロスは、“Food Waste(フード ウェイスト)”と表現されるのが一般的です。
このように英語では、生産者時点で廃棄(loss)となったもの、小売や外食、家庭で廃棄(waste)となったもので表現が変わります。最近、FAO(国際連合食料農業機関)では無駄になる食品全般を“Food Loss and Waste”と表現するようになりました。これは農林水産省などが「食品ロス」と表現しているのと同じものを指しています。日本語では「食品ロス」、英語では“Food Loss and Waste”と表現されるのがこれからは一般的になりそうです。
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- 取材協力・監修/料理研究家・行長万里さん
- 島根県出雲市生まれ。女子栄養短期大学卒業後、料理教室勤務。
フリーとなりテレビ、ラジオ、雑誌等を手掛ける。
捨てる前に考える、使い切り、使いまわし、食べきり方法、フードロス講演を行う。使い切り料理教室を各地で開催中。江戸川区の公式ウェブサイトにて「30・10運動レシピ」配信中。
そのほか、「足立区もったいないレシピ」「テイストメイドジャパン きゅうりめし動画」などYouTubeにて配信中。
山陰放送あさスタ「行長万里のひろがる料理」放送中。
著作に「給料日前のピンチを救う50円クッキング」などがある。
- 料理研究家・行長万里さん公式Instagram:https://www.instagram.com/mariyukinaga/
- ホームページ
- 料理研究家・行長万里さん公式HP
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WRITING/KIMIKO OHKATSU