オズモール　女性・OLのための情報サイト

山本文緒の『プラナリア』という
短編小説の一説を読みました。

乳ガンで右胸を除去した主人公は
少し屈折しているところあり、知り合いに
「私、乳ガンで右胸を切除したの」
「生まれ変わったらプラナリアになりたい。
どこから切っても自然に元にもどるから」
といっては、相手の反応をみて楽しむクセがあった。
ある日、主人公が友情を感じ始めていた女性に
「自分は乳ガンで右胸がない。
生まれ変わったらプラナリアになりたい」
と打ち明けたところ、後日彼女から大きな荷物が届いた。
開けてみたら、乳ガンとプラナリアについての本や写
真がたくさん入っていて、それを見た主人公は、彼女に悪気
はないとわかりつつも、怒りに駆られた。

という話でした。
これを読んだとき、私は過去に、友達に対して
同じ様なことをしてしまったのを思い出しました。
友達が私に
「私の弟、色弱なの」
と打ち明けてきたのです。私は、色弱がどういうものか
知らなかったので、いろいろ調べた上で彼女に
「色弱は遺伝病だけど、こういう機関で治ったらしいよ」
と本をプレゼントしました。
彼女の対応は
「ありがとう。でも小さいころそこに行ったらしいけど
ダメだったみたい」
というものでしたが、その後少しだけ疎遠になりました。
でもプラナリアの話を読んで
その時私は同じように彼女を傷つけたのではないかと
ようやくきづきました。
彼女は、弟さんが色弱だということを私に告げたのは
私を仲の良い友達と認めてくれたからのことであって、
私が本をプレゼントしたことで、そんなことを
望んでいたわけではないのにと
本当にがっかりしたのではないかと思います。

その後、彼女から連絡を取ってきて、
普通にメールのやりとりをしていますが
もう以前のような親しい間柄ではありません。
あれから数年経っていますが、
彼女はきっと、そのことを覚えていると思います。

「あの時、ごめん」と言いたいけれど、
その話題を出しても彼女は不快かもしれないので
言うつもりはありません。
でも、どうしたらあの時のことを許してもらえるのか
ずっと気になっています。

どうしたら、彼女に対して償えると思いますか？