移住・2 拠点生活を研究する「ちょうどいい暮らし・ラボ」では、宇都宮所長と見習い助手のミネザワくんが日々奮闘中。今号は“ 地方中枢都市と移住先の関係” をラボから実況！第三回目は、地方中枢都市のちょうどいい暮らしはどこにある？をお届けします。地方中枢都市のひとつである札幌の暮らしを「OMO3札幌すすきの（おも） by 星野リゾート」に滞在して体験したレポートも公開
地方中枢都市のちょうどいい暮らしはどこにある？
生活、時間、行動のリズムを
ダウンできる心地よさ
見習い助手（以下見） 移住って自然豊かな場所へというイメージでしたが、福岡や仙台、札幌といった都市への移住希望者も多いんですよね？
所長（以下所） そうですね、札幌は僕の憧れの地ですら・・・。福岡、北九州、広島、仙台、札幌は地方中枢都市と言いまして、人口は50万人以上。なにがいいってにぎわいも便利さもあるけど、自然も近いことだね。なにより東京のアクティブな感じと違って、人や時間の流れが少しペースダウンしたそんなリズム感がちょうどいいんですよ。
見 確かに～。不便は避けたいけど、ゆったりした感じも欲しい、なんて移住初心者に向いてそう。
所 まさにそう。移住したいけど、不便さなどのネガティブな条件に目を向けてしまうとなかなか移住できませんよね。結婚とか転職とかと同じ。ある程度の勢いも必要だと思いますが、不便もないけど自然がある地方中枢都市は、移住のために使うエネルギーが少なく済むんですよ。
見 まさか所長、結婚も移住も勢いですか？
所 そんなわけないですよ(笑)。都心から家族との移住を考える時も、生活が180度変わるわけではないので、家族を説得しやすいことも地方中枢都市のちょうどよさでもあります。
自分のアイデアと自治体とが
結びつく喜びはひとしお！
所 地方中枢都市での暮らしは意外と自治体との距離感が近いのもいいところですよ。例えば、「川の水があふれそうだけど、どうしよう」とか「子供たちがスポーツできる場所を作りたい」なんて大小問わず、相談すると案外実現できるんですよ。自分のアイデアが形になる、こうしてみんなで暮らしと街を作っていく感覚は充実感がありますね。人口の多過ぎる地域では難しいけど、地方中枢都市サイズだとそんなことも可能ですから。
見 自治体とのつながりがあれば、安心できそうですね
所 移住の視察に行く際は、自治体が設けている移住の窓口を訪れて相談してみましょう。相談にのってくれるし、お試し移住で泊まれる宿を紹介してくれることもありますよ。視察はぜひ泊まりで行き、その街の昼と夜を過ごして、どんな街なのか肌で感じることがいいと思いますよ。
見 まずは視察に行っちゃおうかな。
◆ラボ研究員
所長 宇都宮ミゲルさん
7年前、浅草より奥多摩に移住。こだわりの深夜3時のコーヒーは昼間の山々を眺めながら飲む1 杯へ。近著に『お気軽移住のライフハック100』（集英社インターナショナル）
見習い助手 ミネザワくん
毎週末、トレランをしに山ごもり。そのために働くトレラン偏愛編集者。移住は山一択で検討中。トレランをしながらときどき陶芸をしてパンを焼く生活を夢見る
◆REPORT
地方中枢都市・札幌へ視察旅にひとっ飛び。地元の人の暮らしを体験レポート
OMO（おも）レンジャーの力を借りて
札幌で暮らすように滞在
所長のアドバイスをもとに、地方中枢都市のひとつである札幌を見習い助手が自ら視察。地元の人が足を運ぶ場所や、ローカルフードが楽しめて、札幌愛を語ってくれる店主のお店などに札幌の昼と夜の顔を見に行った様子をレポートします。
10 年前に北海道マラソン＋観光で訪れて以来の札幌。しかも今回は観光のミーハーノリではなく、移住を視野に入れて暮らすように滞在することを意識して視察をしました。
地元の人が集うカフェや散歩の定番コース北大への朝ランから300人も集まる北海道神宮のラジオ体操に参加。札幌の食文化、ラーメンやジンギスカンについて熱く語る店主のうんちくを聞きながら、スナックで隣のお客さんと肩寄せ合って、夜のすすきのを堪能。こうした、まるで札幌で暮らすような滞在を、ホテル「OMO3札幌すすきの（おも） by 星野リゾート」のスタッフで、ホテル界隈のことを知り尽くしているOMOレンジャーに案内してもらいながら実現。地元民のあたたかな人柄に触れ、札幌での暮らしを垣間見ながら、観光とは一味違った体験をしてきました。
◆DAY TIME
ほどよく穏やかな時間の中で時を過ごす
北海道神宮神門前に約300 人
以上もの「ラジオ体操」の集い
朝6 時を過ぎるとおなじみの顔が揃うラジオ体操仲間。木々の多い神社の神門前で早朝から体を動かすことですがすがしい1日のスタートに。
住宅街に佇み、地元民から
一目置かれる「石田珈琲店」
20 年近く札幌に暮らし、お店の窓から街を定点観測する店主。自家焙煎のコーヒー片手に、街や珈琲談義が楽しめる。
元祖さっぽろラーメン横丁の
旭川系ラーメン「特一富屋」
OMO3札幌すすきのの「ラーメンはしご」のチケットを使って「特一富屋」の味噌ラーメンを堪能。味噌とサバ節がおいしさの決め手。
◆NIGHT TIME
ディープ過ぎるすすきのでまるで仕事帰りのごとく食らう
札幌の象徴的な風景
すすきのの「夜の路地裏」
OMOレンジャーに教えてもらった、ネオンが光る路地裏へ。カウンターだけの小さな店も多く、お客さん同士も親しくなるのはすすきのならでは。
オリジナルのたれとスパイスで
食べる「じんぎすかん マルタケ」
あっさり、でも心地いいうまみの稀少なアスパラひつじを、1㎜単位でこだわって作った鍋で味わう最高のジンギスカン。
昼は歯科衛生士のママがいる
「スナックあさこ」
ガラス張りで、すすきののにぎわいを見ながらお酒を。ママの守備範囲の広い会話に老若男女が集う
スナックあさこ
TEL.090-3117-4888
北海道札幌市中央区南6条西4-1-1 プラザ6・4ビル５F
今回滞在したのはこちら
OMO3札幌すすきの by 星野リゾート
ホテルを拠点に街の人や食を知る
星野リゾートが手がける都市ホテル。幸せな夜更かしをテーマに、すすきのを楽しむ仕掛けが多々。地元スタッフによる「ご近所ガイドOMOレンジャー」が作る「ご近所マップ」や一緒に裏路地を歩く「夜更かし散歩」、元祖さっぽろラーメン横丁でハーフラーメン3杯が味わえるOMO限定アクティビティ「元祖さっぽろラーメン横丁 ラーメンはしご」などが揃い、札幌の街や人、食を知る拠点に最適。
TEXT／MIE MINEZAWA ILLUSTRATION／makomo
※メトロミニッツ2022年10月号「ちょうどいい暮らし・ラボ」より転載
