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うちのお隣の家は、旦那さんが医者で九州で単身赴任、
奥さんは一軒家で息子と娘と暮らしていました。
現在は、嫁にいった娘が離婚して帰ってきたあと、
精神分裂症を患って、奥さんと共に九州へ。
奥さんもげっそりとやつれて見る影もなくなり、
息子だけがその家に残っています。

ある晩、うちの母がぼそりと言いました。

「お隣りの奥さんは、野良猫に餌をやって
半飼い状態だった。寂しいから餌をやってなつかせるけど、
きちんと飼っているわけではなかった。
そのため、猫はどんどん増えていった。
旦那さんのいる鹿児島に数週間行く時は餌も置いていかず、
庭の草木に消毒液をまいた時、それを猫が食べたりして、
多くの猫が死んでいった。
すると奥さんは、死んだ猫をつまんでゴミ箱へ捨てていた。
あんなふうに動物を虐待していると、
今にタタリがあると恐れていたのだけど、
やはりその心配が的中してしまった…」

恐らく、奥さん本人は、自分がしていることを
虐待だとは思っていなかったことでしょう。
可愛いしおなかをすかせているから餌をやってるのだと。
けれど、責任が取れない状態で中途半端に動物を
飼うことは、とても残酷なことなことなのかもしれません。

それにしても、動物のタタリって本当にあるのでしょうか。
真夜中に、ぼそりとつぶやいた母の語り口調のせいか、
なんだか背中がぞくっとしました。