ローカルの日常を訪ねる「ステイケーション」。滞在中に出会える、その町ならではの朝の風景をフォトグラファー嶋崎征弘さんの一枚の写真と文でお届けします。今号は恵比寿と代官山の間、住宅街の中にたたずむイタリアンバル「Sputnik」へ。カクテルから始めるこの町ならではの朝、ぜひみなさんもご体験ください
代官山の隠れ家バルで、休日は朝からカクテルを一杯
「シェリーソニックになります」と淡い琥珀色のカクテルをオーナーの伊藤さんがスッとカウンターから出してくれた。シェリーにソーダとトニックで爽やかな飲み口。そこにオレンジピールがふわっと香る。
時刻は10時30分。朝から?と言われてしまいそうだが、たまにはバルの一杯で休日をスタートさせるのもいいかなと思う。
代官山駅から線路沿いを渋谷方面へ向かう途中、人通りも少なく、平穏な通りにある「Sputnik」。入口の脇にはエスプレッソマシンが、その奥にはバーカウンターがあり、老舗イタリアンバルのような落ち着きだけど、どこか風通しがよい。窓からの光が、奥の大きな鏡に反射して店内の照明と合わさり、朝のような夕方のような色と雰囲気。濃い木目のカウンター、半月のハイテーブル、こなれた小物類がバランスよく配置され、開店1周年とは思えないほど、よく馴染んでいる。
飲み慣れている方は、1杯目の注文ですぐにわかるらしい。伊藤さんが教えてくれた夕食前のネグローニ。次回はこれをサラッと注文しよう。
今回訪れたスポット:東京都・渋谷区/Sputnik(スプートニク)
バリスタでありバーテンダーの伊藤さんが手がけるイタリアンバルは、毎日通いたくなること必至の1軒。朝から深夜までの営業で、おはようのコーヒー、ジム後のビール、食前のカクテルなど、街の人たちの暮らしに寄り添うお店です。午後早め、14時からシェーカーを振るう本格的なカクテルが味わえるのも嬉しい。
東京都渋谷区恵比寿西2-18-6
営業時間/8:30~24:00
水定休
PHOTO&TEXT/MASAHIRO SHIMAZAKI
※メトロミニッツ2022年6月号「ローカルモーニング」より転載