年間500軒は食べ歩くというスイーツ芸人・スイーツなかのさんが都内のアンテナショップで探してきた、きらめくご当地の宝石!?のような絶品スイーツをご紹介。一度は食べたいスイーツでおやつ時間をアップデートしてみて。今回は、「かわいいパッケージのおやつ」テーマから、「日本橋 長崎館(日本橋)」の逸品、小浜食糧の「復刻版クルス」をお届け。長崎土産にも、バレンタインデーやホワイトデーのプチギフトにもおすすめ!
(c)YOSHIMOTO KOGYO
生地のデザインにも注目!
よろスィーツ! スイーツ芸人のスイーツなかのです。
今回は、長崎県「小浜食糧」が作る「復刻版クルス缶」をご紹介します。長崎銘菓として長く愛されているクルスですが、皆さんは食べたことありますか? 長崎出身の方なら親しみあるでしょうし、旅行した方ならお土産で買ったことがある人も多いでしょう。クルスの歴史は長く、初めて作られたのが1964年。この年は、東京オリンピックがあったり、日本が高度経済成長の真っただ中で、大変活気があったそうです。今回ご紹介する復刻版は、クルス誕生50周年を記念して作られたもの。黄色を貴重に角に丸みを帯びたデザインは、どこか柔らかな印象もあって素敵ですよね。クルスを食べ終わったあとも缶がすっごくかわいかったので、僕は家で小物入れとして使っています(笑)。
ただ、クルスをまだ食べたことがない方からすると、そもそもクルスってどんな意味?と思っているかもしれません。その答えは缶のイラストにもヒントがありますが、クルスとはポルトガル語で「十字架」の意味。言われてみると、赤いラインで十字架が描かれていることがわかりますよね。ご存知の通り長崎県はキリスト教との縁が強い土地であり、クルスはキリシタン銘菓としても親しまれています。十字架とともにシスターが描かれていますが、これは昭和を代表する画家のひとりでもある洋画家の鈴木信太郎さんのイラストで、クルス発売当初のパッケージにも使用されていたもの。ちなみに、少し脱線すると鈴木さんの絵は他のお菓子屋さんでも結構使われているので、スイーツが好きな人ならどこかで見かけているかも(笑)。
さて、肝心のクルスとはどんなものなのか。パリッとした生地にホワイトチョコレートを挟んでいます。サクサク、パリパリと生地の食感は軽く食べやすいのですが、チョコレートのコクもあり、合わせて食べると力強さも感じます。このバランスがすっごくよくて、ずっと食べていたくなる味わいがナイスィーツ! チョコレートは隠し味に生姜の風味づけをするなど工夫も凝らし、発売当初はハイカラなお菓子として珍しかったそうです。あと、クルスの生地の模様にも注目してもらいたいのですが、これは「花十字」と呼ばれる紋章。天草四郎の刀の鍔(つば)の模様がモチーフになっていて、潜伏キリシタンの象徴です。キリシタン銘菓でもあり、長崎銘菓でもあるクルスは、お菓子を通し長崎の歴史を語り続けていることがよくわかります。デザイン性、ストーリー性、色んな角度でぜひ味わってみてくださいね。
ご当地スイーツDATA
- スイーツ名
- 小浜食糧の「復刻版クルス缶」(10枚入り)
- 価格
- 1080円
- 主な販売場所
- 【長崎県】県内のアーバンリサーチアミュプラザ長崎店、ボンパティ各店など
【東京都】日本橋 長崎館
- お問い合わせ
- TEL.0957-75-0115(小浜食糧)
- ホームページ
- 小浜食糧HPはこちら
ご当地スイーツを紹介してくれたのは
スイーツ芸人・スイーツなかの
東京都立川市生まれ。早稲田大学卒業後、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。特注オーダーのパンケーキハットをトレードマークに、唯一無二の“スイーツ芸人”として活動。和菓子・洋菓子ともに老舗の名店からコンビニまで多ジャンルのスイーツを、今まで5000種類以上を食べ歩いた。日本スイーツ協会認定スイーツコンシェルジュ会員でもあり、その確かな知識でテレビ、ラジオ、雑誌など多数メディアに出演。スイーツのプロフェッショナルとして、ライター、商品監修、セミナー講師など幅広いシーンで活躍中
PHOTO/NORIKO YONEYAMA TEXT/SWEETS NAKANO