年間500軒は食べ歩くというスイーツ芸人・スイーツなかのさんが都内のアンテナショップで探してきた、きらめくご当地の宝石!?のような絶品スイーツをご紹介。アンテナショップを巡って探して出してきた、スイーツなかのイチオシのご当地スイーツは一度は食べたい逸品ばかり! 今回のテーマ「栗」から、「兵庫わくわく館(有楽町)」の逸品、西山酒造場の「栗果」をお届け。
(c)YOSHIMOTO KOGYO
丹波栗が贅沢にゴロゴロッと!
よろスィーツ! スイーツ芸人のスイーツなかのです。
今回は、兵庫県の「西山酒造場」が作る「栗果」をご紹介します。兵庫県の栗といえば、丹波栗。栗に詳しくない人でも一度は聞いたことあるでしょう。ご紹介する「栗果」はこの丹波栗を使ったパウンドケーキで、今回の栗スイーツ特集の中で唯一の洋菓子です。手がける西山酒造場さんは、丹波市の酒造メーカーで、その歴史は170年以上。そこで作られる「栗果」はゴロッと丸ごと丹波栗を使い、栗焼酎を合わせたお菓子。最近は日本酒や焼酎などお酒を使ったスイーツも増えましたが、長い歴史のあるお店だからこそ、自信を持って作れる味なのだと思います。お酒があまり飲めない僕でも、気づけばどんどん食べ進めていたほどおいしく、栗のうまみが凝縮されているのです。お酒が苦手な人にこそ食べてもらいたい。
まず、「栗果」作りの要となるのが栗焼酎。西山酒造場さんのお酒は、地元の素材にこだわった製法で長く作り続けられています。蔵の近くに流れる竹田川の伏流水が井戸に湧き、この清流の水が生命線。「椿寿天泉(ちんじゅてんせん)」と名付けられた井戸から取れる水は、まろやかな味わいの超軟水で、漫画の『美味しんぼ』でも紹介されたのだとか。こだわる素材は水だけでなく、栗の持つ風味や本来の甘さを引き出すために、通常の麹は使わず清酒用の麹を使います。そうすることで、角がないまろやかな味わいになるそう。このまろやかさはパウンドケーキを食べたときにも感じられます。いわゆるお酒のツーンとした感じがまったくなく、心地よい芳醇さとともに栗の風味が伝わってくる。それは、この麹が活きているからだと感じました。
カットしたときにゴロゴロッと出てくる、渋皮煮の丹波栗たち。すべて端っこに寄っているのも、隅っこで謙虚に佇んでいるようで、なんだか愛しい。ケーキひとつに3個栗が入っていて、切り分けるときは5人分くらいが目安。生地はしっとりとした食感で、栗焼酎の風味がしっかり。丹波栗のホクホク感も合わさって、栗の風味で統一されたバランスのよい甘さがナイスィーツ! 母にすすめたら、とっても気に入って、僕が知らないうちに親族への贈り物で購入していました(笑)。確かに、パッケージのデザインもかわいいからギフトにもいいですね。栗菓子が好きな人にも、お酒が好きな人にもおすすめです。
ご当地スイーツDATA
- スイーツ名
- 西山酒造場の「栗果」
- 価格
- 1620円(260g)
- 主な販売場所
- 【兵庫県】丹波本店直販所など
【東京都】兵庫わくわく館(有楽町)
- お問い合わせ
- TEL. 0795-86-0331(西山酒造場)
- ホームページ
- 西山酒造場HPはこちら
ご当地スイーツを紹介してくれたのは
スイーツ芸人・スイーツなかの
東京都立川市生まれ。早稲田大学卒業後、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。特注オーダーのパンケーキハットをトレードマークに、唯一無二の“スイーツ芸人”として活動。和菓子・洋菓子ともに老舗の名店からコンビニまで多ジャンルのスイーツを、今まで5000種類以上を食べ歩いた。日本スイーツ協会認定スイーツコンシェルジュ会員でもあり、その確かな知識でテレビ、ラジオ、雑誌など多数メディアに出演。スイーツのプロフェッショナルとして、ライター、商品監修、セミナー講師など幅広いシーンで活躍中
PHOTO/AYUMI OOSAKI TEXT/SWEETS NAKANO