年間500軒は食べ歩くというスイーツ芸人・スイーツなかのさんが都内のアンテナショップで探してきた、きらめくご当地の宝石!?のような絶品スイーツをご紹介。アンテナショップを巡って探して出してきた、スイーツなかのイチオシのご当地スイーツは一度は食べたい逸品ばかり! 今回のテーマ「パン」から、「ふくい南青山291(表参道)」の逸品。ヨーロッパン キムラヤの「大福あんぱん」をお届け。
(c)YOSHIMOTO KOGYO
大福あんぱん誕生ストーリーにほっこり!
よろスィーツ! スイーツ芸人のスイーツなかのです。
今回は、福井県「ヨーロッパンキムラヤ」が作る大福あんぱんをご紹介します。大福あんぱんとは、その名の通り、大福とあんぱんを掛け合わせたパンのこと。僕が大福あんぱんと出会ったのは、福井県のアンテナショップ「ふくい南青山291」でした。新しいタイプのパンなので、最初手に取った時は最近できたお店が作ったのかなと思いました。でも調べてみると、手掛けたヨーロッパンキムラヤさんは、銀座木村屋總本店から暖簾分けした1927年創業の老舗パン屋さん。しかも、こういう別ジャンルのものを掛け合わせたハイブリッドタイプのパンは新しい印象がありますが、大福あんぱんは誕生してから30年以上の歴史があるそう! 和洋折衷のスイーツが増えている中、そんなにも前から作られていたという事実にとても驚きました。
考案されたのはヨーロッパンキムラヤさんの二代目の方で、フランス・パリに住む友人に会いに行ったことがきっかけでした。二代目が日本を発つ前、その友人のお母さんから「息子の好物の大福を持っていってほしい」と頼まれました。二代目は、そのまま大福を渡すのもおもしろくないと思い、パンの中に大福を隠して渡したそう。あんぱんだと思って口に入れた友人は食べてびっくり! あんこだと思ったら、大福が出てくるのですから当然ですよね。ただ、日本に住むお母さんからの贈り物が、友だちの手によってパンに変わり伝わる。その想いがとてもうれしく幸せな気持ちに包まれたそうです。これが、大福あんぱんの始まり。30年前にこんな温かい物語があったのです。
そんなハートフルなストーリーで誕生した大福あんぱんは、10年間パリに届け続けられました。そして今では“幸せを届けるあんぱん”と呼ばれ、パリでも友好の輪を広げているそうです。パンの部分は、キムラヤ特製のブリオッシュ生地で作られています。驚いたのは、中に包んだ大福と食べたときとの心地よい一体感。餅生地のモチモチッとした弾力、粒あんのほっくりとした食感、すべてをやさしく包むようなふわっとしたブリオッシュ生地。パーツがバラバラになってしまうかと思いきや、パンと大福に密着度があり、食べた時の幸福度は想像以上! ボリュームあるのに、甘すぎず最後まで飽きずにおいしく食べられるバランスも、素晴らスィーツ! サプライズ感もあるので、ちょっとしたプレゼントにもぴったりです!
ご当地スイーツDATA
- スイーツ名
- ヨーロッパンキムラヤの「大福あんぱん」
- 価格
- 1個250円
- 主な販売場所
- 【福井県】ヨーロッパンキムラヤ
【東京都】ふくい南青山291(表参道)、食の國 福井館(銀座)
- お問い合わせ
- TEL.0778-51-0502(ヨーロッパンキムラヤ)
- ホームページ
- ヨーロッパンキムラヤHPはこちら
ご当地スイーツを紹介してくれたのは
スイーツ芸人・スイーツなかの
東京都立川市生まれ。早稲田大学卒業後、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。特注オーダーのパンケーキハットをトレードマークに、唯一無二の“スイーツ芸人”として活動。和菓子・洋菓子ともに老舗の名店からコンビニまで多ジャンルのスイーツを、今まで5000種類以上を食べ歩いた。日本スイーツ協会認定スイーツコンシェルジュ会員でもあり、その確かな知識でテレビ、ラジオ、雑誌など多数メディアに出演。スイーツのプロフェッショナルとして、ライター、商品監修、セミナー講師など幅広いシーンで活躍中
PHOTO/AYUMI OOSAKI TEXT/SWEETS NAKANO