年間500軒は食べ歩くというスイーツ芸人・スイーツなかのさんが都内のアンテナショップで探してきた、きらめくご当地の宝石!?のような絶品スイーツをご紹介。アンテナショップを巡って探して出してきた、スイーツなかのイチオシのご当地スイーツは一度は食べたい逸品ばかり! 今回のテーマ「饅頭」から、「シン・エヒメ(丸の内)」の逸品、山田屋まんじゅうをお届け。
(c)YOSHIMOTO KOGYO
お饅頭の誕生ヒストリーがスゴイ!
よろスィーツ! スイーツ芸人のスイーツなかのです。
今回は、愛媛県「山田屋まんじゅう」が作る大ロングセラーのお饅頭をご紹介します。山田屋まんじゅう、一度はみなさん食べたことあるのではないでしょうか? 今回のお饅頭特集の中でも知名度はかなり高いハズ。150年以上続く老舗和菓子屋さんであり、全国規模で取り扱い店舗があるとっても有名なお饅頭です。お店が誕生した1867年は大政奉還があった年でもあり、翌年は明治へと改元され、日本が大きく変わっていく時代でもありました。そんな動乱の中で生まれたお饅頭だと思うと、食べる一口にも重みを感じます。お菓子が作られた時代背景や歴史が好きなので、考えるだけでワクワク。
歴史で言うと、お饅頭の誕生ヒストリーがまたおもしろい。話は1人の旅人から始まります。とある旅の巡礼の方が泊めてもらったお礼にと、家主へお饅頭の作り方を教えます。この家主が、後の山田屋まんじゅう初代の高辻源蔵さんで、教えてもらったお饅頭が好評となりお店を出されました。さらに、高辻さんはこの旅人が、住んでいた宇和町にあるお寺「山田薬師寺」の山田薬師如来様が人の姿に変えたと信じました。そう、「山田屋」の屋号はここから。現在五代目に至るまで製法を守り続け、今でもお店の方は山田薬師寺へお参りに行かれているそうです。凄くないですか、このお話! なんて、神秘的。ますます、山田屋まんじゅうが好きになります。
さて、長くなってしまいましたが、肝心のお饅頭のお味をご紹介しますね。特徴は、ころんころんとした、小ぶりなこのかわいいサイズ感。大きさは、1個22g。ぱっと見は気付きにくいほどの薄皮で、こし餡を包んでいます。透き通るような薄紫色の美しい餡は、ぎゅっと詰まっているのに、なめらかでさらりとした舌触り。さらに、ふわっとしたエアリーさも感じるような、繊細な口あたりがナイスィーツ! 餡は甘すぎずに、またひとつまたふたつと続けて食べられてしまう上品な甘さ。北海道十勝産の小豆を使っていますが、同じ十勝産でも年によって作柄が変わってくるので、お饅頭に合う上質な小豆を、毎年選んで使っているそうです。お饅頭ひとつに向き合う真摯な姿勢にまたグッときますね。あの吉田茂元首相も大好物だったという、長い歴史を歩んだお饅頭をぜひ!
ご当地スイーツDATA
- スイーツ名
- 山田屋まんじゅう「まんじゅう」
- 価格
- 1個108円、6個入り864円、10個入り1350円ほか
※シン・エヒメでは、3個入り351円、6個入り864円、10個入り1350円の3タイプを販売
- 主な販売場所
- 【愛媛県】山田屋まんじゅう
【東京都】シン・エヒメ(丸の内)
- お問い合わせ
- TEL..0120-784818(山田屋まんじゅう)
- ホームページ
- 山田屋まんじゅうHPはこちら
ご当地スイーツを紹介してくれたのは
スイーツ芸人・スイーツなかの
東京都立川市生まれ。早稲田大学卒業後、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。特注オーダーのパンケーキハットをトレードマークに、唯一無二の“スイーツ芸人”として活動。和菓子・洋菓子ともに老舗の名店からコンビニまで多ジャンルのスイーツを、今まで5000種類以上を食べ歩いた。日本スイーツ協会認定スイーツコンシェルジュ会員でもあり、その確かな知識でテレビ、ラジオ、雑誌など多数メディアに出演。スイーツのプロフェッショナルとして、ライター、商品監修、セミナー講師など幅広いシーンで活躍中
PHOTO/NORIKO YONEYAMA TEXT/SWEETS NAKANO