コロナ禍による延期を乗り越え、東京の街を舞台にしたアートの祭典「東京ビエンナーレ2020/2021」が、2021年7月10日（土）～9月5日（日）に初開催！ ｢見なれぬ景色へー純粋×切実×逸脱ー｣をテーマに掲げ、街のさまざまな場所に点在する60以上の作品を回遊しながら楽しむことができる。今回は、大きな見どころである、ARなどの最新技術を駆使した作品に注目。
「都市と経験のスケール」AR三兄弟
▽東京ビエンナーレ見どころガイド
◆STEP1【東京ビエンナーレの楽しみ方】
◆STEP2【アートとARで未知なる世界へ】←今読んでいるのはこちらの記事
◆STEP3【イーストトーキョーに新たな光を当てる注目のプロジェクト】
◆STEP4【作品から見えてくる未知なる東京】
スマホをかざすと作品が飛び出して、動き出す!? ARで始まるかつてないアート体験3選
その1「Small Mountainin Tokyo」山縣良和
「都会の風景にも山があったらいいのにと思うようになった」と話すファッションデザイナーの山縣良和。神田川にかかる橋の上でスマホをかざすと、かつてこの地にあったという山がムクムクと。その圧倒的なリアリティは体感必至。
その2「TOKYO BUDDA」椿昇
有楽町駅の目の前、新有楽町ビルを目がけて大仏が次々と空から降ってくる。現代美術家・椿昇のAR 作品には、無機質な町の印象が変わるほどのインパクトが。
その3「都市と経験のスケール」AR三兄弟
AR三兄弟は都市をテーマにした新作を開発。バレリーナや力士など、身体に経験を宿した人間の動きとフォルムをデジタル化し、東京の街を背景に踊らせるというアイデアがユニーク。
仕掛け人のAR三兄弟・川田十夢さんに聞きました。ARのある芸術祭はどんな楽しみがありますか？
――そもそもAR（拡張現実）とはどのような技術なのですか？
「簡単に言うと、目の前にある現実空間にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術のことです。人間の五感をメディアを駆使して拡張するところにおもしろさがあって、ゲームやアート以外にもさまざまな業界で活用されています」
――なるほど。ではアートにARを取り入れる醍醐味はどこにあるのでしょうか？
「いちばんは、美術館という狭い空間からの解放ですね。例えば椿昇さんの《TOKYO BUDDA》という作品は、ビルの隙間に巨大な仏像が次々落ちてくるというものなんですけど、これってビル群の中に大きな額縁がある感覚なんですよね。そういう意味では、街そのものを美術館に見立てて作品を展示するという東京ビエンナーレのコンセプトとARは、とても相性がいいと思います」
――東京ビエンナーレのAR作品を制作するうえで、工夫されたことはなんですか？
「やはりリアリティでしょうか。実は今回、現代アートでは世界初の試みとして、奥行きやリアリティを生み出すオクルージョン機能というものを取り入れているんです。writtenafterwardsの山縣良和さんと一緒に、かつて神田にあった神田山を現代によみがえらせる作品を作ったのですが、まるで大きな山がそこにあるかのように感じられると思いますよ」
――まさに「見なれぬ景色」を産み出しているんですね。
「現実に山を作ったら怒られますけど（笑）、ARならそれが可能ですから。今まで見ていた景色を拡張するおもしろさを、ぜひ体感してください」
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※オズマガジン2021年8月号「アートなおでかけ」の記事を一部転載
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イベントDATA
- イベント名
- 東京ビエンナーレ2020/2021
- 開催場所
- 東京都中央区、千代田区、文京区、台東区の歴史的建造物や学校、道路、水辺など60カ所以上
- 開催日程
- 2021/7/10（土）～9/5（日）
- チケット
- パスポート2500円
※各地に点在するオフライン作品、AR作品や音声、動画が体験可能
※ほか作品ごとの個別鑑賞券500円もあり
- ホームページ
- 東京ビエンナーレ 公式HP
オズマガジン2021年8月号は「アートなおでかけ」特集
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WRITING／NAOKO OGAWA
