うまいもの探偵団が、毎回東京の気になる街の気になる店へ突撃。一番売れているメニューをお聞きして、おいしいだけじゃない、愛されている理由を探ります。多国籍、アニメ、芸術など多様性のある池袋にサンシャインシティが町づくりの一環で取り組んだ初の路面店「パピヨンビル」内にパブ「P-144」を今年3月にオープン。この町に住む・働く・遊ぶ・学ぶ人々のコミュニティ拠点として池袋発のカルチャーを発信するお店を訪ねました
【今月のお店】P-144(池袋)
一番売れているメニュー:薬膳魯⾁カレー
探偵団:「P‐ 144」は日本のクラフトビールがシグネチャーですが、料理はエスニックがベースなんですね。
草開店長:オープン時になにを提供しようか考えたとき、池袋の町って人も料理も多国籍で多様性があると思ったんです。それを料理にも反映したくて・・・。どこの国の料理というよりはアジア各国の料理や文化のいいとこ取りをして、それにスパイスを多用して、ほかにはない新しい料理を目指してみました。
探偵団:いちばん人気のメニューは、リピーターも多い「薬膳魯⾁カレー(やくぜんるーろーカレー)」と聞きましたが、これにもいろいろな国の料理が見え隠れしますね。
草開店長:台湾の魯⾁飯、中国の薬膳スープ、インドのスパイスカレーをかけ合わせてみました。
探偵団:魯⾁とキーマカレーの合い盛りというのは食べたことがありますが、薬膳スープが入っているそうで、味の想像がまったくつかないです。どんな味わいなのでしょう?
草開店長:香りがよくてスパイシーですね。十五穀米の上に、クミンやコリアンダーなど10種の特製スパイスを使って、クコと棗(なつめ)の薬膳スープで煮込んだカレーと、八角(はっかく)が香る魯⾁、さらにバジルとカシューナッツ、ラムマサラをトッピングしています。だから、香りは抜群にいいですね。
探偵団:確かに、スパイスの香りが食欲をそそります。カレー、薬膳スープ、魯⾁とそれぞれ異なる個性的な味の組み合わせなのに、バランスよくまとまって、単品で味わうのもいいけど、合わせて食べるとよりおいしいのはすごいですね。
草開店長:いわゆるスパイスカレーとは違うでしょ。カレーも、辛さは控えめで、鶏肉のミンチを使い、あっさり、優しい味に仕上げています。
探偵団:はい。口あたりが驚くほど軽いです。このマイルドさは、クラフトビールともよく合いそうですね。
草開店長:薬膳魯⾁カレーはランチのみの提供ですが、セットドリンクではビールも選べるので、ぜひ飲んでみてください。
探偵団:ビールはどんなものを用意しているのですか?
草開店長:このお店で大切にしていきたいことのひとつが「コラボレーション」。今は伊勢角屋麦酒とコラボしたオリジナルクラフトビール「ドリーム ガーデン」を提供していて、その他にも日本に特化して全国のブルワリーから仕入れています。IPAやラガーなどスタイル違いのビールを樽替わりで揃え、常時6種をタップで味わえます。
探偵団:伊勢角屋麦酒さんには以前、取材でお伺いしたことがあります。どのビールもとてもおいしかった記憶があります! 「P‐144」は駅近でアクセスもいいので、夜も気軽にビール飲みに来れますね。
草開店長:夜なら1杯目には食前酒にぴったりな軽めの「ドリームガーデン」を飲んで、これからの季節にぴったりの「薬膳麻辣もつ煮」を味わってみてください。お待ちしています!
P-144 [ピーイチヨンヨン]
池袋駅東口から徒歩2分にある築約60年の古いビルをリノベした、居心地のいいパブ「P-144」。店長が実際に飲んでブルワーと話しておいしいと思った日本のクラフトビールとアジアンエスニック料理を提供。イベントやワークショップも随時開催。
TEL.090-3131-0144
住所/東京都豊島区東池袋1-4-4 PAPILLON BLDG.
営業時間/ランチ11:30 ~ 15:00(14:00LO)、ティー15:00~17:00、パブ17:00~23:00(22:00LO)
土・日 ランチ11:30 ~ 15:00(14:00LO)、パブ15:00~23:00(22:00LO)
定休日/不定休
【今月の探偵】編集部員:おさだ
メトロミニッツの「ステイケーション」担当。はしご酒好きで、昼はカフェ、夜はバーでひとりまったりが趣味。エスニックも大好き。
PHOTO/KENSUKE HOSOYA
※メトロミニッツ2023年11月号「うまいもの探偵団」より転載