うまいもの探偵団が、毎回東京の気になる街の気になる店へ突撃。一番売れているメニューをお聞きして、おいしいだけじゃない、愛されている理由を探ります。今回は、編集部まつしまが神宮前の住宅地にひっそりと佇むイタリア料理店の「HAUS(ハウス)」に潜入しました。
【今月のお店】HAUS(神宮前)
一番売れているメニュー:とろ~りふわふわキッシュ
探偵団 :イタリア料理とクラフトビールで人気を集める神宮前三丁目の「ガルエデン」。そこでマネージャーを務めていた小林さんが、昨年11月、神宮前二丁目にオープンしたお店が「ハウス」ですよね。小林さん、なぜご自身のお店をこの場所にしたんですか?
小林さん :ガルエデンで働いていた頃、常連さんに自分のお店をやろうかなって話をしたら「信号1つだけなら渡ってあげるよ」って言われて。まさにハウスはガルエデンから信号1個分の距離なんです(笑)
探偵団 :そんな理由だったとは。オープンから半年経ちましたが、一番売れているメニューは何ですか?
小林さん :「とろ~りふわふわキッシュ」です。元々ガルエデンのシェフが修業したイタリアのアブルッツォのリストランテ「ヴィッラ・マイエッラ」のスペシャリテでした。ガルエデンでも出していて、当時からファンが多くて。それを僕なりにアレンジして今の形になりました。
探偵団 :どんな風にアレンジを?
小林さん :うちはクラフトビールとナチュラルワインの店だから、ビールとワイン、どちらにも合うようにというのを意識しています。クセがあったり、熟成したチーズを入れることでお酒にぐっと寄り添うようになる。今日はイタリアの山羊のチーズの2年熟成、羊乳製チーズのペコリーノ、フランスの白カビチーズのブリー、スイスのグリュイエールチーズを使ってキッシュを作り、最後に2年熟成のパルミジャーノを上からたっぷりかけています。
探偵団 :チーズが5種類も使われているんですね~、贅沢! 口に入れると色々なチーズが代わる代わる表情をのぞかせて、これはお酒が進みますね。ワインやビールはどんなものを揃えているんですか?
小林さん :自分が飲んでおいしいと思うものが大前提ですが、ワインはフランスとイタリアのナチュラルワインがほとんど。ビールは、ヨーロッパを中心に食中酒になるビールという観点でセレクトしています。これは僕の解釈ですけど、ヨーロッパのビールって食事とともに水分を取るものとして生まれていたりするので、生活必需品にかなり近い。それに対して、アメリカとかは、「うまいビールつくろうぜ!」っていう文化だから正直、食事には合わせにくいと僕は思っていて。なので、うまいビールより、食中酒としてのクラフトビールをお出しするようにしています。
探偵団 :食中酒としてのワインとビール。だからこんなに合うんですね。そう言えば、小林さんって昔、家具職人だったって本当ですか?
小林さん :はい。建築系の専門学校に通って木工家具を製作していたんです。この店の壁の配色とか家具のセレクトとかは自分でやりました。いつか家具職人の友人と、家具工房併設のレストランをやるのが夢なんですよ。レストランで使っている椅子や家具をそのまま買って帰れるような店。そのいつかのお店の名前もきっとハウスにすると思います。
HAUS
元空き家の一軒家に昨年11 月に誕生したイタリア料理とクラフトビールとナチュラルワインの店。店主はクラフトビアマーケットやガルエデンで活躍した小林賢三さん。生産者との繋がりで集めたこだわりの食材を使った料理をアラカルトでいただけます。
TEL.03-6692-9626
住所/東京都渋谷区神宮前2-14-5
営業時間/18:00~23:00、土・日・祝 12:00~15:00、17:00~23:00
定休日/水定休、その他不定休あり
【今月の探偵】編集部員:まつしま
メトロミニッツのお酒と食担当。ワインが好きなので、外食はフランス料理やビストロ率が高め
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PHOTO/KENSUKE HOSOYA
※メトロミニッツ2023年5月号「うまいもの探偵団」より転載