うまいもの探偵団が、毎回東京の気になる街の気になる店へ突撃。一番売れているメニューをお聞きして、おいしいだけじゃない、愛されている理由を探ります。。今回は編集部おさだが、伝説のインド料理店「ニルヴァーナ ニューヨーク」を訪ねました。
【今月のお店】ニルヴァーナ ニューヨーク(六本木)
一番売れている料理:骨付きラム肉のローガンジョシュ
探偵団:1970年に創業し、ニューヨークで多くのセレブを魅了した「ニルヴァーナ ニューヨーク」が日本で再開したという話から16年。今、こちらの一番人気のメニューは「骨付きラム肉のローガンジョシュ」と言います。どんなカレーなのでしょうか?
引地シェフ:インド北部のカシミール地方の伝統的な宮廷料理のひとつです。スパイス油やギ―などの動物性油脂で体を守って、寒い時期を乗り切るために現地でよく食べられている定番カレーです。これをニルヴァーナ流にアレンジしています。
探偵団:ニルヴァーナ流とは?
引地シェフ:ひとことで言うと、「五感」で感じられるモダンなインド料理でしょうか。
探偵団:五感!? このラムのスネ肉、大人の拳サイズはありますよね。
引地シェフ:大きいでしょ。あまりのインパクトに1皿提供すると、周りのお客さんが見とれて注文してくださいます(笑)。いちばん人気の理由のひとつはこの大きさにあります。おおよそですが500gものラム肉を使っているんですよ。どうぞ食べてみてください、毎日8時間かけて煮込んでいるんで、とてもやわらかいですから。ほぐれたラム肉にカレーをディップするようにつけて味わうのがおすすめです。
探偵団:では、いただきます。ナイフを入れるとほろほろと崩れます。口の中でとろけるようにやわらかく、おいしいですね。ディップしたカレーも辛いというよりうまみがたっぷり。なによりスパイスの香りがいいですね。満たされる感じです。
引地シェフ:スパイスはクローブ、コリアンダーなど9種類。このカレーでは、パウダーではなくホールを使い、リッチに香り高く仕上げています。
探偵団:付け合わせの野菜も甘みがあっておいしいです。引地シェフは、全国の生産者を巡って、おいしい食材を集めていらっしゃるとか。
引地シェフ:ニルヴァーナがニューヨークでなくて日本でお店を再開した理由は、日本の食材のおいしさなのです。2代目オーナーのウォーレンも、僕自身も、日本でインド料理を提供するにあたって、日本の食材はすごく重視しています。今日は、鹿児島県で出会った菜の花、滋賀県の大好きな農園のカブを添えているんですが、カブの甘さはすごいですよ。
探偵団:甘いだけでなく、素材本来の味がしっかり感じられますね。インド料理で野菜がしみじみおいしいって初体験かもしれません。そこに新しさを感じます。
引地シェフ:この後も、カレーのスパイスに鹿児島県の金柑を使ってみたいなどと考えています。山梨県の98winesワイナリーなどのワイナリー巡りもしています。インド料理は通常ワインと合わせにくいですが、どんどん合わせていきたいと思っているんです。今日のローガンジョシュには、赤ワインが合うのでぜひお試しください。
ニルヴァーナ ニューヨーク
2007年にニューヨークから移転して、六本木の東京ミッドタウンで再開したインド料理の名店。インド各地の伝統料理に日本の四季折々の食材を組み合わせた進化系インド料理が味わえる。春には桜も咲くガーデンを眺める開放的な空間も魅力的
TEL.03-5647-8305
住所/東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス1F
営業時間/11:00 ~ 15:30(14:30LO)、17:00 ~ 23:00(22:00LO)
定休日/無休(ビル休館日を除く)
【今月の探偵】編集部員:おさだ
メトロミニッツの「ステイケーション」担当。旅先で出会ったローカル色の強いレアなお酒を蒐集中
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PHOTO/KENSUKE HOSOYA
※メトロミニッツ2023年3月号「うまいもの探偵団」より転載