うまいもの探偵団が、毎回、東京の気になる街の気になる料理店へ突撃。料理人に一番売れているメニューをお聞きして、おいしいだけじゃない、愛されている理由を探ります。今回は編集部スズキが、江戸の粋を感じる町・水天宮前の鉄板焼「すみだ」で至福のランチを調査します。
【今月のお店】鉄板焼 すみだ(水天宮前)
一番売れているメニュー:鉄板焼 和牛のひつまぶし
探偵団:ホテルの最上階・鉄板焼き・ひつまぶし・・・なんとも贅沢な響きです。いざ、ランチタイムの「すみだ」へ!
安冨シェフ:すごい景色でしょう。東京タワーや東京スカイツリーが見える場所が特等席ですね。
探偵団:こんな特等席でいただく、いちばん人気のランチメニュー「和牛のひつまぶし」・・・。想像するだけでお腹が空いてきます。和牛なのにひつまぶし・・・?
安冨シェフ:鰻とフォアグラのひつまぶしに和牛を添えた、3つの贅沢を一緒に味わえる料理です。
探偵団:和牛だけでもかなり贅沢ですが、どうして3つを合わせようと?
安冨シェフ:焼き寿司を提供し始めた頃、フォアグラの軍艦巻きを考えていて。ソースを試作しているとき、シャリに合うのが鰻のタレだったんですね。それで鰻とフォアグラのひつまぶしをひらめいて作ってみました。
探偵団:フォアグラに鰻のタレ! 日本人ならではのアイディアですね。お客様の反応はいかがでしたか?
安冨シェフ:薦めてみると、「シェフ、今回ばかりははずれじゃない?」と(笑)。フランス料理では鰻とフォアグラのテリーヌとかがあるので、相性は悪くないと思っていました。
探偵団:(笑)。お客様もきっと驚かれたと思います。
安冨シェフ:名古屋と違うのは、鰻をタレでやわらかく煮含めてから、最後パリッと仕上げている。名古屋のはカリカリでしょう? そこが違うんです。では、焼いていきますね。
探偵団:つい笑ってしまうくらいいい匂い~。ジュワッという音も相まって、本当に食欲をそそられます!
安冨シェフ:霜降りの和牛はサッと焼いてミディアムレアくらい。その後フォアグラ、鰻と仕上げていきます。
探偵団:ひつまぶしを鉄板焼きでというのが特徴的ですが、調理をする上でのこだわりを教えてください。
安冨シェフ:まずはこの音。そして仕上げの焼き方です。フォアグラはカリッと、鰻はふわっと、食感をちゃんと出してあげること。あとはタレのバランスですね。
探偵団:では、いただきます・・・!
安冨シェフ:軽くつぶすような感じで混ぜるとおいしいです。フォアグラの脂を鰻とからめて。ひと口目はそのまま、その次はわさびを少し添えて食べてみてください。甘さが締まって味わいが変わるので。
探偵団:贅沢この上ないです・・・
安冨シェフ:3つのおいしさがひとつになってますからね。お肉は一緒に食べても、ごはんにのせて上から出汁をかけてもいいですよ。出汁はほうじ茶で割っています。鰻のタレが甘いので、お茶の渋みを加えてマイルドに。甘いだけだと飽きちゃうからね。
探偵団:確かに、飽きることなく完食していました! それから、あっという間にできるのがちょっと意外で。
安冨シェフ:あえて簡単にすぐできるように見せているんですね。ここは五感で味わっていただく場所だから、大変そうなところは見せない。音と香りが見せ場なんですよ。非日常的な空間を楽しんでもらえたらと思います。
鉄板焼 すみだ
水天宮前駅直結、ロイヤルパークホテルの最上階に位置する鉄板焼きレストラン。厳選して仕入れた和牛、ロブスターやアワビといった新鮮な海の幸を、シェフが目の前で調理して提供する。大胆かつ繊細な鉄板さばきに、食欲をかきたてる音や香りなど、五感で楽しむ至福のひとときを過ごそう。
TEL.03-5641-3600(レストラン予約9:00~19:00)
住所/東京都中央区日本橋蛎殻町2-1-1 ロイヤルパークホテル20F
営業時間/ランチ11:30~14:30、土・日・祝~15:00 ディナー17:30~21:30
定休日/無休
【今月の探偵】編集部員:ススキ
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PHOTO/KENSUKE HOSOYA
※メトロミニッツ2022年12月号「メトロミニッツうまいもの探偵団」より転載