毎月案内人をお招きし、思い入れのある場所を教えてもらうこの企画。今月は場を作り、街のユニークな人をつなげ、街の活性化に取り組む「まちづくり会社ドラマチック」の代表・今村ひろゆきさんに浅草、入谷をご案内いただきました
浅草、入谷で“街とつながれる”場所をご紹介!
私が「まちづくり会社ドラマチック」を立ち上げたのは今から10年前。この「コワーキング& シェアアトリエreboot」をはじめ公共施設やイベントスペースなどの場づくりと運営をしながら、街と人を繋ぎ、「本当は違うことを初めてみたいんだけど・・・」という人が最初の一歩を踏み出すためのお手伝いをしています。
この「まちづくり会社ドラマチック」の活動の拠点が、浅草・入谷エリアです。このエリアを選んだのは、歴史や産業、観光スポット、祭りがあって、人情がある「下町」だから。私自身もこの町に移り住んで仕事をしていますが、他にはない人とのつながりを感じています。
浅草・入谷は、自分で事業をしている人が多いんです。このあたりは約150年前から続く革・靴の町ですから、靴屋さんや革屋さんが多いですし、その他にも飲食店やさまざまな商売をしている人がいます。皆独立心があって、人との付き合いを大切にする。私もそんな人たちに地元の祭りに誘ってもらったりしながら、この町の魅力を知っていきました。そういったつながりの中で、自分のやりたいことを発見できる町だと思うんです。
私も入谷・浅草の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたくて、祭りへの参加をコーディネートしたり、町歩きのイベントを開催したりしています。今回ご紹介する巡礼スポットも、その町歩きイベントに協力してくれているお店です。
「ゲストハウスtoco.」にはバーがあって地元の人や旅行者と交流ができますし、「食堂うんすけ」は店で出会った人たちのコラボイベントや教室などを開いています。「et vous?」のシェフも気さくな方で心温まる食事を楽しませてくれますし、「RENDO」では、靴の町入谷・浅草を深く知ることができます。
それらのスポットを巡ったら、隅田公園でひと休みするのもおすすめです。屋形船が見られる隅田川の傍らに、スケートボードができるパークなどがあり、この町の古くからの景色と、今の時代の楽しみ方を見ることができます。
この町にいると、「東京もローカルのひとつなんだ」と感じます。地方に行くと皆さん温かく迎えてくれて、何がおいしいとか、どこに行くといいとか、いろいろ教えてくれますよね。入谷・浅草の人たちもそうなんです。この町を愛していて、魅力をたっぷりと教えてくれる。一歩踏み込めば、素敵な出会いと、新しい発見が待っているはずですよ。
今月の案内人/今村ひろゆきさん
まちづくりの企画運営を行う合同会社ドラマチック代表。入谷でシェアアトリエを運営したり、浅草で革とモノづくりの祭典「浅草エーラウンド」を運営する界隈のキーマン。最近は府中にコワーキングスペースとカフェ、シェアキッチンなどを融合させた「LIGHT UPLOBBY」をプロデュース
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PHOTO/MASAHIRO SHIMAZAKI TEXT/SHINO KAWASAKI
※メトロミニッツ2021年9月号「東京巡礼」より転載