群馬県上野村のキホンと自然を楽しむポイント
旅を案内する前に、上野村と自然についてご紹介。
群馬県上野村は長野と埼玉県に挟まれた群馬の南側にある小さな村。
最寄りのコンビニまでは車で約40分! 村内の道は坂道ばかりなのではと感じるほど、平らな道がない山奥にあり秘境感全開ですが、実は高崎駅から車で約1時間と意外にも近くて気軽に自然に触れられる村なのです。上野村の自然は夏がベストシーズン。でも、冬なら写真映えする幻想的な自然を目の当たりにできる。滝が凍る中止の滝や、関東最大の鍾乳洞、絶景の大パノラマが見られる橋などカメラを持って訪れたいところばかり。
【こんな人におすすめ!】
□冒険気分を味わいたい
□冬の登山が好き
□自然の雄大さに触れたい
【こんなの準備をしておくと万全!】
□登山用の滑らない靴
□軍手
□なるべく身軽に
□カメラ
散策も観光も宿泊施設から徒歩圏内で楽しめる
【群馬県上野村・星空編】で紹介した宿泊施設「まほーばの森」の徒歩圏内にはふたつの見どころがある。高さ90mにかかる巨大吊り橋「上野スカイブリッジ」と、さらに山を登って行くとあるのが関東最大の鍾乳洞「不二洞」。2カ所合わせて約2時間弱で散策できる。まずは、ローテクスニーカーでも満喫できるこの2カ所からご案内。
深い渓谷を結ぶ巨大吊り橋からの大パノラマ
まほーばの森と不二洞や川和自然公園のあるエリアを繋ぐ全長255m、高さ90mの吊り橋が「上野スカイブリッジ」。深い渓谷を結ぶこの橋は、一瞬目がくらむような高さで足がすくむ。けれど、シャボン玉が飛んできたり、橋中央から望む山並みは、上野村の雄大な自然をいやおうなく感じられますよ。
シャボン玉の演出は、1日12回10:00~15:30で30分おきに10分間実施。冬季や天候が悪い日は休止。料金は100円。まほーばの森に宿泊したなら、朝、夕と時間帯を変えて撮影するのもいい。
関東最大級の鍾乳洞で探検家気分を味わう
「上野スカイブリッジ」を渡りさらに山を登って行くとあるのが、全長2.2km関東一の規模を誇る鍾乳洞「不二洞」。洞内は1年を通して10~12度に保たれ、冬はあたたかく、夏は涼しく感じられるオアシスのような場所。
この「不二洞」、見どころはなんと46カ所もある。タイムワープ気分が味わえる入口(写真左上)に始まり、1㎝伸びるのに100年かかるといわれる鍾乳石が長い年月をかけて作り出す洞窟内はライトアップされ、異次元のような空間が広がる。冬場は、水滴が凍ってできる氷の小柱もみられ、このかわいい姿は思わず撮影したくなるほど。
ちなみにここはパワースポットとしても注目される場所。鍾乳洞内の「閻魔の金剛杖」という鍾乳柱を7回さわりながら願いごとをすると願いがかなうのだそう。お礼参りに再びやってくる女性も多いというから、試す価値あり。
これぞ自然の不思議! 冬の名物、滝が凍る氷瀑の風景
上野村では滝が凍る「中止の滝」がある。中止の由来は、滝の流れが凍って止まるからではなく、明治時代、上野村の地勢調査を訪れた役人たちが、この滝の美しさに圧倒され「作業中止じゃ」と作業の手を止め、その景観に感動したということからきているのだそう。そんな景色、一度見てみたいと思わない?
見てみたいと思っても、簡単には見れません。写真のような道なきけもの道を登らなくてはならない。冬場このあたりには残雪が凍り、足元が滑るという過酷な状況。ローテクスニーカーを履いてきた編集Rは、凍ったけもの道を進むことができず、早々に断念(泣)。訪れる際は、スタッドレスタイヤを装着した車で向い、足元は氷でも滑らない靴もしくはアイゼンなどがあると安心。
そして、がんばって登った人のみ見られる氷瀑がこちら。編集Rは登れなかったので、カメラマンAがしっかり写真を撮ってもらい、コメントもくれました。
「滝が凍るのを見たのははじめて。圧倒的な美しさです。上方3mくらいは凍ってないのですが、それ以降は滝全体が凍っています。氷の下には滝が流ていて、シーンと静かな山中、その滝の音のみがするというのも神秘的です。ただ、行きも大変だけど戻るときはもっと大変。安全第一で登ってくださいね」(カメラマンA)。
氷瀑の状況は、上野村のHPで随時更新。冬場の名物なので、例年1月下旬から氷はじめ、2月がいちばんの見ごろ。3月上旬くらいまでは見られる予定。今年は無理でも来年の冬の旅にチャレンジしてみて。
自然もいいけど建築好きにおすすめなのが「旧黒澤家住宅」
上野村の文化や歴史の資料館として開かれているのが国指定重要文化財の「旧黒澤家住宅」。こちらの見どころは、栗板葺き石置き屋根。屋根に30センチほどの栗の板を並べ、板が風に飛ばされないよう石を置いている。この屋根にはなんと約3400個も石を使っているとか。外から屋根をみたら、次は屋内からの屋根も見てみて。板が並び、屋根の仕組みが見られておもしろい。
PHOTO/AYUMI OOSAKI WRITING/RIE NAKATSUJI(OZmall) 取材協力/上野村産業情報センター