群馬県上野村のキホンとこたつで星空観賞のポイント
旅を案内する前に、上野村と星空についてご紹介。
群馬県上野村は長野と埼玉県に挟まれた群馬の南側にある小さな村。
最寄りのコンビニまでは車で約40分! 村内の道は坂道ばかりなのではと感じるほど、平らな道がない山奥にあり秘境感全開ですが、実は高崎駅から車で約1時間と意外にも近くて気軽に自然に触れられる村なのです。標高511mにあり、見上げた空は近くに感じられ、空気も澄んでいて、星空観賞にはぴったり。ただ、夜になると最低気温マイナス10度という想像を超える寒さに村全体が包まれるので、冬は防寒対策しっかりして楽しもう。
【こんな人におすすめ!】
□ふだん空を見上げるのを忘れ、下ばかりを見て歩いている
□想像を超える寒さを体感してみたい
□こたつ好き
【こんなの用意しておくと万全!】
□貼るタイプのカイロ(足&体用)
□マイナス10度でも耐えられるウインドブレーカー
□ニット帽や重ね着用の靴下などの防寒具
□星座アプリ
□携帯電話が冷えないように保護するもの(寒すぎると携帯の充電がすぐに消費されてしまうので)
こたつで星空観賞ができる「まほーばの森」
今回の旅の宿泊場所でもあり、メインイベント“こたつで星空観賞”の舞台となる「まほーばの森」。アウトドアの初心者から上級者まで自然を満喫できる施設で、コテージでの宿泊のほか、夏にはオートキャンプ場でテントを張ったり、BBQも楽しめる。高さ90mの吊り橋「上野スカイブリッジ」や関東最大級の鍾乳洞「不二洞」なども近くにあり、見どころも満載。
そしてここは360度山に囲まれているので、邪魔する建物もありません。東京にはない広い空にどんな星空が広がるのか、考えただけでもワクワク。ただ、宿に到着した夕方の時点で気温は0度を下回っている状況。星空観賞は寒さとの戦いになりそう。
宿泊するコテージはどんな雰囲気?
星空観賞の前に宿泊するコテージを紹介。天井も壁も床もすべて木でできた部屋に入ると目に入るのがこの“こたつ”。木とこたつ、このふたつがあるだけで心が癒されます。左右の壁沿いには二段ベッド式のベッドスペースが。それぞれのベッドスペースには小さな小窓があり、山小屋にいるような気分に。
ほか、自炊ができるシンクやガス台、小さな冷蔵庫、電子レンジも完備。上野村の唯一のスーパー・JAマートで食材を買って料理をするのもおすすめ。車で温泉にも行けるけれど、お風呂もあるのでご安心を。
いよいよこたつで星空観賞! その前に・・・
日が暮れて辺りは真っ暗、気温はマイナス8度。寒い。体中にカイロを貼って、万全の寒さ対策をして臨みます。「カフェまほーば」前の広場には風よけの囲いが設置され、その中に畳を敷き、こたつを置き、さらに鍋を用意。完璧なセッティングです。
鍋は上野村の椎茸や野菜がたっぷりで、味は上野村特産・十石みそ仕立て。メインは、上野村で育てている猪と豚を掛け合わせた猪豚肉。上野村ではもともと猪が食べられおり、より身近に食べやすくするために生まれたのがこの猪豚肉。低脂肪でヘルシーなうえ、ビタミンDなど栄養的にも優れているのだそう。
が、しかし。鶏肉以外の肉が食べられない編集R。そこで、カメラマンAにその味を聞いてみました。
「味は豚肉に似ていています。赤身は野性味が少し強いけれど、白身は脂身が甘くてさっぱり。柔らかくて食べ過ぎました!」(カメラマンA)
猪豚は上野村ならではの肉なので、肉好きはぜひお試しを。そして締めにはうどんのたまごとじ。そこでたまごを割ってみると、なんと凍っている。たまごが凍るほど寒い屋外ですが、こたつと鍋で体の中から温まり、イベント感覚で楽しめます。
見上げてごらん。夜空に広がるいっぱいの星を
おなかが満たされ夜空を見上げると、息をのむほどの無数の星が。鍋に夢中になりすぎて気付かなかったのが恥ずかしくなるほどの満天の星空。こたつに体を入れて、畳の上に寝転がって見る星空は圧巻。寒さを忘れれてしまうほどです。
ところでみなさん、星空をみて星座がわかりますか? 編集Rがわかる唯一の星座はカシオペア座なのですが、東京で見るいつものカシオペア座とはまったく違う。星座のまわりにはこんなにたくさんの星があったのかと驚くとともに感動します。
朝の澄んだ空気を体いっぱいに入れて深呼吸
星空もいいけど、翌朝の澄んだ青空も早起きして見上げてもらいたい。空気がピリッと冷たくて、吸い込む空気がおいしく、深呼吸を何度も何度もしたくなります。まるで上野村の空気で自分の肺が洗浄されているような心地。このおいしい空気も上野村の魅力です。
星空観賞で冷えた体を温泉であたためて
上野村には4つの温泉施設があり、日帰り入浴も可能。特に、浜平温泉・しおじの湯は食事処もついた村唯一の日帰り温泉施設。メタけい酸温泉で、無色透明のお湯は、入ると肌がツルツルになるといわれる美肌の湯。星空観賞で冷えた体を温泉に浸かって体の芯からあたためて。
PHOTO/AYUMI OOSAKI WRITING/RIE NAKATSUJI(OZmall) 取材協力/上野村産業情報センター