専門店やパティスリーはもちろん、スーパーやコンビニで気軽に買え、ひと口食べるだけで癒しを与えてくれる“プリン”。老若男女から愛されるその魅力に迫るべく訪ねたのは、年間600個のプリンを食べるマニアであり、プリン業界を盛り上げる国際プリン協会の会長を務める濱口竜平さん。プリンを食べるひとときがより豊かになるお話を伺いました。
シンプルな材料で作られるこそのおいしさ!世界中で愛される“命のお菓子”
食後のデザートや3時のおやつなど、身近なお菓子のひとつであるプリン。イギリスの船乗りが船上の限られた食材で作った料理が起源で、その後の18〜19世紀のフランスでカスタードプリンが誕生。日本には、江戸時代後期に伝わったとされているそう。
「日本ではプリンといえばカスタードプリンですが、世界中の国ごとにプリンやプリンのような料理があり、明確な定義はありません。私が考えるプリンは、命そのものである“卵”と、命を育む“牛乳”で作る、“命のお菓子”。それぞれ馴染みのある食材ですが、シンプルだからこそ材料によって味わいも変化します」と楽しそうに話す濱口さん。
そんな濱口さんご自身は、全国50軒以上の産地へ赴き、養鶏場や牧場で見学&体験を実施。生態や成育環境だけでなく、生産者の想いや肌で感じた鶏&牛の命の輝きを知り、プリンというスイーツを通して命の尊さを発信している。
プリンと相性抜群のスプーンも開発!温かい手作りプリンもおすすめ
安くておいしいプリンが簡単に手に入る現代だが、一度手作りしてみることで、改めてその奥深さに気付かされると濱口さん。
「プリンの魅力は、どんな家庭にでもある卵・牛乳・砂糖の3つの材料で簡単に作れて手軽なのに、とてもおいしいこと。特別な道具は必要ないので、ぜひ自分で作り、できたての温かいプリンを食べてみてほしい。冷えたものとはひと味違うおいしさが楽しめます。市販のプリンも、食べる15分前に冷蔵庫から出しておくのがおすすめ。繊細なコクや風味を感じやすくなりますよ」。
また、おいしいプリンへの追求は、食べるときに欠かせないスプーンにも。使うスプーンによってプリンの味わい方にも変化が生まれると考えた濱口さんは、自らメーカーに声をかけ「iiispoon(いいスプーン)」を製作。1本1本が職人の手仕事による木製で、持ち手とすくう部分の段差がなく、薄い仕上がりにこだわった。手にしっくりと馴染むだけでなく、プリンを食べるときの口当たりが抜群。プラスチックスプーンと比べてみると、ストレスなくプリンが食べられるとか。せっかくおいしいプリンを食べるなら、プリンと相性の良いスプーンで堪能してみたい。
プリンのイベントも企画中!もっとプリンの魅力を広めたい
濱口さんが会長を務める国際プリン協会は、プリンの知られざる魅力を引き出し、“よいプリン”の普及に尽力している団体。理事のひとりに、一世を風靡したパステル「なめらかプリン」の生みの親でクレームカラメリエ(プリン職人)の所浩史さんを迎え、2021年の秋には楽しいイベントを予定しているのだとか。
「秋に横浜でプリンのお祭りをしようと企画しています。世界のプリン紹介やプリン作り体験など、さまざまなコンテンツを企画中。また、同時期に“サンクス ライフ デー”の制定を目指しています。これは、食べ物を作ってくれる人、売ってくれる人など、“食”に携わる人へ、命のお菓子プリンを贈って感謝する日です」。
日々の暮らしに寄り添う定番スイーツながら、奥深い魅力がぎゅっと詰まったプリン。今後は、国際プリン協会による催しも控えており、さらなる口福に出会えそう。
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PROFILE/濱口竜平さん
1972年仙台生まれ。サラリーマンを経て、30歳で子どもの頃からの夢だったプリン専門店を開業。2013年に国際プリン協会を創設、2021年に一般社団法人化した。会長として“良いプリンの普及”に尽力するほか、全国各地のパティスリー、メーカーへ20日以上保存可能な無添加プリンの伝授、ご当地プリンのプロデュースなどを行う。
PHOTO/KYOKA MUNEMURA WRITING/MARIA KAWASHIMA