【7/31】火星が15年ぶりに大接近!今年の夏の夜は、赤く輝く「スーパーマーズ」を見に出かけよう

更新日:2018/07/24

2018年7月31日(火)、15年ぶりに火星が地球に大接近! 距離が近づくほど明るく輝きを増すため、真っ赤に輝く火星を肉眼で見ることができる。そこで今回は、星や宇宙に関する書籍の執筆、監修に加え、「コスモプラネタリウム渋谷」で解説員を務めている永田美絵さんに、火星観測のポイントを教えてもらいました。また、東京都心で火星観測が楽しめるスポットもご紹介。今年の夏は、大接近する火星を見に出かけよう!

© 国立天文台

まずは基本のキ。火星が接近するってどういうこと?

「地球の外側の軌道を回る火星は、2年2ヶ月の周期で地球に接近します。陸上トラックをイメージしてください。インコース(内側)が地球、アウトコース(外側)が火星です。地球は火星よりも速く動いていますので、一緒にスタートすると火星よりも先に進み、トラックを一周すると、また火星の後ろから近づいていきます。この軌道の上で、地球と火星が横並びになる状態が“接近”です。

地球も火星も、太陽の周囲を楕円の軌道を描いて回っているので、いつも同じ距離を保っているわけではありません。接近といっても1億km以上離れていることも。しかし今年はなんと5759万km! 2003年の5576万kmの大接近から15年ぶりの近さなんです。この夏、21時ごろ南東の空に、なんだろう、あの赤い星は?と思ったらそれは間違いなく火星。都会の空でも十分に見つけることができますよ。

接近するということは、いつもよりも火星の表面の様子が見やすくなるということ。もしも望遠鏡で観ることができれば、表面の様子をよく観測してみてください。火星の表面の模様がうっすらと見えるはず。将来人間が行こうとしている火星をぜひ自分の目で確かめてみてください」(永田美絵さん)

六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー「火星接近 観望会」

天体望遠鏡で夜空に赤く輝く火星を観測してみよう

もっとも接近するのは7月31日(火)で、9月中旬頃まで通常よりも明るい火星の観測を楽しめる。この期間は肉眼でも見ることができるけれど、せっかくなら天体望遠鏡で観てみたい! 今年は15年ぶりの火星大接近を記念して、全国各地で火星の観測会イベントが行われる。

六本木ヒルズ展望台 東京シティビューで7月27日(金)~8月3日(金)の8日間、20時~22時に「火星接近 観望会」が開催されるほか、東京タワー フットタウン屋上では8月18日(土)・19 日(日)の2日間限定で18時~21時に「東京タワーで天体観測会」を開催。どちらも天文の専門家による解説を聞きながら、高性能な天体望遠鏡を使って惑星観測が楽しめる。

8月上旬には、金星・木星・土星・火星が夜空に集まる珍しい様子も観測できるかも。ちなみに、次に火星が大接近するのは17年後の2035年。このチャンスをお見逃しなく!

コスモプラネタリウム渋谷「ハチ公とめぐる火星りょこう!」

プラネタリウムでも火星にまつわるプログラムを投影中!

火星大接近時にはどんな様子が見られるのか、前回の大接近時とはどんな違いがあるのかなど、さらにじっくり詳しい解説を聞きたいという人には、プラネタリウムもおすすめ。

コスモプラネタリウム渋谷では、8月31日(金)まで、13時から30分間、親子向けの特別プログラム「ハチ公とめぐる火星りょこう!」を上映。物語を見るのではなく解説員がライブで進める参加型となっていて、なんとサイリウムが配られて驚きの演出があるそう。土日祝は11時からの回も。また、大人向けには、7月24日(火)・7月31日(火)・8月7日(火)・8月14日(火)・8月21日(火)の19時から、伝説のプラネタリアン・村松修さんによる宇宙講座「火星大接近」を開催。晴天の場合は上映後にサプライズで火星観望会があるかも!

また、八王子の「コニカミノルタ サイエンスドーム」では、パネル展「火星大接近と西郷星」を9月2日(日)まで開催中。141年前の大接近時に描かれた錦絵の実物も展示されている。ほかにも、「板橋区立教育科学館」では、7月31日(火)まで毎日15時30分から大接近前に観測ポイントなどを解説するプログラム「火星大接近!」を投影していたり、向ヶ丘遊園「かわさき宙と緑の科学館」でも、7月31日(火)まで火星大接近をテーマにしたプログラム「となりの赤い惑星」1日3回投影中。天体望遠鏡と合わせて、プラネタリウムでの火星観測も楽しんでみては?

取材協力:永田美絵さん

「コスモプラネタリウム渋谷」チーフ解説員として日々宇宙を語っている。現在、東京新聞「星の物語」を執筆中のほか、NHKラジオ第1「夏休み子ども科学電話相談」の天文宇宙を担当。著書に「カリスマ解説員の楽しい星空入門」筑摩書房など多数。

【特集】都心で、旅先で。きらめく星空に出会えるおでかけスポット

澄んだ空気のなかで降り注ぐような星々を眺める名所から、ロマンティックなデートをかなえる都心のプラネタリウムまで、きらめく星空に出会えるおでかけスポットをご紹介。日本一の星空に認定された阿智村のナイトツアーチケット付き宿泊プランや、星空を望む露天風呂がある宿はオズモールから予約もOK。また、東京近郊のプラネタリウムや展望台で開催される季節のイベントも必見です。旅先、そして東京で、星空さんぽを楽しもう。

WRITING/MINORI KASAI

※記事は2018年7月24日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります