フルーツ特集好評発売中! もぎたて編集後記

更新日:2018/07/05

このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回はタキセがお届けします。

MAISON GIVRÉEさんでいただいた金柑といちごのフルーツタルト。フルーツは季節に合わせて変わります

出会いは金柑のタルトから

最新号はフルーツ特集。フルーツパーラーはもちろん、フルーツをたっぷり使ったスイーツが名物のパティスリーなど、幅広くご紹介しています。

今回の特集は、取材前のリサーチからウキウキでした。道中、フルーツサンドやパフェを想像するだけで明るい気分になり、実際にいただくと、舌も心もたちまち満たされるのです。

その中でも個人的にいちばんウキウキ度が高かったのが、中央林間にあるパティスリー「MAISON GIVRÉE」さん。

ケーキとは切っても切れない縁で、フルーツにこだわるパティシエの方はとても多いのですが、中でもこちらのオーナーパティシエである江森さんのフルーツマニアぶりはすごいらしい、といううわさは以前から耳にしていました。

ウキウキしながら向かい、店内で旬のフルーツ・金柑をたっぷり使ったタルトをいただきました。シロップ漬けの金柑がまるごとゴロッとのっているのですが、噛んだ瞬間、口いっぱいに金柑ジュースが広がりました。ひとくちで白旗を揚げるおいしさに、その場で、かなりの情熱を込めて取材のお願いをしてしまいました。

ショーケースにジェラートがずらり。中には「焼きナス」や「パプリカ」など驚きのフレーバーも

世界に誇るアイスとジェラート

江森さんはケーキも作りますが、実はいちばん力を入れているのがジェラートやアントルメグラッセ(アイスケーキ)などの氷菓。ジェラートのワールドカップの出場経験もお持ちです。

4月末にはお店で新作のアントルメグラッセの試食会が行われ、そちらにもお邪魔してきました。

4種類のアントルメグラッセは、いずれもフレッシュなフルーツがたっぷりと使われ、「本物のフルーツ以上にフルーティー!」と思えたほど。特に印象的だったのが、「フルール ド マンゴー」。マンゴーとパッションフルーツのアイスを花に見立てた、リース風のアイスケーキです。味はもちろんですが、マンゴー独特のやわらかでなめらかな食感まで再現されているように感じました。

試食会には、ケーキに使われているマンゴーの生産者である木村さんも、宮崎から駆けつけました。木村さんは自身のマンゴーに対する愛情と自信を伝える一方で、そのマンゴーを使った江森さんのケーキも絶賛していました。

今回の取材では、江森さんとフルーツのバックグラウンドにまで迫りたいと考えていました。そこで、このマンゴー農家の木村さんを訪ねることに。さあ、いざ宮崎取材へ!

木村さん(写真左)のマンゴー農園を、江森さん(写真右)とともに訪ねました。完熟マンゴーを手に笑顔

人生初のマンゴー農園

みなさんは、マンゴーをどのように栽培しているかご存知でしょうか? かくいう私も、今回初めてマンゴー農園を訪れるまで知りませんでした。木村さんに導かれてたどりついたのは、広大なビニールハウス。

想像では、密林のような場所で、高い木に実がなるのかと思っていたので、1メートルほどの高さのマンゴーの木が広がる畑は、衝撃的でした。(野生のマンゴーは、25メートルほどの高さまで成長するものもあるそうです)

マンゴーは繊細で、南国生まれのフルーツなのに、暑いだけの環境でもダメ。そこで木村さんの農園では、時期によってハウス内に冷房をかけるのだそうです。また、赤く色づいたら完熟が近いしるしなので、ネットをかけてしばらく待ち、自然落下したものを収穫。1シーズンで4000~4500個ほどとれるとのことで、ひとつずつこの作業をすることを思うと、畏れ多い気持ちになりました。

現場では、とれたてのマンゴーを試食させていただきました。かまなくてもとろける食感、糖度15度以上の強い甘さとほどよい酸味のバランスが最高で、もう、夢中でかぶりついてしまいました!

江森さんは教えてくれました。「僕の使命は、果実本来のよさを引き出すこと」。ジェラートにすることで、ともすれば甘ったるいとも思われがちなマンゴーの余韻をコントロールしたり、砂糖を足すことでオレンジの香りを引き立てたり、まるで魔法使いのよう。

最初に江森さんのケーキを食べたときに感じた「本物のフルーツ以上にフルーティー」の正体は、これだったのかと合点がいきました。フルーツもおいしいし、フルーツを使ったスイーツもおいしい・・・で、ガッテン!

マンゴーアイスを花びらに見立て、リース状に仕上げたフルール ド マンゴー6480円(ホール。直径15㎝)

すべてのフルーツに物語あり

宮崎出張の帰り道から、早くも編集作業はスタート。江森さんと木村さんの想い、さらには今回のフルーツ特集全体にかける私たち編集部の想いまでのせた、入魂の8ページになったと思います。

そのほか、今回の特集では小さな枠でしか紹介できなかったパフェにもジュースにも、それぞれに作り手の想いや物語が詰まっています。ぜひオズマガジンをめくって、ピンときたフルーツのお店に足を運んでみてください!

OZmagazine7月号「おいしいフルーツ」特集

ここ数年、フルーツへの注目が高まっています。おいしくてヘルシーなのはもちろん、見目麗しいフルーツサンドやパフェが続々登場中。老舗から最新トピックまで、さまざまな話題をおいしく楽しくピックアップ。第2特集の、駅近のサラダ店ガイド&ひんやりスイーツカタログとあわせて、カラフルな1冊をお届けします! 今月も、いい1日を。

発売
2018年6月12日(火)
定価
593円+税
販売場所
全国の書店、コンビニエンスストア、駅売店などで発売
ホームページ
オズマガジンWEB

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※記事は2018年7月5日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります