手の届くごちそう!ふだん使いの上原名店3選|中華や和食、お魚のショートコースにも注目

手の届くごちそう!ふだん使いしたい上原の名店3選。中華や和食、お魚のショートコースにも注目

更新日:2022/03/02

その道を究めた粒よりの名店が住宅街に根付いている代々木上原。ここ数年は名実ともに美食の街として知られていますが、今も昔も個性的なお店が多く、この街にしかない店と味が存在。そこで今回は代々木上原ならではの手の届くごちそうに出会える名店を3つご紹介! おいしいものに対する偏差値が高いからこそ味わえるごちそうを楽しんで。

何度も通って、全部のメニューを制覇したくなる!

上原ごちそう 竹韻飄香

竹韻飄香

2021年11月にオープンしたばかりだが、早くもリピーターを増やしている話題の新店。六本木や銀座にも店を構える高級店で、四川料理の伝統と格式を伝えるコース料理が基本だが、上原の新店はオープンキッチンのカウンターで、中国・四川省の屋台や食堂、家庭で食べる味や郷土食をアラカルトで楽しむというまったく新しいスタイル。

腕を振るうのは全店舗の総料理長でもある廣瀬シェフで、現地の人がふだん親しんでいるローカル食を「飄香」流にカスタマイズ。鴨の香り揚げは、18種のスパイスと鴨の脂を吸わせたおからがソースという驚きの1皿。甘酒にも似た中国の発酵調味料・醪糟(ラオザオ)と香辛料に岩手短角牛を漬けて一夜干しにしたものや、鴨の頭を丸ごと煮込んだスパイス煮など。日本の食材を使いつつ、現地に行かないと食べられない知られざる味が続々と登場し、次はなにが味わえるのかわくわくが止まらない! 

四川というと唐辛子と山椒の辛くてしびれる麻辣(マーラー)の印象が強いけれど、辛さよりもスパイスの豊かな香りや、発酵で生まれる独特のうまみで素材本来の滋味を引き出すのが本来の四川料理の真骨頂。辛さの奥にある爽やかさ、かむほどに広がる余韻、じんわり後からやってくるスパイシーさなど、重層的に織りなす香りやコクにうっとり。通好みの珍しい料理なのにどこか懐かしく、ふと思い出してまた食べたくなる。

上原ごちそう 竹韻飄香

◆もっと知りたい名店のワケ

Q1.お店の名前の由来を教えてください
A.「飄香」は風とともに香るという意味。風にそよぐ竹林の中で竹の香りと音色を楽しむという、四川省で出会った景色をイメージしています。

Q2.常連さんに人気のメニューは?
A.豚肉とあずきあん、ドライオレンジを、甘く炊いたもち米に挟んで蒸した四川伝統の田舎料理。一度食べたら忘れられない味でリピート必至。

Q3.個性的なドリンクが多いですね!
A.中国の蒸留酒・白酒に唐辛子や山椒を漬け込んだ麻辣ハイボールや、11種のスパイスを使った自家製クラフトコーラなどオリジナルの味をぜひ。

竹韻飄香

住所/東京都渋谷区上原1-17-14 LAビル1F  
営業時間/11:30~15:00(L.O.14:00)、18:00~22:30(L.O.21:00) 
定休日/月・第2・4火曜 
席数/16 
予算/昼2950円~、夜7000円~※夜のみサ別10%、利用は小学生以上 
アクセス/代々木上原駅より徒歩2分

なにを食べてもおいしくて、お出汁の香りもほっとする

上原ごちそう キガルニワショク弾
季節の土鍋炊き込みご飯(二合より)、写真は太刀魚と菜の花(3500円)。旬野菜と魚の天ぷら(写真は穴子とビーツ)とジロール茸の揚げ出し(2000円・二椀)。名物の焼きもろこし豆腐バター醤油(1000円)

キガルニワショク弾

高級な懐石料理でもなく居酒屋でもない、ちゃんとした和食がふだん使いできる、まさに“いい塩梅”の店がこちら。店主の金子さんは海外からセレブが訪れるような高級レストランで創作日本料理を手がけた経験も持つが、だからこそ「和食をもっと身近に感じて欲しい」という想いに至った。

カツオ節と昆布の和出汁をベースにフランス産のジロール茸を合わせた揚げ出しなどモダンだがほっとする味の和食もあれば、刺身や白和え、白子入りの湯豆腐など王道な和の皿もあり、アジフライやメンチカツのような庶民的な和食もいい感じ。ごま豆腐の発想で、とうもろこしのペーストを葛で練ったもろこし豆腐はオーブンで焼いてバターをぽとり。アツアツとろとろ、ほおいっぱいにコーンの甘みがほとばしる店の名物は、〝映える料理〞ではないけれど、すごくおいしい。きちんと出汁をとって仕込みに手間暇かけるが、懐石料理のような飾りや細工は施さず、舌と心にまっすぐ響く直球料理を繰り出してくれる。

島根や三重の尾鷲から届く丸々太った魚介や、鶉や鳩の炭火焼など素材のよさが光る料理も素敵だが、ふと嬉しいのはカウンターでもテーブル席でもお店の人たちと朗らかに会話がはずむこと。おいしいだけではない、人情味のあるもてなしが普通の日のごはんも幸せな時間に変えてくれる。

上原ごちそう キガルニワショク弾

◆もっと知りたい名店のワケ

Q1.メニューのラインナップの工夫は? 
A.1品1品しっかりした味わいで、その中でも緩急をつけました。なにを組み合わせても満足できる、アラカルトでこそ楽しい料理を揃えています。

Q2.人気メニューを教えてください
A.土鍋の炊き込みご飯をめざしてくるお客様も多い。1時間かかるので、最初に注文して。ひとりのときは、おばんざいの盛り合わせも人気。

Q3.空間のこだわりを教えてください
A.白木のカウンターや木の格子の飾りなど、江戸を思わせる和の空間。和箪笥の引き出しのような壁の意匠で、小さな店でも奥行きを感じます。

キガルニワショク弾

住所/東京都渋谷区上原1-33-12 ちとせビル2F
営業時間/17:00~23:30(L.O.23:00)※土・日曜は11:30~14:00(L.O.13:00)も営業 
定休日/木曜
席数/18 
予算/昼3300円~、夜6000円~ 
アクセス/代々木上原駅よりすぐ

お魚が恋しくなったらココ。食べるたびにときめくおいしさ

上原ごちそう ATELIER FUJITA
3dish+ramen ショートコース(3850円・冷菜2品、温菜1品、ラーメン)。写真は真鯛と平目のセビーチェ、ベジタリアン麻辣麺

ATELIER FUJITA

1日の最後を定食やワンディッシュで雑に済ませたくないけれど、ひとりでコース料理を食べるほどがんばりたくもない。そんなときにぴったりなのがATELIER FUJITAのショートコース。アラカルトでも注文できるが、コースならひとり分のポーションでおすすめ料理があれこれ食べられ、デザートを追加しても5000円以内とお手頃。

店主の故郷・岡山から届く瀬戸内海の魚介を中心に、季節の日本の食材をフレンチの技法や和の発酵調味料と鮮やかに組み合わせ、型にはまらない和食を生み出している。例えば真鯛と平目のお刺身は、金柑とヨーグルトを合わせ、愛媛産のレモンできりっと酸味と香味をきかせたセビーチェに。岡山産有機小麦の全粒粉で作る手打ち麺は蕎麦のように麺そのものが風味を放つ個性派で、伊吹産いりこのあっさり醤油スープや、アーモンドミルクに手作り麻辣醤(マーラージャン)を合わせた濃厚スープのベジタブル和え麺など、3種のラーメンから選べるスタイル。

お腹に余裕があればデザートのおはぎもぜひ。ぷちぷち食感が楽しい古代米ともち米を牛乳で炊いた洋風おはぎに、ワイン風味のカレンツや塩昆布を潜ませたあんを合わせるなど全種類食べたくなるほど独創的で魅惑的。和洋の垣根をひらりと超えた新感覚の料理は、モダンだけれども食べ疲れない絶妙なバランスで、今の時代の気分にしっくりなじむ。

上原ごちそう ATELIER FUJITA
おはぎのテイクアウト(1個300円・夜の販売は要予約)、おはぎのデザート(1皿350円)。無添加の2色のごまをまぶした「小豆と胡麻」、甘じょっぱい「抹茶とわかめ」、シナモン香る「小豆とカレンツ」など

◆もっと知りたい名店のワケ

Q1.常連さんに人気のメニューは?
A.ふぐや鱧などを使ったオリジナルのフィッシュ&チップス。黒にんにく入りのタルタルソースはうまみが強く、揚げた魚との相性も抜群です。

Q2.どんなお酒のラインナップですか?
A.ナチュラルワインと日本酒を厳選。希望があれば料理に合わせてお酒をお選びします。料理はすべて日本酒、ワイン、どちらとも好相性。

Q3.今後どんなお店にしたいですか?
A.料理もスタイルも固定するつもりはなく、時代に合わせてどんどん進化させていきます。今はラーメンスープの改良や、醤油の発酵を研究中。

ATELIER FUJITA

住所/東京都渋谷区西原3-4-3 アミティ代々木上原2F 
営業時間/17:30~22:00(L.O.)※おはぎの販売は10:00~16:00 
定休日/日・月曜 ※おはぎの販売は無休 
席数/16 
予算/3850円~ 
アクセス/代々木上原駅よりすぐ

【OZmallからのお願い】

新型コロナウイルスの影響により、イベントの中止・変更、ならびに施設の休業、営業時間の変更、提供内容の変更が発生しております。日々状況が変化しておりますので、ご不明点がございましたら各施設・店舗へお問い合わせください。
外出時は、ご自身の体調と向き合いマスク着用のうえ、各施設の3密対策・ソーシャルディスタンス確保などの衛生対策にご協力のうえ、思いやりを持った行動をお願いします。

※オズマガジン2022年3月号「東京小さな店めぐり」の記事を一部転載 
※掲載店舗などの情報は、取材時と変更になっている場合もあります。最新の情報は公式HPにてご確認ください

オズマガジン2022年3月号は「東京小さな店めぐり」特集

オズマガジン2022年3月号は「東京小さな店めぐり」特集

入った瞬間の空気感や居心地のよさ、人の声やにおい、流れる音楽も含め、ふたつとない世界観を持つ“小さな店”。ものや情報であふれる今の時代に、小さな店は、ちょうどいいサイズの空間です。店主の個性が際立つ特別な空間をお届けします。

※新型コロナウイルスの国内状況により、店舗・施設の営業時間の短縮や臨時休業、座席数の変更などがある場合がございます。最新の情報は、各店舗・施設にご確認ください

PHOTO/AYUMI OHSAKI、YUKIHIRO SHINOHARA、WRITING/KAORI MINETSUKI

※記事は2022年3月2日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります