東京を文化の面から盛り上げるアートイベント「パビリオン・トウキョウ2021」が、新国際競技場周辺を中心に東京都内各所にて2021年9月5日(日)まで開催中! 国内外で活躍する建築家やアーティストがそれぞれのパビリオンを設計、都内各所に設置することで東京の新しいランドスケープを提案している。今回はアートを8つご紹介。東京の街をのんびり散歩しながら、気になるパビリオンをハシゴしてみて。
左/『Cloud pavilion(雲のパビリオン)』設計:藤本壮介(本プロジェクト案)、右/『水明』設計:妹島和世(本プロジェクト案)
作家の個性と想いが詰まった二度と味わえない瞬間を味わおう
駅や公園に突然現れる。ふわふわ浮かぶパビリオン
群馬県前橋市の「白井屋ホテル」などを手がけた建築家、藤本壮介による雲の形をしたパビリオン。公園と駅改札内の2カ所に設置されたパビリオンは、大きさも形も同じなのにそれぞれ雰囲気や見え方が大きく異なるのでぜひ見比べてみて。
Cloud pavilion(雲のパビリオン) by藤本壮介
会場:代々木公園パノラマ広場付近(代々木公園・原宿門より)、高輪ゲートウェイ駅改札内(東京都港区港2-1-220)
真っ白な部屋が少しずつカラフルな水玉空間に変貌
天井から床、家具まですべて白い部屋に鑑賞者が色とりどりの丸いシールを貼っていく、参加型のインスタレーション。日を追うごとに部屋は水玉模様で埋め尽くされ、やがて「白」が消滅してしまう、その過程もまた作品の一部。草間作品の中に入れる貴重な機会。
オブリタレーションルーム by草間彌生
会場:渋谷区役所第二美竹分庁舎(東京都渋谷区渋谷1-18-21)
古い邸宅の庭に生まれた光の粒がこぼれる日よけ
建築家の石上純也は、表面を焼き切った木材を使い、夏の陽射しをやわらかく遮る日よけを設計。新築ながらすでに漆黒の日よけは、隣接する昭和初期に建てられた重厚な雰囲気の邸宅とほどよく調和。ゆっくりと流れる時間を楽しんで。
木陰雲 by石上純也
会場:kudan house 庭園(東京都千代田区九段北1-15-9)
オフィス街にある庭園で過去と現在、未来がつながる
江戸時代に造られた浜離宮は、大きな池を持つ庭園。建築家の妹島和世はここにゆっくりと流れる水のパビリオンを設計した。きらめく水面には、周囲の風景が映り込み、江戸時代と現代がつながっているような幻想的な光景を観ることができる。
水明 by妹島和世
会場:浜離宮恩賜庭園 延遼館跡(浜離宮恩賜庭園・大手門口より)
新国立競技場の前に不思議な茶室がオープン
多治見市モザイクタイルミュージアムや、茶室・高過庵の設計で知られる藤森照信による茶室が国立競技場の前に出現。小さい入口をくぐり、上がった茶室からは、この夏にしか見られない特別な風景を眺めることができる。
茶室「五庵」 by藤森照信
会場:ビクタースタジオ前(渋谷区神宮前2-21-1)
国際連合大学前の広場に大きなお椀が現れた
多くの人々が行き交う青山通り沿いに配置された大きなお椀は、太田市美術館・図書館など、人が自由に行動できる建築で知られる平田晃久によるパビリオン。お椀のある都市の風景、そしてお椀の中から見る都市の風景をそれぞれ眺めてみて。
Global Bowl by平田晃久
会場:国際連合大学前(東京都渋谷区神宮前5-53-70)
下町の路地園芸が青山に植物と人が作る新しい風景
気鋭の建築家・藤原徹平が着目したのは、東京の道と、下町の路地で見かける道を占拠するように並べられた園芸植物たち。旧こどもの城前という東京の中心地に作られたパビリオンには、たくさんの植物が有機的に配置され新しい風景を作り出している。
ストリート ガーデン シアター by藤原徹平
会場:旧こどもの城前(渋谷区神宮前5-53-1)
現代美術家が作り出す少しかよわいふたつの城
現代美術家・会田誠が作るのは、大きな事件が立て続けに起こった1995年制作の作品《新宿城》を下敷きにしたふたつの城。建物が求める堅牢さとは真逆の素材を使った段ボールとブルーシートでできた城は、2021年の東京の風景をどのように変えるのか注目。
東京城 by会田誠
会場:明治神宮外苑いちょう並木入口(東京都港区北青山2丁目1番地先)
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※オズマガジン2021年8月号「アートなおでかけ」の記事を一部転載
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WRITING/MOYO URASHIMA