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【おひとりさま向けマネー講座】一生独身の場合、働けなくなるなど予期せぬ事態や老後に備えてどんな保険や貯蓄が必要?FPが解説

更新日:2020/01/07

「一生独身かもしれない」と思っている女性のなかで、特に心配なのはお金のこと。なかでも、もし自分が働けなくなった場合の不安。そこで、一生独身だった場合、万が一のときにどれくらいのお金がかかるか、備えとしてどんな保険が必要なのか、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんに聞いてみました。

病気やケガへの不安について、覚えておきたいこと

医療保険は、安心材料として考えましょう

おひとりさまでの生活において、自分が病気やケガをしたら、どうなるのだろう、と不安に思う人も多いのでは。そんなまさかの事態にどう備えればいいの?
「健康保険に高額療養費制度というものがあって、手術や長期入院などで大きな医療費がかかっても、保険がきく治療であれば、1カ月あたりに支払う医療費の上限が決まっています。その金額は、一般的な収入の方なら基本的に9万円ほどで、ありがたいですね。ただし、保険がきかない医療費もあります。例えば、個室に入院すれば差額ベッド代がかかるので、貯金をしっかりしておきたいですね」と西山さん。

では、医療保険についてはどのように考えたらいい?
「医療保険は、通院というよりも、基本的に手術や入院をした場合に保険金が出るケースが多いことを覚えておきましょう。最近は入院日数が減っているため、『思ったよりも保険金が出なかった』ということもあります。ただ、おひとりさまで病気になり、貯蓄を取り崩していくのは不安になるもの。最低限の医療保険に入っておくことで、保険金が出ることで精神的な安心感を得られると思います」(西山さん)
がん保険についても教えて。
「がんが気になる方は、がん保険に入るのも手です。入院よりも、通院しながら治療するケースも増えているため、がん保険では、一般的にがんと診断されると、一時金として100万円などとまとまったお金が出るのが特徴的です。そのお金があれば、たとえ入院しなくても、病院への交通費や生活費などに使うことができます」(西山さん)

万一の病気やケガで働けなくなった場合、チェックしておきたいこと

会社勤めなら、病気やケガで働けない場合に傷病手当金が出る

入院日数は少ないけれど、長く通院が必要ながん以外の病気やケガの場合、あまり保障はないということ?
「先ほどは健康保険制度や民間の医療保険についてお伝えしましたが、会社勤めの方であれば大きな保障制度があります。それは、病気やけがで働けなくなったときに、会社員であれば、最長1年半の傷病手当金(収入の3分の2ほど)がもらえる制度です。ただし、自営業にはこの傷病手当金がないため、しっかり備えておく必要があります」(西山さん)

もし、病気やケガで大きく収入が減ったり、万が一、働けないような状況になる、というリスクに対して、なにか備えはある?
「病気やケガによって収入が減ったり、なくなったりしたときに貯金があまりなくて不安だという方が検討したいのが、就業不能保険です。病気やケガで働けなくなったときに、毎月10万円、15万円といった、お給料のかわりに保険金が出るようなタイプの保険です」と西山さん。

おひとり様の死亡保険について

死亡した際の保険は、基本的に不要

それでは、死亡保険には入った方がいいの?
「おひとりさまの場合、例えば実家に仕送りなど、誰かに金銭的なサポートをしていなければ、万一死亡した場合に金銭面で困る方がいないことになるので、死亡した際に出る保険は、基本的には不要です。また、健康保険や社会保険からは、死亡時に数万円が出ます(加入先によって金額は異なる)。基本的に手続きが必要なので、おひとりさまの場合は、両親や兄弟姉妹などの家族が手続きを行うことになるでしょう。会社勤めの場合は、死亡退職金や弔慰金が出る場合があるので、調べておきましょう」(西山さん)

「お葬式や身辺整理のために、一般的には300万円くらいあるとよいと言われていますが、民間の保険に入らずとも、貯蓄として多めに貯めておくというのも手です」とのこと。

いざというとき用の貯蓄、金額の目安は?
「例えば、急に会社を辞めるケースもありますので、いざというときの生活費の備えとして、手取り月収の半年~1年分は、貯金しておきたいですね。転職する場合は、転職先が決まってから今の会社を辞める方が、お金の面でも安心です。また、保険に入っている場合、実際に保険を使う際には、自分以外の誰かに手続きをしてもらうことになります。両親や兄弟姉妹などに、どんな保険に入っているかを伝えておくことも忘れないようにしましょう」(西山さん)

教えてくれた人

西山美紀さん

出版社で編集・マーケティングを経験後、独立してファイナンシャルプランナーの資格を取得。単に貯蓄額を増やすのではなく、うるおいのある毎日になるためのお金の貯め方・使い方について女性誌やWEB等で発信中。著書『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。男女の子を持つ二児の母。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2020年1月7日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります