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保険は本当に必要?今さら聞けない保険の基礎知識をFPがわかりやすく解説

更新日:2021/10/10

保険に入るべきか考えつつ、保険料負担が気になって加入を先送りをしている人もいるのでは? 自分に保険が必要かどうかは、どのように考えればいいの? そこで、今さら聞けない保険の基本的な考え方について、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんにわかりやすく解説してもらいました。

保険に入るなら健康なときに

保険に入るなら健康なときに

最初に知っておいてほしいと氏家さんが話すのが、「保険は病気になってからでは入りにくい」ということ。

「保険加入時には申込書を提出してお金を払うだけでは加入ができません。申込書のほかに告知書を記入して保険会社に加入を認めてもらう必要があります。告知書の主な質問内容には、このようなものがります。

・最近の健康状態(過去3カ月以内の医師の診察、検査、治療、投薬など)
・過去2年以内の健康診断結果
・過去5年以内の既往歴
・現在妊娠中かどうか
・障害の有無

20代後半から40代にかけては、女性の場合、妊娠出産が増える時期です。また、この年代は、乳がんや子宮がんなどの女性系の疾患も増える時期なので、特に女性は医療保険の必要性が高まる時期と考えられます。さらに40代後半からは子宮筋腫なども増えていきます」(氏家さん)

女性系の疾患に限らず、年齢が上がるほど何かしらの持病を持っている人は増えていき、高齢になるほど入院日数が長期化する傾向にあるそう。
「今は健康だからと保険加入を先延ばししていた結果、保険に入りたいと思ったときには、希望の保険に入れないということになりかねません」と氏家さん。

保険に入らずに貯蓄で備えるときの目安額

保険に入らずに貯蓄で備えるときの目安額

保険に入った方がいいとはわかっていても、保険料の負担も気になるところ。保険料を支払わずに医療費としてまとまったお金を貯蓄しておく方が、合理的なのでは?と考える人もいるはず。

「例えば、入院1日当たり5000円がもらえる保険に加入している場合、60日入院してもらえる入院給付金は30万円です。さらに入院中に手術を受けて、手術給付金をもらったとすると、合計で40~50万円程度の入院給付金をもらえることになります。

また、がん保険の場合には、がんと診断されたら100万円程度が支払われ、入院1日当たり1万円程度が支払われるものが多くなります。このようながん保険に加入している場合、がん1回あたりに保険会社から受け取れる給付金は、診断、入院、手術をあわせて150万円程度になるでしょうか。

このように考えると、一生の中で入院を数回と、がんでも1回入院すると考えて、300万円程度を病気やケガへの備えとして確保しておくという考え方もできそうです」(氏家さん)

いざというときや精神的な安心のためにも保険は必要

いざというときや精神的な安心のためにも保険は必要

とはいえ、300万円程度の貯蓄があれば保険はいらないと考えるのは少々乱暴だと氏家さん。
「医療費として備えるお金は、住宅購入資金や教育資金など他のライフイベント資金とは別に取り分けておく必要があります。住宅購入時に頭金を支払った後にも入院する可能性がありますし、がんにかかったから子どもの教育費が払えなくなったというのでは困るからです」(氏家さん)

また、保険は精神面での安心感にもつながるのだとか。
「それなりに貯蓄がある人でも、入院して働けなくなったときに、医療費で貯蓄がどんどん目減りしていくのは精神的につらいものです。入院中には医療費以外にもさまざまな出費がありますし、収入が減少する可能性もあるからです。

そんなときに『保険に入っておけばよかった』『もう保険には入れない』と後悔するのがいやだったら、若くて健康なうちに保険に入っておくことをお勧めします。ただし、保険で完璧に備えようと特約をたくさんつけると保険料が高くなってしまいます。複数社の保険を比較しながら、なるべく保障がシンプルで保険料が負担にならないものを選びましょう。保険で医療費に備えつつ、貯蓄も確保しておくと柔軟に対応しやすくなります」(氏家さん)

教えてくれた人

氏家祥美(うじいえよしみ)さん

ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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※記事は2021年10月10日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります