会社員必読!企業型DC(企業型確定拠出年金)とiDeCoの併用についてFPがわかりやすく解説
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会社員必読!企業型DC(企業型確定拠出年金)とiDeCoの併用についてFPがわかりやすく解説

更新日:2022/08/28

これまでiDeCoへの加入をあきらめていた会社員の方に朗報! 2022年10月から企業型DC(企業型確定拠出年金)の規約を変更しなくても、iDeCoへ加入できるように。また、マッチング拠出という選択肢もあるけれど、どちらを選んだらいいかわからないという人も多いはず。制度改正のポイントや注意点について、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんが解説。

これまで企業型DCとiDeCoの同時加入が難しかった理由

これまで企業型DCとiDeCoの同時加入が難しかった理由

「企業型DCは、企業が従業員のために掛け金を拠出して、従業員自身が自分の退職金の運用責任を負う制度です。企業がお金を出してくれる時点で、退職金制度がない企業よりもいい会社ともいえるのですが、制度上では企業の掛け金の枠が大きくても、実際の掛け金は数千円から1万円程度ということがよくありました」と、氏家さん。

「企業型DCだけでは老後が不安」「iDeCoにも加入して老後に向けて運用したい」と思っても、できない人が多かったというのは本当?

「そうなんです。企業型DCの加入者がiDeCoに同時加入するためには、この2つの条件を満たす必要がありました。
(1) 企業型DCの規約でiDeCoへの同時加入が認められていること
(2) 企業型DCの事業主掛け金の上限を月額55000円から月額35000円に引下げ

会社の規約を変更して、掛け金上限を引き下げる。この2つが整ってはじめて、iDeCoに同時加入して月々2万円を上限に掛け金を拠出できるというものですが、規約がないからあきらめている人が大勢いました」(氏家さん)

掛け金を上乗せするには、マッチング拠出という方法も

掛け金を上乗せするには、マッチング拠出という方法も

企業型DCの加入者が個人で掛け金を上乗せして拠出する制度として、「マッチング拠出」というのも聞いたことがあるけれど?

「iDeCoとマッチング拠出は両方できませんから、それぞれの特徴を知ってどちらかを選ぶようにしましょう。
マッチング拠出は企業型DCの制度で、企業が拠出する掛け金に従業員が上乗せ拠出することを言います。企業の掛け金を超えてはならないこと、企業の掛け金とマッチング拠出の合計額が55000円以内であることが条件です。また、企業型DCの制度なので、投資先のラインナップは企業型DCと同じ投資商品から選びます。また、運用にかかるコストは勤務先が負担することになります。

iDeCoを併用する場合は、企業型DCとは別の制度ですから、運用にかかるコストは自己負担になる一方、投資先の自由度は広がります」(氏家さん)

iDeCoの併用とマッチング拠出、選び方のポイントは?
※図表内の( )は、企業型DCのほかに確定給付年金もある人の場合です

iDeCoの併用とマッチング拠出、選び方のポイントは?

では、マッチング拠出とiDeCoの併用のどちらを選んだらいいの?

「マッチング拠出では、企業の拠出額を超えてはいけないというルールがあるため、仮に企業の掛け金が5000円だと、マッチング拠出でも5000円までしか拠出できません。このように、企業の掛け金が少ない人は、iDeCoの併用を選んだ方がより多く拠出できます。

つまり、確定給付年金がない人の場合、企業の掛け金が2万円以下であればiDeCoの併用を選んだ方がよくなります。年齢が若くて給与が低いなどの理由で、企業の掛け金が少ない人はiDeCoを選びましょう。一方、勤務先の掛け金が2万円から35000円ある場合には、マッチング拠出を選んだ方がより多く拠出できます」(氏家さん)

自分の場合、どちらを選んだらいいのか、アドバイスを参考にして老後のために検討してみては。

教えてくれた人

氏家祥美(うじいえよしみ)さん

ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2022年8月28日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります