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物価高を乗り切るほったらかし節約術3。「省エネ&自治体助成金」でムダな出費をセーブ【マネートピックス2025/家計見直し編】

更新日:2025/01/16

値上げラッシュで日々の節約を始めたけれど長続きしなかったり、あまり効果がなくて挫折したり・・・。「コツコツより、ほったらかしでも節約できる仕組み作りが大切に。暮らしに欠かせない光熱費は、毎月払うからこそ仕組みを作ればムダな出費をセーブ」と言うのはファイナンシャルプランナーの風呂内さん。がんばらずに続く!ほったらかし節約術を教えてもらった。

1_「省エネポータルサイト」でムダな出費をセーブ

節約術1_「省エネポータルサイト」でムダな光熱費をセーブ

「毎月必ず支払う光熱費は、ムダをセーブする仕組みを作れば日々のやりくりも楽になります。電気・ガス料金は、2025年3月までは政府の補助があるので安心ですが、補助終了の4月以降は値上がりの可能性も。家計を圧迫するこれらの状況を少しでも改善するためには、上手に節約することが大切になります。

おすすめは、1度設定しておけば出費がセーブされる"ほったらかしても節約できる"仕組みを作っておくこと。例えば電気代で言うと、消費電力量が大きい3大家電<エアコン><冷蔵庫><照明器具>を見直しみて。設定温度や置き場所を変えるだけでも自動的に節約できる仕組みが作れます。エネルギー資源庁の省エネポータルサイトを参考に、身近な所からムダな出費をセーブしてみましょう」(風呂内さん)

◆見直すと電気代に差がつく!3大家電◆
<1_エアコン>
・暖房時、室温を21℃→20℃に設定変更するだけで、電気代【年約1650円(53.08kWh)】節約。※外気温度6℃、エアコン(2.2kW)、使用時間は1日9時間と仮定

<2_冷蔵庫>
・温度を「強」→「中」に設定変更で、電気代【年約1910円(61.72kWh)】節約。※周囲温度22℃と仮定
・壁から少し離して置くだけで、電気代【年約1400円(45.08kWh)】節約。※上と両側が壁に接している場合と片側が壁に接している場合の比較

<3_照明器具>
・LEDに取り替えるだけで、電気代【年約2108円(68.00kWh)】節約。※68Wの蛍光灯器具から34WのLED照明器具に交換した場合、年間2000時間使用と仮定

「省エネポータルサイト/家庭でできる省エネ」

資源エネルギー庁が運営。キッチン家電やAV機器、給湯機やシャワー、暖房などの機器ごとに、省エネのための設置方法や使い方を紹介。電気・ガス・水道料金がどのくらい節約できるかを、目安となる金額で教えてくれる。「コツは、温度設定や設置場所の工夫など1度見直すだけで、セーブできる金額が大きいものを選んで取り入れること。節約が長続きします」(風呂内さん)

家電を買い替えるなら、省エネ家電を選ぶのもひとつ

節約術2_「省エネ家電」への買い替え

「ちょうど古い家電を買い替えるタイミングならば、購入代が少し高くなっても最新の省エネタイプの商品を選ぶと、トータルでは出費をセーブできる可能性があります。

環境省の省エネ製品買い替えナビゲーションサイトを利用すれば、古い機種を新しい機種に買い替えることでどのくらい節約できるかを簡単に調べることができます」(風呂内さん)

◆省エネ製品への買い替えによる電気代セーブ例◆
<冷蔵庫:2014年購入>
10年前の冷蔵庫(容積301~350L)を、日立の最新冷蔵庫(R-V32V-S/容積301~350L)に買い替えで、電気代【年間約2360~4220円(76~136kWh)】節約!

<エアコン:2014年購入>
10年前のエアコン(2.2kw・6~9畳用)を、ダイキン工業の最新エアコン(S225ATRS(一般地仕様)/2.2kw・6~9畳用)に買い替えで、電気代【年間約3350円(108kWh)】節約!

「上記の冷蔵庫(R-V32V-S)の価格は18万4800円(日立オンラインストア調べ)、エアコン(S225ATRS)の価格は20万8890円(ダイキン認定販売施工店調べ。各2024年12月28日現在)。買い換えしないケースと比較をすると節約できる電気代で本体価格を取り返すことは難しいと思います。元々買換えを予定していて、新しい家電にいくつか候補がある場合、製品の価格差とそれぞれの節約できる電気代を比較し、約10年使った時のトータルコストで選ぶと有効でしょう」(風呂内さん)

省エネ製品買替ナビゲーション「しんきゅうさん」

環境省が、省エネ製品への買い替えを促進する目的で運営するサイト。家電のジャンルを選び、フォーマットに沿って、古い家電の購入時期や買い替え予定の家電の容積などのデータを入力するだけ。買い替えた場合に年間消費電力量や電気代がどのくらい削減できるかが数値で示される。「買換えを行う際にはどうしても目の前の本体価格が気になりますが、少し高い商品の方を選んでも長い目で見るとお得になるケースがあります。1度チェックしてみては?」(風呂内さん)

自治体の“家電買い替え助成金”を要チェック

節約術3_自治体の"家電買い替え助成金"も要チェック

「自治体によっては、省エネ性能の高い家電に買い替えたり、LED照明に付け替えたりすると、期間限定で助成金が出ることがあります。例えば東京都では、"家庭のゼロエミッション行動推進事業(「東京ゼロエミポイント」事業)"を実施中。

内容は、エアコン・冷蔵庫・給湯器・照明器具を省エネ性能の高い対象家電に買い替えた(一部新規購入含む)都民に対し、"東京ゼロエミポイント"を付与するというもの。登録販売店で対象家電を購入する際、以下のようにポイント相当分(1ポイント=1円)が値引きされます」(風呂内さん)

◆省エネ家電への買い替えでもらえる東京ゼロエミポイント(一例)◆
<製造15年以上の古い家電から買い替え>
・エアコン2万~7万ポイント、冷蔵庫1万4000円~8万ポイント

<通常買い替え>
・エアコン9000~2万3000ポイント、冷蔵庫1万4000~2万6000ポイント

<新規購入>※特に省エネ性能が高いものに限る
・エアコン1万ポイント、冷蔵庫5000ポイント

「東京都のほかにも、市区町村単位で省エネ家電買い替えキャンペーンなどを行う所もありますので、自分の自治体がなにかやっていないか一度チェックしてみてください。

ちなみに、自治体からの助成金は家電以外も。例えば、2023年4月から自転車のヘルメット着用が義務化されたことでヘルメット購入に助成金が出る自治体が増えました。2024年4月からはドライバーの労働条件が規制されましたが、再配達を減らす効果が期待される宅配ボックスの設置に助成金が出たりもします。防犯カメラや詐欺対策の電話通話録音機、防災グッズ購入のための助成金も比較的近年で増えてきました。世の中の情勢を反映して自治体が行うこれらの助成金についても、情報をしっかりキャッチしておきましょう」(風呂内さん)

「家庭のゼロエミッション行動推進事業」

東京都が、都内在住者の省エネ家電への買い替えなどを促進するために行う事業。買い替えの場合の期限は2027年3月31日まで。買い替え以外に新しく購入する場合も対象で、こちらの期限は2026年3月31日までなのでお早めに。「より古くて、容量や能力が大きいものほど買い替え時にもらえるポイントが多くてお得に。15年以上前に購入した501L以上の冷蔵庫を買い替えた際、最大8万円分の値引きになるのでそろそろ買換えを、と思っていた人は要チェック!」(風呂内さん)

【家計見直し編】ココがポイント!

□1度設定しておけば出費がセーブされる"ほったらかしても節約できる"仕組み作りを
□エアコンは設定温度を変えるだけ、冷蔵庫は壁から離して置くだけで大きな節電に
□ちょうど家電を買い替えるタイミングなら、省エネ性能の高い最新家電を選ぶのもひとつの方法
□自治体によって家電買い替えに助成金を出すことも。自分の自治体に制度があるか要チェック

教えてくれた人

風呂内亜矢(ふろうちあや)さん。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者。26歳・貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強を始める。現在、複数の投資を行うとともに、マスコミにも多数登場し、お金に関する情報をわかりやすく発信。著書に「マンガでカンタン!NISA・iDeCoは7日間でわかります。」(Gakken)ほか。日常の記録にお金の情報を交えるYouTubeチャンネル「FUROUCHI vlog」も更新。

【マネー特集】新・ライフスタイルのお金と暮らし

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2025年1月16日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります