都会の日常に疲れたら、「ふくしま尾瀬」へいらっしゃい

都会の日常に疲れたら、「ふくしま尾瀬」へいらっしゃい

ここから先は仕事も生活も+αも…毎日を一生懸命がんばる皆さんにこそ「ふくしま尾瀬」へ行ってほしい、ということをプレゼンしたいと思います。「ふくしま尾瀬」とは、福島県側の尾瀬国立公園と、その玄関口となる檜枝岐村と南会津町の自然や文化の体験を目的としたネイチャーツーリズムのこと。大自然に温泉、素朴で温かなおもてなし。数時間で行ける〈非日常〉がことのほか心にしみるのです。

更新日:2024/12/20

広大な尾瀬国立公園とふたつの里へ

「ふくしま尾瀬」とは、福島県側の尾瀬国立公園と、その玄関口となる檜枝岐村〈ひのえまたむら〉と南会津町〈みなみあいづまち〉の自然や文化の体験を目的としたネイチャーツーリズムのこと。上の写真の雄姿は、その「ふくしま尾瀬」のシンボルと言ってもいい、東北・北海道における最高峰の燧ヶ岳〈ひうちがたけ〉(2356m)です。あ、ネイチャーツーリズムや最高峰と聞いて一瞬ひるんだインドア派の方もご安心ください。「ふくしま尾瀬」の懐は実に深いのです。

「ふくしま尾瀬」の魅力、その一。約1時間の手軽なトレッキングで、息をのむほどの大自然にアプローチできること。尾瀬沼山峠のバス停で降りたら、トイレ休憩を済ませて、さあ出発。整備された木道はほどよいアップダウンもあり、日頃の運動不足を痛感するかもしれませんが、心地よい汗や爽やかな風、途中の景色が励ましてくれることでしょう。木立を抜けると急に視界が開けて、美しい大江湿原〈おおえしつげん〉が広がります。「これが尾瀬…!」と胸が高鳴る瞬間です。

そこからさらに足を延ばすと、絵画のような「三本カラマツ」の木が迎えてくれす。6月から7月頃はミズバショウやニッコウキスゲといった花々、秋には黄金色の草紅葉。季節ごとの彩りを楽しむうちに尾瀬沼に到着。はるか昔、燧ヶ岳の噴火で川がせき止められて誕生した尾瀬沼。その水鏡に映る燧ヶ岳も見飽きることがありません。周囲7キロ、一周約3時間の尾瀬沼をめぐる散策は絶景の連続です。

「ふくしま尾瀬」の魅力、その二。尾瀬沼のほとりにはいくつかの山小屋がありますが、どの山小屋もごはんがおいしくて、熱いお風呂と清潔な寝室が用意されています。なにより山小屋のスタッフの方々が「いらっしゃい」とやさしく迎え入れてくれること。これほど雰囲気の温かい山小屋が多いのは「ふくしま尾瀬」ならでは、ではないでしょうか。山小屋未経験の方はぜひ尾瀬でデビューしてほしいと思います。

時が止まったかのような山里や心揺さぶる隠れ里も

「ふくしま尾瀬」の魅力、その三。本格的に登山を楽しみたい方は、燧ヶ岳を筆頭に会津駒ヶ岳や帝釈山〈たいしゃくさん〉、田代山〈たしろやま〉といった国立公園内の名山に挑戦するのもよいでしょう。いずれも高山植物と絶景の宝庫です。

「ふくしま尾瀬」の魅力、その四。尾瀬国立公園への行き帰りに、豊かな温泉を楽しめるところ。檜枝岐村の尾瀬檜枝岐温泉、南会津町・舘岩〈たていわ〉地域の木賊〈とくさ〉温泉、湯ノ花〈ゆのはな〉温泉、田島〈たじま〉地域の会津高原温泉と泉質も風情もよりどりみどり。立ち寄り利用もよいですが、ぜひとも延泊して地元の旅館や民宿で羽を伸ばしてください。時間を気にせずのんびりとお湯に浸かったり、公共浴場をハシゴしたりするのもオツなものです。

「ふくしま尾瀬」の魅力、その五。檜枝岐村と南会津町の、まるで時が止まったかのような、のどかでノスタルジックな里山の景色。そこに息づく文化や歴史も見どころが多く、そばや山菜、イワナといった滋味もしみじみとおいしいのです。

「ふくしま尾瀬」の魅力、その六…とその魅力は尽きることがありません。

最後に、どうか忘れないで。毎日がんばって生きているあなたを「ふくしま尾瀬」が待っていることを。そして、やさしく癒やしてくれることを。

【SPOT】《1》ふくしま尾瀬の山小屋

尾瀬沼ヒュッテ

檜枝岐村村営の山小屋『尾瀬沼ヒュッテ』。快適で清潔な寝室は、個室のほかに画期的なカプセルタイプもある。温泉ではないもののお風呂もあり、山歩きの疲れにしみる。

おぜぬまヒュッテ

TEL.080-5734-7272(4月~10月)
TEL.0241-75-2351(11月~4月)
住所/福島県南会津郡檜枝岐村燧ケ岳1
料金/1泊2食付き大人1名11000円~

長蔵小屋

尾瀬で最初に誕生した山小屋。尾瀬を拓き、その自然保護に尽力した平野長蔵が建てた小屋から始まり、4代にわたり尾瀬を訪れる者を迎え入れる。

ちょうぞうごや

TEL.0278-58-7100(日・水除く)
住所/福島県南会津郡檜枝岐村尾瀬沼畔1 
料金/1泊2食付き大人1名12000円~
※営業期間は例年5月下旬~10月中旬

長蔵小屋 別館喫茶

『長蔵小屋』の近隣には、別館の喫茶店も。尾瀬沼周辺を散策した後は、天然水で淹れたコーヒーとしっとりと焼きあげたマフィンでひと休みするのがおすすめ!

ちょうぞうごや べっかんきっさ

TEL.0278-58-7100(日・水除く)
住所/福島県南会津郡檜枝岐村尾瀬沼畔1 
営業時間/8:00~16:00(15:30LO) 18:00~19:00(18:45LO)
定休日/不定休
※営業期間は例年5月下旬~10月中旬

会津駒ケ岳 駒の小屋

会津駒ヶ岳の山頂下、駒の大池そばの小さな山小屋。素泊まりの宿だからこそ、駒の大池やお花畑を眺めながら屋外のテーブルで食べる山ごはんはおいしさもひとしお。

あいづこまがたけ こまのこや 

TEL.080-2024-5375(4月下旬~10月下旬)
Mail. info@komanokoya.com
住所/福島県南会津郡檜枝岐村駒ケ岳1
料金/素泊り大人1 名3300円

SPOT《2》檜枝岐村のグルメ

裁ちそば

檜枝岐村には独自のそば食文化が根付く。布を裁つように切る「裁ちそば」はつなぎをまったく使わない昔ながらのそば。「七代目裁ちそば まる家」をはじめ村内には名店が多い。

はっとう

特産のそば粉を使った郷土料理。ほんのりと甘く、もちもちとした食感。その昔、殿様に出したところあまりのおいしさに平民が食べるのは「ご法度」にされたことが名前の由来と伝わる。

サンショウウオジェラート

『ミニ尾瀬公園』のカフェのいちおし、「サンショウウオジェラート」は粉砕されたサンショウウオの燻製入り。別添えの燻製のインパクトも大!

ミニ尾瀬公園

TEL.0241-75-2065(4月下旬~11月上旬)
住所/福島県南会津郡檜枝岐村左通124-6
開園時間/9:00~17:00(最終入園16:00) [カフェ]9:00~16:00
定休日/無休 ※11月上旬~4月下旬は冬季休業。カフェは水定休、GW・夏休み期間中は無休
料金/入園無料

SPOT《3》南会津町の立ち寄りスポット

木賊温泉 岩風呂

900年超の歴史ある秘湯、木賊温泉の渓流沿いの混浴共同浴場『岩風呂』。

とくさおんせん いわぶろ

住所/福島県南会津郡南会津町宮里字湯坂1986
営業時間/24時間
定休日/無休
※男女混浴、女性専用更衣室あり 
問い合わせ/TEL.0241-64-5611(南会津町観光物産協会 舘岩観光センター)

湯ノ花温泉 弘法の湯

湯ノ花温泉では『弘法の湯』をはじめとして4カ所の共同浴場めぐりを楽しむことができる。

ゆのはなおんせん こうぼうのゆ

住所/福島県南会津郡南会津町湯ノ花地内
営業時間/6:30~21:30 
定休日/無休
問い合わせ/TEL.0241-64-5611(南会津町観光物産協会 舘岩観光センター)

会津高原温泉 夢の湯

会津鉄道・会津高原尾瀬口から徒歩3分の『夢の湯』は豊富な湯量と湯冷めのしにくい泉質、主人の温かい人柄も魅力。

あいづこうげんおんせん ゆめのゆ

TEL.0241-66-3131
住所/福島県南会津郡南会津町滝原字向熊久保1373-1
営業時間/10:00~20:00
定休日/木
※宿泊も可能。電話でお問い合わせください

たかつえそば畑

広大なたかつえそば畑は毎年8月下旬~9月上旬に花の見ごろを迎える。

たかつえそばばたけ

住所/福島県南会津郡南会津町高杖原地内 
問い合わせ/TEL.0241-64-5611(南会津町観光物産協会 舘岩観光センター)

メトロミニッツ、福島県、尾瀬、ふくしま尾瀬、檜枝岐村、南会津町、ネイチャーツーリズム

ACCESS

【南会津町・舘岩地域へお越しの方】
浅草駅から東武鉄道・特急リバティを利用して会津高原尾瀬口駅まで約3 時間、舘岩田島地域間交通「んだべぇタクシー」(要予約)に乗り換えて約30 分で南会津町・舘岩地域へ

【檜枝岐村、尾瀬国立公園にお越しの方】浅草駅から東武鉄道・特急リバティを利用して会津田島駅まで約3時間10分、会津バスに乗り換えて約1時間30分で檜枝岐村村内、バスとシャトルバスを乗り継ぎ約50分で尾瀬沼山峠へ

※季節によりバスの運行時間や運行区間が変わる可能性があります。おでかけの前に最新の情報をご確認ください
※尾瀬の山小屋の営業期間は例年5月下旬~10月中旬です。また、事前の予約が必要です。冬の間に旅の計画を立ててシーズンが近づいたら申し込みましょう

Photo:KAZUHITO MIURA, PIXTA
※メトロミニッツ2025年1月号より転載

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※記事は2024年12月20日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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