【レシピ付き】ごはんもお酒も進む!人気料理家が提案、超簡単&美味!タコ料理
イカVSタコ、対決の時代は終わりを迎え、大団円へ―。というわけで、イカ好き、タコ好きが集まって自慢の一皿を仲よく平和に、おいしくいただきましょう。後攻のタコ好き代表は、酒徒さんと今井真実さん。ふたりのタコ好き度合いを玉置標本さんがレポートします。唐辛子の辛さが夏にぴったりの中華とうまみ炸裂のタコ飯で、イカに続きタコも優勝です!
更新日:2024/08/20
酒徒さんに聞く、タコを使った中華つまみ
超簡単に、本場の味に! 中華ダレで際立つうまみ
神奈川在住の酒徒さんは、地元で水揚げされる新鮮なイカに心を揺さぶられつつも、僅差でタコ愛の勝ちを宣言した。
「タコはうまみの塊。我が家では冷凍庫に常備している欠かせない食材です。柔らかい頭部分は小学生の息子と取り合うこともあり、タコで有名な愛知県の日間賀島へもリピートしています。昔は船員が多かった横浜にあるギリシャ料理店のタコ料理も大好物。私にとって、もはやタコは心の支えですね」
残念ながら10年間赴任した中国ではタコを食べる習慣はあまりなく、恋しくなるとタコ食文化圏のポルトガル領だったマカオまで飛んでいたそうだが、今回紹介するのは広東の港町で偶然出会ったタコ料理。中国では珍しいタコを使った前菜だ。
「タコ刺しとタレを用意するだけだから超簡単なのに、唐辛子の辛みやニンニクの風味で、しっかり中華の味になります。タレの薬味をたっぷりつけて食べるために水を加えているのがポイント。現地の味を懐かしむためにピーナッツ油と中国醤油を使いましたが、普通の調味料でも大丈夫。ビールとの相性が最高です」
口内に起こったタレの竜巻をタコのうまみが受け止める強烈な一皿だ。
ゆでだこの中華だれ 白灼章魚〈báizhuó zhāngyú〉
〈材料・作りやすい分量〉
タコ(ボイル)・・・200g
にんにく・・・1~2片
小葱・・・1本
生唐辛子・・・1~2本
ピーナッツ油・・・大さじ1
醤油・・・大さじ1
水・・・小さじ2
※盛り付け例は分量の半量のタコを使用しています
〈作り方〉
(1) タコはひと口大に切って、平皿に盛る。ぶつ切りより薄めに切ったほうが、よくタレがからむ。にんにくはみじん切りに、小葱と生唐辛子は小口切りにしてボウルに入れる[写真・左上]
(2) フライパンか小鍋にピーナッツ油を入れてカンカンに熱し、ボウルに注ぐ。全体が泡立っているうちによくかき混ぜ、醤油と水を加えてさらに混ぜる[写真・右上→左下]
(3) タレを小皿に入れて、タコを盛った皿に添える。タコに塩気があるので、タレは薄味に作って、薬味ごとタコにたっぷりとからめるとよい[写真・右下]
■■■ 酒徒さん ■■■
しゅと/中華料理愛好家。中国各地の食べ歩きをライフワークとする。本場で知った手軽であっさり、毎日食べたい本格中華料理レシピをまとめた初の著書『あたらしい家中華』(マガジンハウス)が大ヒットを更新中!
今井真実さん家の定番人気、ネオたこ飯!
子どもも酒飲みも喜ぶ!爽やかなエスニックたこ飯
神戸出身の今井真実さんは、上京すると地元ほどタコが食べられていないことに驚いたそうだ。
「明石が近い場所で育ったから、タコは一番身近な食材でした。行商のおじさんが新鮮なタコを持ってきてくれるんですよ。外食好きの両親に連れられてイタリアンをはじめ各国のタコ料理を食べて育った影響もあり、今も店のメニューにタコがあれば必ず注文するし、生のタコを取り寄せて朝昼晩ひたすら食べ続けることも。コラーゲンとタウリンがたっぷりだから、翌日は肌がプリップリになりますよ。美容にはタコです!」
そんなタコ愛の強い今井さんが紹介するのは、炊き込みではなく混ぜごはんタイプの創作タコ飯だ。
「臭みのないタコのうまみエキスを活かした料理が大好きで、何度もブラッシュアップしている我が家の定番です。魚から造られるナンプラーの出汁効果でうまみがさらに重なり、より複雑な味わいになります」
タコとにらという斬新な組み合わせを、レモンの酸味と苦味が引き締めるのだから、想像を軽く超えた味になるのも納得だ。このまま茶碗に盛れば主食だが、海苔で巻けば酒が進むつまみとしても大活躍。どちらも多幸感に包まれること間違いなし!
タコにらレモンのナンプラーごはん
〈材料・作りやすい分量〉
米・・・2合
水・・・2カップ
タコ(ボイル)・・・150g
にら・・・60g(約10本)
レモン・・・1/2個
(無農薬のものか、皮をよく洗う)
サラダ油・・・大さじ1
ナンプラー・・・大さじ2
黒こしょう・・・適量
〈作り方〉
(1) 洗った米に水を加え普通に炊飯する。タコは薄切りにし、にらは小口切りにする。レモンはできる限り薄く半月切りにして種は外しておく
(2) 米が炊き上がったら、(1)のレモンを入れて、蒸らす[写真・左上]
(3) フライパンにサラダ油を入れて、中火で温め、タコとにら、ナンプラーを入れてひと混ぜしたらすぐに火を止める。汁ごと(2)に混ぜる。好みで黒こしょうをかけながら食べる。海苔で巻いても◎[写真・右上→左下→右下の順]
■■■ 今井真実さん ■■■
いまいまみ/料理家。神戸市出身。身近な食材を組み合わせることで、驚きと親しみが両立した新しい家庭料理を提案。得意分野は梅と肉。強いタコ愛の持ち主。『今井真実のときめく梅しごと』(左右社)ほか著書多数
PHOTO/YUJI IMAI
※メトロミニッツ2024年9月号より転載