
東京の西端、奥多摩にあるブルワリー「VERTERE(バテレ)」が昨年、今年と立て続けにタップルームを都内にオープン。それぞれの場所で出会える一期一会の1杯を求めて3つのタップルームを巡る偏愛ビール旅へと出かけました。

都心から電車で揺られること約1時間半、車窓が初夏のみずみずしい新緑で埋まる頃、奥多摩駅に到着しました。
山や川へと向かう人たちを背に向かったのは、奥多摩の地でビールを醸造する「VERTERE」のタップルーム。緑に囲まれた開放的なテラスで、山の匂いと崖下を流れる川の音に包まれながら早速VERTEREを代表する「パシフローラ」をゴクリ。ほのかな苦味とトロピカルなフレーバーが心地よくのどを通り、体に染み渡ります。奥多摩の水で仕込んだゴクゴクと飲める、ドリンカブルな口当たりは「VERTERE」の特徴のひとつだそう。

奥多摩を後にし、次の目的地は立川。
こちらでは柑橘の香りとオーツのなめらかな口当たりが特徴の「アルテミシア」を注文。地域密着のゆるっとした雰囲気に紛れながら飲むフルーティなビールが、心を和ませてくれます。

夕刻、ほろよい気分で向かう旅の終着駅は永福町。
締め括りの1杯はラズベリーと乳酸が爽やかな「パピリオ」。タップを囲む立ち飲みのカウンターでは、隣客と自然と会話が始まるのも日常茶飯事だそう。
同じビールでも所変われば“味”変わる。
この夏は、1日かけてVERTEREを味わい尽くす、ほろよい電車旅がお勧めです。
\今回ハシゴした3つのタップルームはこちら/

VERTERE Okutama Taproom [本店]
2014年に創業した「VERTERE」。奥多摩では、実際にビールを製造しているブルワリー内を巡り、完成前のビールを試飲できる工場見学(要予約)が人気。
奥多摩駅から徒歩30秒の場所にあるタップルーム1号店では、地元の杉の木で作られたカウンターや床の香りと温もりに癒されます。木々が茂るテラスには小鳥や猿が遊びに来ることも。
常時10タップの樽生を味わえ、同じビールでもレシピを固定しないため、訪れるたび味の変化を楽しめるのも魅力です。名物のホットドッグやビールに漬け込んだ唐揚げなどのフードも絶品ぞろい。
駅前にある缶ビールやグッズを販売する「BOTTLE SHOP」もぜひチェックして。
バテレ オクタマタップルーム [ほんてん]
電話/0428-85-8590
住所/東京都西多摩郡奥多摩町氷川212
営業時間/11:00~19:30(フード18:00LO、ビール19:00LO)
定休日/月~金定休

VERTERE Tachikawa Taproom
今年5月に誕生したばかりの立川店では、3店舗あるタップルームの中でも最も多い20タップの樽生を味わえます。
過去にはコラボビールを発売したこともある「坂道ブルイング」が近所にあり、両方をハシゴするビアファンも。
白を基調にした店内は、カフェのようにゆったり過ごせる広さと居心地。フードの持ち込みやデリバリーもOKで、ふらっと1杯から仲間とワイワイ乾杯まで、極上のビールを片手にフレキシブルに楽しめるのが魅力です。
バテレ タチカワタップルーム
電話/042-512-6982
住所/東京都立川市柴崎町2-5-8 宝ビル1F
営業時間/14:00~22:00 土・日・祝 12:00~22:00(ビール21:30LO)
定休日/不定休

VERTERE Eifuku Taproom
昨年12月にオープンした、永福町駅前の商店街の一角に佇む気軽なスタンディングスタイルのタップルーム。常時楽しめる10タップの樽生ビールを求めて、犬の散歩ついでや仕事帰りなど、明るい時間から夜遅くまで地元の人たちでにぎわいます。
店内では同じ建物に入居する居酒屋「一」とイタリアン「ICHI」のメニューも手頃な価格で楽しめ、おいしいアテとともに個性豊かなビールを味わえる贅沢も。缶ビールや永福町限定のTシャツも購入できます。
バテレ エイフクタップルーム
電話/03-6304-3030
住所/東京都杉並区永福1-44-8中根ビル1F
営業時間/16:00~23:00 土·日·祝 13:00~23:00(ビール22:30LO)
定休日/不定休
PHOTO/MIZUHO TAKATA WRITING/AYANO SAKAI
※メトロミニッツ2025年7月号より転載