
昨今、ワンオペのカウンターレストランが急増しています。カウンターの新たな潮流は、‟サードプレイスのような心地よい空間"へ。カウンターを軸に、趣向を凝らした空間づくりを特徴とする3軒をご紹介します。
空間の上品さや料理への安心感はレストランとして大事にする一方で、「カチっとしすぎないこと」も意識します。
手仕事のぬくもりを感じる作家のうつわを揃え、ざっくり重ねて見せる収納へ。
2回転目以降はアラカルトメニューも展開し、ふらっと1人で立ち寄る人も多いそうです。客席の距離感が近いので会話が生まれやすく、隣り合わせた人同士で話がはずんでそのまま次の店へ、なんて光景もしばしば。
勢いのある個人店が点在する幡ヶ谷エリアで、はしごで料理とお酒を楽しむ店としても地域に根付いています。
ライペン
TEL.03-4500-0350
住所/東京都渋谷区西原2-32-11 Park Sakura House 102
営業時間/18:00~23:00(22:00LO) 日12:00〜19:00
定休日/火
空間づくりでは「なにを置かないのか」という選択もとても大切。目に入ると違和感があるプラスチックやステンレス製の調理器具はなるべく用いません。タッパーやボウルは琺瑯を、鍋は作家ものの土鍋をメイン使い。
目の前で野菜を洗い、切り、火入れする──調理から生まれる音や香りもカウンターの醍醐味で、自然な流れを大切に。誰も気付かないような小さなことの積み重ねで、「なんか落ちつく」が作られています。
メヒシバ
TEL.03-4400-4409
住所/東京都中央区新富2-4-3 京橋ダイヤモンドマンション1F
営業時間/19:00〜23:00(22:00LO)
定休日/火
途中でお腹が苦しそうなら量を調節するなど、即座に反応を落とし込めるのもカウンターならではの仕事。「気にかけてもらっている」という安心感が居心地のよさを生みます。
料理ができる過程を楽しめるのも、食べ手にとって魅力的な食体験。見て、聞いて、香って、「あれが私のお皿かな?」と待ち遠しい時間は、料理をもっとおいしくさせてくれます。
レストラン オリガミ
TEL.03-6683-2852
住所/東京都港区南青山2-22-14フォンテ青山103
営業時間/17:00~ 22:00(21:30LO) 土・祝18:00~※土・祝のみランチ12:00~、13:00~
定休日/日、ほか不定休あり
PHOTO/MASAHIRO SHIMAZAKI,TARO OTA WRITING/NANAKO AOKI
※メトロミニッツ2025年5月号より転載