名物メニューとドリンクに特化した立ち飲みが最近ますます増加中。そば、タコス、オイスターまで、お酒と合わせると美味しさが倍増する料理がずらり。東京の立ち飲みシーンがさらに進化&深化しています。
そば×クラフトビール/〈参宮橋〉 寄
オリジナルのビールを
新感覚のそばとともに
クリエイティブディレクターの南貴之さんが自身のブランドの複合店舗に、地方で出会った美味を集結させた角打ちスタンド「寄」を2023年6月にオープン。「コンセプトは食とカルチャーのセレクトショップ。各地の名店に協力をお願いしました」とスタッフの早崎めぐみさん。なかでも名物が京都の進化系立ち食い蕎麦「すば」の1杯で、昼間からお酒と味わう人も。イチ押しはオリジナルのクラフトビールで、「寄 イタリアンピルスナー」 パイント1320円は花やハーブのような香りで軽やかな飲み心地です。
イタリアン×ワイン/〈神楽坂〉イタリアワインとお料理 babbo.
ワインのインポーターも経験
居心地のよさを生む人柄と料理
人気のバルや立ち飲みに勤め、イタリアワインのインポーターの経験もある菅翔平さんが昨年7月にオープンし、早くも人気店に。つまみやパスタなど、料理は本格イタリアン。「仕込みを徹底して調理を手早くし、お客さんとの会話の時間を大切にしています。居心地のよさが立ち飲みの醍醐味ですから」と菅さん。「サン ジュースト ア レンテンナーノ キアンティ クラシコ」グラス1300円などワインはイタリア産のみ。ナチュラル、クラシックの枠を超え、菅さんが純粋においしいと思ったものだけが揃います。
イタリアワインとお料理 babbo.
TEL.なし
住所/東京都新宿区東榎町4-2 神楽坂グリーンランドビル1F
営業時間/17:00~24:00(23:00LO)、日15:00~21:00(20:00LO)
定休日/不定休
タコス×メスカル/〈池尻大橋〉TACOS Shop IKEJIRI
モダンなスタンドで
多彩なタコスと味わう1 杯
「ステレオタイプなメキシカンではなく日常に根付いたタコスのおいしさを伝えられたら」と店主の近藤輝太郎さん。毎日仕込む生地は、甘みが強いブルーコーンとしっとりしたホワイトコーンの2種を具材により使い分け。豚肉のカルニータスやラムのほか、焼りんごココナッツなどもあり、約15種と多彩。お酒のセレクトも秀逸で、定番がメキシコの蒸留酒メスカル1000円~。カクテルでも楽しめ、フレッシュミントの「メスカルモヒート」1500円はタコスとの相性もばっちり。ナチュラルワインも充実しています。
パン×ワイン/〈船堀〉チェスト船堀
全国の品種を使い分けた
パンに自然派ワインを
青森の「ねばりごし」、北海道の「ホクシン」、熊本の「ミナミノカオリ」と、バゲットだけで3種も! 日本各地の小麦を使い分けたさまざまなパンがずらり。「今夜の献立を相談する感覚でくつろいでもらえたらと、立ち飲みも備えています」という店主の西野文也さんは「パーラー江古田」や「清澄白河フジマル醸造所」を経て独立。ワインは「ミッシェル・ギニエ ミステール・ド・ロゼ」グラス1000円~ほか、フランス産を中心に自然な造りのものを多く揃えています。おつまみはイタリアン系の煮込みもおすすめ。
TEL.03-6681-9606
住所/東京都江戸川区北葛西1-22-19 大栄コーポ105
営業時間/立ち飲み13:00~18:00、パンとワインの販売12:00~18:00
定休日/火・水、不定休あり
牡蠣×レモンサワー/〈虎ノ門ヒルズ〉PON CUE BON
最新スポットにオープン
広島産食材の最強コンビ
広島発の立ち飲み酒場「レモン スタンド ヒロシマ」と、神泉のイタリアン「アウレリオ」がタッグを組み、昨年10月に立ち飲みオイスターバーをオープン。「クラフトジンや芋焼酎などを使った7種類のレモンサワーとナチュラルワインがお酒の2枚看板です」と店長の渡部純花さん。広島のクラフトジンを使った「スーパーレモンサワー」1600円は、ジンのボタニカルの風味が香り、広島産レモンの酸味が際立つ1杯。牡蠣のメニューはオムレツやアラビアータも。注文後に殻をむき、できたてを提供してくれます。
PON CUE BON
TEL.03-6257-1140
住所/東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズ ステーションタワーB2F T-MARKET
営業時間/14:00~23:00(フード22:00LO、ドリンク22:30LO)、日・祝~22:00(フード21:00LO、ドリンク21:30LO)
定休日/火
南米料理×ワイン/〈大井町〉stand LOTI
ジョージアワインに合う
南米のスパイシーな料理
大井町の人気店「winestand SAMI」の2号店。約15種のグラスワインが揃う中、看板はジョージアワインです。「ムツヴァネ クヴェヴリ」800円はじめ、店では色合いから琥珀ワインと呼ばれ、多くのファンも。「ほどよいタンニンがあり、南米ならではのスパイスを効かせた料理によく合います」と店長のガリンド・安藤学・マッテオさん。安藤さんはベネズエラ出身の父を持ち、自身はイタリアで修業。揚げ餃子のエンパナーダや豆の煮込みなどルーツの南米料理のほか、イタリアンや和食などバラエティに富む1皿が楽しめます。
PHOTO/RYO YONEKURA, SAORI KOJIMA WRITING/ATSUSHI SATO
※メトロミニッツ2024年2月号より転載