1杯だけ、1軒だけと言いながら、そこで終わらないのがある意味、立ち飲みらしさ。隣のお客と盛り上がって、ついつい2軒、3軒…行っちゃうのが醍醐味です。そんな、欲張りハシゴ酒の旅に行ってきました!
Hone Stand
オーセンティックバーに匹敵する
カクテルを野菜のおつまみとともに
奥まった路地にある店の扉を開けると、ラウンドしたおしゃれなカウンターを中心に立ち飲み客でにぎわう空間が現れます。こちらは、池尻大橋の「LOBBY」や代々木公園の「nephew」を手がける、クリエイティブ・プロダクションの& Supply による3店舗目。
「オーナーがオーストラリアで出会った1軒のバーにインスピレーションを受けました。バーテンダーが丁寧に作るカクテルを柱にした立ち飲みです」とヘッドシェフの富田涼さん。
看板のHone レモンサワーは、クラフトジンを使ったオリジナルカクテル。レモングラスやローズマリーが香り、自家製のラベンダーシロップが芳しい。軽やかなおいしさはこれから始まる夜のスターターの1杯にもぴったり。豊富なカクテルとともに世界中のナチュラルワインやスピリッツもラインナップ。
料理は千葉の農園から届く季節の野菜をふんだんに使い、フレンチ出身の富田シェフが多彩な1皿に。21時30分からは「ナイトパスタクラブ」と題し、おまかせのパスタを提供。しっかり食べたいときにも万全に応えてくれます。
テンキ
フレンチの技術を活かした
新感覚の天ぷらにワインが進む
2軒目は少し足を延ばして桜丘へ。「テンキ」は、起業家の目良慶太さんとフレンチ出身のシェフ・亀谷剛さんによる道玄坂の居酒屋「KAMERA」の2号店。「渋谷はハシゴ酒の文化が根付いています。何軒目でも気軽に楽しめるお店をめざしました」と亀谷さん。
名物は天ぷら。天つゆや塩ではなく、フレンチの技を活かして数種類の衣を駆使し、ソースやスパイス、ハーブなどで味わいに立体感を生み出した、ワインが進む逸品です。お酒はナチュラルワイン中心。天ぷら発祥の地、ポルトガル産も多く揃います。
マンデガン
超人気の居酒屋が開いた
密やかな立ち飲み
予約困難な居酒屋「高太郎」が同じビルの2 階に、昨年8月にオープンした「マンデガン」は予約不要で立ち飲みメイン。「海外ではウェイティングのスタンドで粋に食前酒を楽しむ人が多くいて、その文化を渋谷にも広めたかった。『高太郎』後のご利用も多いですよ」と店主の林高太郎さん。
2人の女性ソムリエが選んだナチュラルワインに、「高太郎」名物のポテサラなど丁寧に仕込んだおつまみも揃います。樹齢約250年の栗の木のカウンターに体を預け、ハシゴ酒の最後にゆったりと過ごすのも乙です。
マンデガン
TEL.080-9468-0329
住所/東京都渋谷区桜丘町28-2 2F
営業時間/16:00 ~ 23:00(22:00LO)、土・日~ 22:00(21:00LO)
定休日/月、第1・第3火
※要電話問い合わせ
PHOTO/SAORI KOJIMA WRITING/ATSUSHI SATO
※メトロミニッツ2024年2月号より転載