ローカルに暮らすあの人が教えてくれる、町で生まれた手仕事もの(=民藝ちゃん)の話。今回は神奈川県・鎌倉市で生まれた、張子人形「カマクラ張子」を紹介。メトロミニッツ編集長の古川誠さんが綴る、民藝ちゃんに込められた思いやローカルの物語をお届けします。
大好きな鎌倉の大好きな人に特別な縁起ものを作ってもらう
僕からすると「moln(モルン)」というお店そのものがパワースポットであり、大好きな五十嵐さんはもはやその存在自体が縁起もの。そんな感覚です。誰にでも穏やかな笑顔で、世の中へのまなざしは分け隔てなく。そうそう、五十嵐さんはギタリスト。CDを出すようなミュージシャンでもあるのです。
今までカマクラ張子を買ったことはありましたが、今回メトロミニッツの「縁起もの特集」にあたり、ここぞとばかりに愛猫「さわら」の張子を作ってもらうことにしました。
2023年を思い返すと、春先に18年間一緒に暮らした猫の「すずき」が天に召され、それ以降の日々は重たい心を抱えて過ごした1年でした。そんな毎日の中で途方に暮れていた僕のところに、奇跡みたいな偶然が重なって、夏の終わりに生まれたばかりの彼女(さわら)がやってきました。それはまるで聖書の福音のようでした。
左手を挙げた招き猫は「出会いを招く」と五十嵐さんが教えてくれました。縁起ものの五十嵐さんと、パワースポット「moln」の店主の佐々木さんがいる空間で生まれたさわらの張子と、窓際でのんきに眠る小さな命が、新たな縁を呼び、新年を迎える僕に勇気を与えてくれるようです。棚で張子は僕の毎日を見守ってくれている。願いや思いや祈りを形にした縁起ものっていいですね。カマクラ張子と新しい1年を始められることを、とても心強く、嬉しく思います。
民藝ちゃんDATA
■文・教えてくれた人/古川誠さん
2021年1月よりメトロミニッツ編集長。「豊かな暮らしのヒントはローカルの日常にある」というコンセプトで2021年1月に同誌をリブランディング。全国を巡り日本のイイモノをコレクトする
■作った人/五十嵐祐輔さん
自称・日本一猫好きの張子職人。鎌倉「moln」を拠点に張子を製作、販売を行う。オリジナルの招き猫のオーダーも随時受付中
■買えるところ/moln
TEL.0467-38-6336
住所/神奈川県鎌倉市御成町13-32 2F
営業時間/12:00~18:00
定休日/月・火
公式Instagram/カマクラ張子
カマクラ張子・縁起ものコレクション
■雲木をつかむ辰
立身出世の縁起ものであり2024 年の干支・辰がつかむのは、大きな木が描かれた雲。雲木=運気をつかむ
■富士カエル
背中には富士山とご来光。富士=無事カエルです。家族が無事カエル、お金がカエル、良き縁がカエル
■豆雛人形セット
豆サイズの小さな雛人形。春に花咲くミモザを男雛に、雪柳を女雛にあしらい、淡い色合いで春にぴったり
■彦星・織姫 ミニ招き猫
招き猫の織姫と彦星が寄り添うと、かわいいハートが出現! 短冊に思いを馳せたら願いごとがかなうかも
■タコ抱き辰
辰が“多幸”を招くタコを抱く、おめでたい置き物。オクトパス=置くとパスのタコで受験・就活のゲン担ぎ
■ざるかぶり犬張子
安産祈願の縁起もの・犬の頭に竹ざる。竹+犬=笑で、笑いの絶えない子になるようにという願いを込めて
■猫だるま
七転び八起きのだるまが猫に変身! 厄除けの赤のほか、才能開花の緑、仕事運アップの黄色など6色展開
■フクロウだるま
不苦労・福郎と書き、苦労をしない・福を呼び寄せるというフクロウだるま。転んでもコロンと起き上がる
■熊のり金太郎
男の子の無事の成長を願うミニミニ五月人形。凛々しい表情の金太郎が優しい表情の熊に乗る。鯉ver.も
■招き猫(右/花輪柄・左/南天柄)
お金を招く右手招き、出会いを招く左手招き。輪は永遠を意味し、南天柄は難を転じると言われます
カマクラ張子《縁起もの》展
この記事で紹介した、2024年の干支・辰や、招き猫、雛人形に五月人形など、福を招く手仕事の張子たちの展示会を鎌倉の「moln」で開催! 会期中は作者の五十嵐さんが毎日在店していて、購入した張子にその場で名入れをしてくれるほか、オーダー張子も同時に受け付けしてくれます。お正月飾りや贈り物にぜひ
- スポット名
- moln
- 電話番号
- 0467386336 0467386336
- 会期
- 2023/12/27(水)~29(金)、2024/1/6(土)~8(月・祝)
- 時間
- 12:00~18:00
- ホームページ
- カマクラ張子《縁起もの》展
PHOTO/MANABU SANO WRITING/MAKOTO FURUKAWA
※メトロミニッツ2024年1月号「縁起もの」特集より転載