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週末、千葉で。 #チバケーション ~VOL.5 佐原~
東京から近いのに千葉にはトリップ感があると思いませんか? 海が、まちが、ひとが、別世界で、豊かな時間を刻んでいる感覚。そんな千葉を体験することで感じる心豊かな時間・暮らしを「#チバケーション」といいます。今回の舞台は、県北東部、香取市の佐原。利根川水運の中継地として栄えた歴史ある商家町は、現在も進化中です。風情あふれる佐原に今なお宿る、「江戸優り」の心意気にふれる週末のさんぽ旅へ。
更新日:2024/11/21
【STORY01】「江戸優り」の文化を訪ね歩く、佐原の歴史さんぽ
小野川沿いをそぞろ歩き
歴史ある酒蔵や老舗を訪ねて
「江戸優り」と謳われるほど栄えた佐原。関東で初めて重要伝統的建造物群保存地区に選定された美しい町並みは健在で、主要スポットへは佐原駅から徒歩で行けるという。夫婦揃って歴史好きの僕らは、江戸情緒を求めて週末旅に出かけた。
佐原を象徴するのが、石畳の道に柳が揺れる小野川だ。江戸期からの商家や大正から昭和初期の洋館が両岸に立ち並び、香取街道が交差する場所には忠敬橋(ちゅうけいばし)がかかる。佐原の商家に婿入りし、日本地図を作製した伊能忠敬に由来するそうだ。
日本酒好きの妻の希望で、赤レンガの煙突が立つ『馬場本店酒造』へ。「佐原では新参者です」と、300年以上の歴史を有する酒蔵の十五代目当主、馬場善広(ばばよしひろ)さんが言う。江戸時代、佐原は酒蔵だけで30軒、醤油蔵も10軒以上と醸造業が盛んだった。鉄分の少ない水が井戸に湧いて、きれいな味わいの日本酒やみりんを醸しやすい環境なのだそう。
「佐原の入り組んだ脇道はもともと小野川につながる水路でした。小さな路地に思いがけず酒場があるなど雰囲気のよいお店が密集して、飲み歩きも楽しめます。酔い覚ましに川べりを散歩すると気持ちいいですよ」と馬場さん。
蔵の一角には江戸期から伝わる、樽に銘柄を押すための焼印や古い木桶が置かれていて、興味を引く。商家の女将さんたちが運営する「佐原まちぐるみ博物館」活動の一環だ。
『馬場本店酒造』以外にも約40軒で、江戸や明治の暮らしぶりを伝える道具類や家自慢の宝を展示する。忠敬橋のたもとにある『中村屋商店』では、三代目当主が一枚の和紙から折りあげたという連鶴(れんづる)に目を見張った。
【SPOT紹介01】訪れたのはこちら!
【01】馬場本店酒造
天和年間(1681~1684)に奈良から移住した初代が糀屋を創業、五代目が酒造を開始。代表銘柄はその歴史にちなみ「糀善(こうぜん)」。大吟醸酒「海舟散人(かいしゅうさんじん)」は明治時代に勝海舟が蔵に逗留したことに由来し、フルーティーな香りと奥深い味わいで鑑評会でも多数の受賞歴を誇る。代々製法を守り続けている「最上白味醂(さいじょうしろみりん)」は、全国の老舗料亭や料理家からも高い評価を受ける名品。
ばばほんてんしゅぞう
TEL/0478-52-2227
住所/千葉県香取市佐原イ614-1
営業時間/9:00~17:00
定休日/不定休
馬場本店酒造HP
【02】中村屋商店
千葉県の有形文化財に指定された3階建ての土蔵に店を構える和雑貨店。創業は明治7(1874)年頃、もとは畳関係が本業だが、今や250種も揃う手ぬぐい、女将手作りのエプロンや巾着のファンも多いそうだ。3階の「佐原まちぐるみ博物館」の展示では、江戸時代から受け継がれた陶磁器や生活道具、連鶴がずらり。「『見せてくださってありがとうございます』というお客さんの言葉にうれしくなります」と五代目女将の並木佳世子(なみきかよこ)さん。
なかむらやしょうてん
TEL/0478-55-0028
住所/千葉県香取市佐原イ1720
営業時間/10:00~16:00
定休日/不定休
【STORY02】アップデートしつづける、新しい佐原と出会う
大正レトロな喫茶店でひと休み。
古民家ホテルに宿泊し「発酵フレンチ」を
『茶屋花冠本店』でひと休み。京都出身、日本文化や食に精通する松本栄文(まつもとさかふみ)さんが手がける喫茶店だ。大正時代の純喫茶を思わせる空間で、松本さんの祖母直伝というだし巻きの玉子サンドをぱくり。
「蛇行した自然のままの小野川を舟運(しゅううん)に使う例は全国でも珍しく、文化レベルの高い土地柄にも心惹かれて、ここにお店を開きました。千葉県が生まれて今年で150周年ですし、古くて素敵なものがたくさん残る佐原をさらに魅力あるものにしていけたら」。佐原の人々の心の底に流れる情熱を鮮やかに言い表す松本さんの語り口に、この地がますますおもしろくなりそうな予感が広がる。
宿泊先は有形文化財などの建造物を活かした分散型ホテル『佐原商家町ホテル NIPPONIA』。マネージャーの香田彬彦(こうだよしひこ)さんは生まれも育ちも佐原で、東日本大震災をきっかけに入社したという。
「香取市は県内でも被害が大きく、小野川も土砂で埋まったほど。当たり前だった風景が崩れました。でも地域の皆さんによる復興は速かった。佐原の魅力や、この地を守り続ける力を、働き始めてより感じるようになりました」と振り返る。
夕食はホテルのフロント棟にあるレストラン『LE UN(ル アン)』で、佐原の食文化を活かした「発酵フレンチ」を満喫。食後に宿泊棟まで歩く。夜風が心地よく、ほんのり明るい街灯に照らされた小野川沿いの光景をいつまでも眺めていたくなった。
【SPOT紹介02】訪れたのはこちら!
【03】茶屋花冠本店
帽子店だった築180 年の古民家を数寄屋建築家が甦らせたという店内は、主人の松本栄文さんの実家に伝わる大正時代の調度品などが随所に置かれ、乙女心くすぐるレトロで華やかな雰囲気。松本さんは東京・二子玉川にある完全予約制の美食サロン『花冠陽明庵』も主宰し、食材や調理法のひとつひとつを吟味。厳選した近郊の養鶏農家の卵を使ったサンドウィッチのほか、卵の濃厚な風味をとじ込めたクラシックなカスタードプリンも美味。
ちゃやはなかんむりほんてん
TEL/090-4530-0022
住所/千葉県香取市佐原イ1902-4
営業時間/10:00~17:00
定休日/不定休
茶屋花冠本店Instagram
【04】佐原商家町ホテル NIPPONIA
築100年超の商家の家屋や土蔵などを改装した、点在する4 棟の宿泊棟、フロント・レストラン棟、カフェからなる分散型ホテル。香田彬彦さんは、特製の晩酌セットを手に楽しむ夜の小野川の舟めぐりや、地元の人と一緒に「佐原の大祭」に参加するプランといった、人気のアクティビティを考案。「佐原の人は温かくて、当ホテルの試みも懐深く受け入れてくれます。観光関連の事業を創出して、佐原で働く移住者を増やすことも目標です」
さわらしょうかまちホテル ニッポニア
TEL/0120-210-289(VMG 総合窓口)
住所/千葉県香取市佐原イ1708-2(KAGURA 棟フロント・レストラン)
営業時間/チェックイン15:00~20:00 チェックアウト12:00
定休日/無休
料金/1室2名利用 2 食付き 大人1 名41140円~
※『LE UN』の食事利用も可(ランチ4180円~、ディナー7150 円~)
佐原商家町ホテル NIPPONIA HP
【STORY03】新旧が交差。佐原に息づく「江戸優り」の文化
佐原に恋した移住者が案内!
奥深き祭りの文化とビール工房
翌日は、香取市地域おこし協力隊の顔冬子(かおふゆこ)さんの案内で、『水郷佐原山車会館』へ。「佐原の大祭」の実物の山車が展示されていて、大人形を含めてその大きさと飾りの豪華さに圧倒される。
「佐原の大祭」は「江戸優り」の文化の集大成であり、地域の人々の誇りだ。小野川を挟んで東にある八坂神社の祇園祭が7月、西にある諏訪神社の秋祭りが10月と、夏と秋の2回。それぞれ10台、14台の山車が町内を曳き廻されるという。
「ひき手たちが団結して、4トンもある山車を『の』の字を書くように回転させる『のの字廻し』は大迫力です。でも、特に私が惹かれるのは繊細な山車彫刻。まさに職人技ですよ」と顔さん。
最後に、最新の注目店であり、顔さんと同じ地域おこし協力隊の元隊員が働く醸造所兼チーズ工房兼レストラン『Brewery and Cheese 伊能忠次郎商店』へ。市内の耕作放棄地で栽培したホップや、米など地元の農作物を使ってビールを醸造。市内産の生乳でチーズを作る。
「将来的にはビールかすを飼料に乳牛を育てて、その生乳でチーズを作ることを目指しています」と店長の小林和馬(こばやしかずま)さんが夢を語る。お洒落なボトルビールやチーズを佐原土産に買って帰ろう。
「みんな、これからのことを話してたね」と妻。その歴史を愛し、その未来を想う心を受け継ぐ人たちがつないできた佐原。惹きつけられる理由がわかる気がした。
【SPOT紹介03】訪れたのはこちら!
【05】水郷佐原山車会館
2016年に、ユネスコ無形文化遺産に登録された「佐原の山車行事」。その様子を大画面のビデオシアターで視聴し、夏と秋の本物の山車を1台ずつ間近で鑑賞できる。名工による山車彫刻や山車巡行に欠かせない「佐原囃子」の楽器、山車上部に設置する5m近い大人形なども展示。山車は毎年、祭りの前後に入れ替えて2台が並ぶ。大人形は神話や武将のモチーフが多い。『馬場本店酒造』当主の馬場善広さん曰く、「昔は三日三晩にわたり盛大に開催され、佐原で働く人たちを労わる福利厚生のような存在でした」
すいごうさわらだしかいかん
TEL/0478-52-4104
住所/千葉県香取市佐原イ3368
営業時間/9:00~16:30
定休日/月休館
料金/大人400 円
香取市HP 水郷佐原山車会館ページ
※ 2023年秋の「佐原の大祭」は10月13日(金)~ 15日(日)
【06】Brewery and Cheese 伊能忠次郎商店
農機具店の倉庫をリノベーションして2022年にオープン。地元の農畜産業を盛り上げるために地域と連携してビールやチーズを製造し、地産の野菜や豚肉を使ったメニューをレストランで提供する。運営を担うのは、佐原出身で昭和女子大学教授の髙木俊雄(たかぎとしお)さんが学生とともに設立した会社『かけわ』。店長の小林和馬さんも佐原出身、アメリカでクラフトビールの魅力に惚れ込み、醸造家の道に。定番の「ペールエール」はホップ由来の柑橘系の爽やかな香り、甘みと苦みのバランスが秀逸。
ブルワリー アンド チーズ いのうちゅうじろうしょうてん
TEL/0478-55-8910
住所/千葉県香取市佐原イ1894-3
営業時間/11:00 ~ 20:00
定休日/水定休
伊能忠次郎商店Instagram
※募集は終了しました【参加募集】#チバケーションを体感する 商家町・佐原さんぽツアー
「江戸優り」と謳われるほどに繁栄を極めた商家町、佐原。300年以上の歴史をもつ酒蔵や、迫力ある絢爛豪華な山車を見学。ランチには、酒粕や麹、みりんなど地元に根付く発酵文化を取り入れた「発酵フレンチ」のコースをご用意。自由時間には、レトロな喫茶店でクラシックなプリンアラモードや、新しく誕生したブルワリー&チーズ工房でクラフトビールをどうぞ。2023年11月18日(土)、11月25日(土)の2回開催。古くて新しい佐原の魅力と出会う日帰り旅、ぜひご参加を。
INFORMATION
#チバケーション
千葉を体験することで感じる心豊かな時間・暮らし
都心から近いのに、風景も食もひとも、すべてが新鮮で心に響く。そんな千葉を体験することで感じる心豊かな時間・暮らしを伝えて、みんなでシェアするためのキーワードが、「#チバケーション」です。
#チバケーションは、千葉を旅して遊ぶことはもちろん、買い物をしたり、その味覚を楽しんだり。買って帰ったものを家で愛で、味わう・・・、あとに続く余韻の時間も含みます。ワーケーションや二地域居住、移住や定住もそのひとつ。さまざまな#チバケーションのかたちを紹介しています。
Photo:TAKANORI SASAKI Text: ATSUSHI SATO