旅をすると予定を詰め込んで座る暇もなかった・・・そんな経験はありませんか? 日本のローカルに改めて目を向けてみると、時を忘れてのんびりと座ることを目的にしたくなる町がいっぱい。座ることで目線が変わると、町の景色や匂いが見えてくる。八重山諸島の小さな島、沖縄県小浜島を訪ねた旅の記録
青い海と広い空。ゆったりとした島時間に浸る座る旅
石垣島から高速船で約30分、八重山諸島のひとつ小浜島は、周囲約16.6km。自転車なら4時間ほどで一周できる小さな島だ。巡ってみると、サトウキビ畑や牧草地がいたるところに広がり、ヤギや牛たちの姿も。リゾートの島というイメージを抱いていたが、なんとのどかなこと!
そんな小浜島での座る旅。海を望むカフェでは、もちろん窓辺の特等席へ。目の前の遠浅の海は沖へと進むにつれて深い青になる天然のグラデーション。きらきらしていたり、しっとりと見えたり、移ろう海の表情の豊かさに改めて驚かされた。いつもはサクッと済ませてしまうランチも朝食も、眺めとともにじっくり味わえて、いっそうおいしく思える。集落のカフェでのゆるやかな島時間、緑深き森で感じる南の島の神秘に時間が経つのも忘れてしまった。
座る旅をしていると、心と体にゆとりが生まれて、行動範囲が広がるんだなと実感。さらに足を伸ばしたのは、島いちばんの高台・大岳の山頂。およそ300段ある階段をせっせと上りきると、ベンチを備えた小さな展望台。ここでも座って、しばし気持ちのいいひととき。小浜島は景色も流れる時間もゆるやかな座り心地のいい島だった。
小浜島で立ち寄った、座り心地のいい場所
CANAAN 朝食とコーヒー
海辺のホテルのカフェでは店主が厳選した生豆の個性を活かして焙煎。「1日の始まりに小さな幸せを」と思いを込めたコーヒーと朝食で豊かな朝時間を。
DATA
カナン ちょうしょくとコーヒー
TEL.0980-85-3401
住所/沖縄県八重山郡竹富町小浜756
営業時間/8:00~11:00
定休日/不定休
※朝食のプレートは公式Instagramより要予約(前日18:00まで)
Sakurai Coffee & Island Coffee Roastery
農園指定で仕入れるコーヒー豆を自家焙煎。小浜島をイメージしたブレンド、究極のコーヒー牛乳をと店主が考案したサクライラテなどここだけの1杯を。
DATA
サクライコーヒー アンド アイランド コーヒー ロースタリー
TEL.070-1219-0011
住所/沖縄県八重山郡竹富町小浜1496-108 離れ
営業時間/10:00~17:00
定休日/日・月・火
BOB's CAFE
小浜島港を出てすぐ。定番の小浜バーガーなど4種のバーガーをはじめとするフードのほか、おつまみ系も多彩。海を見下ろしながらカジュアルに過ごそう。
BEACH CAFE
日中は目の前に広がる海を、夜は波音に耳を傾けながら過ごせる宿泊者限定のカフェ。鮮やかなトロピカルなドリンクが充実。夜はBBQプランの用意も。
DATA
ビーチカフェ
TEL.050-3134-8093(リゾナーレ予約センター)
住所/沖縄県八重山郡竹富町小浜 2954リゾナーレ小浜島内
営業時間/11:00~16:30(16:00LO)19:00~21:00(LO)
ガジュマル広場
沖縄では伝説の精霊・キジムナーが宿り、幸せを呼び込む木といわれるガジュマル。頭上を覆う緑と木漏れ日が気持ちよく、森林浴しているような気分に。
DATA
ガジュマルひろば
TEL.050-3134-8093(リゾナーレ予約センター)
住所/沖縄県八重山郡竹富町小浜 2954 リゾナーレ小浜島内
営業時間/24時間開放 ※宿泊者限定
小浜島旅の拠点にしたい、座り心地のいいホテルの特等席
星野リゾート リゾナーレ小浜島
サンゴ礁の海に面した36万坪の敷地に点在する60の客室は、すべてヴィラタイプのスイート仕様。BEACH CAFE やガジュマル広場のほか、ホテル専用ビーチや屋外プールのデッキチェア、海を見渡せるガジュマルツリーテラスなど、敷地内には座りたくなるスポットが目白押し。注目は6月1日~8月31日開催の「絶景海上ビアガーデン」。遠浅のビーチに設置された色とりどりの海上カウンター席は、まるで海上に浮いているような特別感。透明感のある海と青い空に抱かれて飲むビールは最高のおいしさで、夏バカンスにうってつけです。
DATA
ほしのリゾート リゾナーレこはまじま
TEL.050-3134-8093(9:30~18:00)
住所/沖縄県八重山郡竹富町小浜2954
料金/2名1室1泊朝食付き24000円~
PHOTO/MANABU SANO WRITING/MIE NAKAMURA(JAM SESSION)
※メトロミニッツ2023年5月号特集「座り心地のいい町」より転載