互いのワインと料理に惚れ込み、その信頼関係のもと、造り手から届け手に大切なワインが託される。そんな相思相愛のタッグから供される日本ワインと料理のハーモニーは感動ものです。
[ワイナリー]La Grande Colline Japon/岡山県・岡山市
神様が惚れ込んだ、岡山の気候と中国料理と
“自然派ワインの神様”。フランス・ローヌで日本人醸造家のパイオニアとして活躍し、世界中のワインラバーを魅了してきた大岡弘武さんをそう呼ぶ人は数知れず。
2016年に帰国後、新天地に選んだのは岡山。日本のワインが世界に並ぶには独自性が必要と、栽培と醸造のかたわら新品種の開発に取り組み、業界をリードします。
岡山に移り住んだ理由は、雨の少ない気候がブドウ栽培に適しているから。そして「『はすのみ』さんがあるから」と大岡さん。
「ここに通いたいと思ったんです。加藤さんの料理は、自然の素材がそのまま、無理なくまとまっている。信頼する料理人にワインを扱ってもらえるのは本当に嬉しい。でも最近は予約が取れなくて。もっと行きたいのに!」
「ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン」大岡弘武さんから
「中国料理 はすのみ」へのメッセージ
初めて訪れたとき、こんなに素晴らしい店があるなら岡山に住みたいと思いました。
加藤さんは、料理もワインへの姿勢も抜群。今では家族ぐるみで付き合う仲間です。
ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン
TEL.非公開
住所/岡山県岡山市北区富吉2387-5(一般見学不可)
[中国料理]中国料理 はすのみ/岡山県・岡山市
料理とワインに滲む、造り手の結びつき
四川料理の名店「麻布長江」で長く経験を積んだ後、地元・岡山で独立。
山海の旬を活かした料理にワインや日本酒を組み合わせ、その腕前で全国に知られる店主の加藤堅太郎さん。
“自然派ワイン”という言葉が登場したばかりの頃から、大岡さんのワインが持つ未知のおいしさに魅了されてきた1人です。
イベントをきっかけに“ワインの神様”と交流が始まり、大岡さんの岡山移住の際はサポート役も担った加藤さん。
隣で見てきた神様の正体は「こだわりが強い反面、結構ラフで大陸的な一面も(笑)。でもそこがチャーミングで魅力的なんです」。
加藤さんの細やかな料理に、おおらかに寄り添う大岡さんのワイン。珠玉のペアリングに、2人の関係が映し出されます。
「中国料理 はすのみ」加藤堅太郎さんから
「ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン」へのメッセージ
大岡さんのワインには、フランス時代から変わらない芯と、発酵調味料やスパイスも受け止める懐の深さがある。
造り手の人間性が溶け込んでいるのを感じます。
中国料理 はすのみ
TEL.086-238-8403
住所/岡山県岡山市北区平和町1-11
営業時間/18:00~21:00(LO)
定休日/火、その他不定休 要予約
PHOTO/MANABU SANO WRITING/RIE KARASAWA
※メトロミニッツ2022年11月号特集「日本ワインの現在地2022」より転載