世界三大刃物産地に数えられる、刃物の町が日本にあるのをご存知ですか? それが、岐阜県・関市。「折れず、曲がらず、よく切れる」と称される関の刃物は、台所に備えておきたい日用品のひとつ。この記事では、「志津刃物製作所」で誕生した、切れ味抜群、美しいナイフの物語をお届け。オンラインストアで購入も可
関の刃物づくりは、日本刀製作の基本である分業制が伝承されているのも特徴で、研磨や背研ぎ、刃付けなど、20以上の工程を専業の
職人が行うことで、品質の高い刃物に仕上げています。そして、この分業制が大量生産も可能にし、関の包丁生産量は日本一を誇ります。
数あるメーカーの中で、伝統的な刃物を製造しつつ、新しいものづくりに挑戦しているのが「志津刃物製作所」です。1959年に刃物の研磨職人だった現社長の父が創業し、他社ブランドの製品を開発するOEMとして発展。2006年からは自社ブランド製品の開発に取り組み、料理や食事の時間を豊かにするキッチンツールを多く生み出しています。
その過程で、まったく新しいコンセプトのもと、2013年に誕生したのが「「morinoki」シリーズです。
また、同シリーズの万能ナイフは、三徳包丁やペティナイフとも違う新規格の包丁で、一般的な三徳包丁の約半分の重さにあたる73gという軽さが魅
力です。さらに、ハンドルを天然木にすることでナチュラルな印象になり、キッチンだけでなく、食卓やアウトドアなど、見せるシーンで使える点でも人気を集めています。
昔から、1本目の包丁は三徳包丁、2本目はペティナイフと言われますが、morinokiの万能ナイフは両方のいいとこ取りなので1本目にも最適。切れ味のいい包丁を持つことは、暮らしを見直す大きな一歩になるはず。
morinoki/志津刃物製作所(岐阜県関市)
無垢のケヤキ材を使用したスマートなハンドルが特徴のmorinokiシリーズ。パン切り4180円は、刀身に2種類の波刃を施し、どんなパンもスッと切れるつくりに。1本あると便利な万能ナイフ3960円も、軽くて切れ味抜群/志津刃物製作所(TEL.0575-22-0956)
PHOTO/SAORI KOJIMA WRITING/CHIAKI TANABE(Choki!)
※メトロミニッツ2022年10月号特集「ケの日の美学」より転載