桃と相性のよい食材探しの旅に出かけた、料理家・今井真実さん。完熟桃とナチュラルチーズと和のスパイスとオリーブオイルと・・・和歌山の恵みをたっぷり使って誕生したのは、毎日でも食べたい手軽な1皿からちょっとしたおもてなし向きの1皿まで、魔法のように桃がおいしくなる3つのレシピです。
桃よりもおいしい、桃の料理ができました
桃バジル
夢のようにおいしい、新しい桃の定番料理の誕生です。桃好きの人こそが、大好きになる桃バジル。青い香りはバジルが、ミルクのようなコクはパルメザンチーズが。桃のよいところをすべて強調してくれる組み合わせです。山椒が口の中で夢のような甘い余韻を演出してくれます。
材料と作り方
○材料(2人分)
桃・・・大1個
バジル・・・大2枚
パルメザンチーズ・・・適量
オリーブオイル・・・適量(ひと回し)
粉山椒・・・適量
○作り方
1. 桃の皮を剥き、半分に切って種を外す
2. バジルは真ん中の葉脈を外し、指でちぎり桃のくぼみに入れる
3. パルメザンチーズを削り、粉山椒を振って、オリーブオイルを回しかけたらできあがり
桃マーマレードトースト
トーストなしでも十分の一皿ですが、こんがりと強めに焦がしたトーストにジューシーな桃とミルキーなリコッタチーズの味が重なると、かなりおいしい。マーマレードは桃と山椒をつなぐ名脇役。爽やかな甘じょっぱさを楽しんで。
材料と作り方
○材料(2人分)
桃・・・大1個
リコッタチーズ・・・大さじ2
塩・・・2つまみ
オレンジマーマレード・・・小さじ2
オリーブオイル・・・適量(ひと回し)
粉山椒・・・適量
食パン(サンドイッチ用8枚切り)・・・1枚
○作り方
1. 桃1個の皮を剥いて種を外し、3cm角のざく切りにして、オレンジマーマレードを混ぜる
2. リコッタチーズを、空気を入れるようにかき混ぜて、やわらかくする
3. 250℃で5 分程度こんがりと焼いたトーストに桃、リコッタチーズを盛り付けて、リコッタチーズに向けてお塩を振る
4. 全体に粉山椒をかけ、オリーブオイルをひと回しして完成
豚肉のゴルゴンゾーラと桃バルサミコソース
桃と煮詰めたバルサミコがこんなに合うなんて! 濃厚なゴルゴンゾーラとジューシーな豚と合わせると複雑なおいしさにうっとりします。山椒はたっぷりがおいしい。どの素材も欠かすことのできない絶品の一皿です。
材料と作り方
○材料(2~3人分)
桃・・・大1個
豚肉肩ロース肉(生姜焼き用)・・・6枚(約300g)
塩・・・小さじ1/2
小麦粉・・・大さじ1
オリーブオイル・・・大さじ1
バルサミコビネガー・・・大さじ1
ゴルゴンゾーラピカンテ・・・40g
実山椒、粉山椒・・・適量
○作り方
1. 豚肉を皿などに広げてお塩を振り、小麦粉を両面にはたく
2. フライパンにオリーブオイルを入れて、豚肉を入れる
3. 弱めの中火で熱し、肉汁が浮いて縁が白く色が変わったら裏返す(約2分)
4. 裏面も同じように焼いたら、網バットに引き上げて、ゴルゴンゾーラピカンテをちぎって載せてラップをしておく
5. フライパンのオイルや汚れをキッチンペーパーで拭き取ったら、果汁がフライパンに入るように、桃の皮をフライパンの上で剥いて串切りにする
6. フライパンにバルサミコビネガーを入れて、中火で熱し、ヘラなどで桃の果汁と混ぜながらねっとりするまで煮詰める
7. 桃をフライパンに入れて、水気がなくなるまで絡めながら煮詰める
8. お皿に豚肉を盛り付けて、桃バルサミコソースをかけ、山椒を振る(今回は実山椒の醤油佃煮と、粉山椒を使用)
~桃をきれいにカンタンに剥く方法~
1. 桃の皮に浅く十字に切れ目を入れる
2. 鍋のお水を沸騰させて火を止め、桃を20 秒浸して全体をくるくる優しく転がす
3. 桃を引き上げて、すぐに氷水に入れて全体を冷やす
4. 切れ目を入れたところから、指先で引っ張るように皮を剥く
料理&文・今井真実
いまいまみ 神戸市出身。雑誌、WEB 媒体でレシピ考案やスタイリングを担当し、毎日ご飯を作る人がうれしくなる「新しい家庭料理」を提案している。著書に『毎日のあたらしい料理 いつもの食材に「驚き」をひとさじ』(KADOKAWA)、『いい日だった、と眠れるように 私のための私のごはん』(左右社)
PHOTO/YUJI IMAI
※メトロミニッツ2022年8月号特集「桃に恋して」より転載