ローカルに暮らすあの人が教えてくれる、町で生まれた手仕事もの(=民藝ちゃん)の話。今回は愛知県・江南市の靴下ブランド「靴下のhacu」が製造するカラフルな靴下を紹介。名古屋市のギャラリーショップ「tonari」で展示会の企画運営を行う外畑有満子さんが、民藝ちゃんにまつわるローカルの物語をお届けします。
気分を上げてくれるアシンメトリックな、靴下
ふと足元を眺めるクセがあり、今日はお気に入りの靴下だ、と思うととても気分がいい。製造メーカーが自社ブランドとして始めた「靴下のhacu」は、地元愛知県ということもあり、企画展にお誘いするようになった。展示が毎年の恒例となり、コラボ靴下を企画させていただくようになった。周りにはものづくりをする友人も多いので、作家をセレクトし、コンセプトを考えて、「hacu+作家」の靴下を提案している。
糸編み作家・AKI NARUJiさんとのコラボ靴下は、ビビットでミニマルなアクセサリーを作る彼女の色彩感覚を活かしたデザイン。“アシンメトリック”というタイトル通り、左右非対称の色のバランスが履いたときのポイントになる。2018年の発表時のカラーは好評につき既に完売していて、こちらは第2弾の新色。3色の中で私のいちばんのお気に入りだ。
繊維産業の盛んな東海地方には、靴下関連の工場も多かった。しかし世代交代や海外製品の影響等で廃業していく工場も多いと聞く。日本製ならではの履き心地のよさや丈夫さなど、「hacu」の靴下を日常で履いていると、気が付くことも多い。地場のものづくりを支える第一歩は、まず使ってみるということ。とりあえず、ぜひ履いてみてほしいなと思う。
文・外畑有満子
PHOTO/MANABU SANO
※メトロミニッツ2022年4月号「わたしの町の民藝ちゃん」より転載