
毎日の食事を楽しくしてくれる器。選び方に困っているなら、器をこよなく愛する器屋さんに聞いてみよう。料理が映えるおいしい器に出会える都内のお店を3軒ご紹介します。
食卓に彩りを添える日常が愛おしくなる器
住宅メーカーや設計事務所に勤めた田辺玲子さんが、「手仕事で生み出されるもののよさを知ってほしい」と、約15年前にオープン。「手をかけずに作った料理でも、丁寧に作られた器に盛ると、食卓も気持ちも豊かになりますよ」と話す田辺さんがセレクトするのは、モダンなデザインが施されていたり、色使いに遊び心があったりと、シンプルでありながら存在感を放つものたち。和洋入り混じった食文化が根付く日本人の食卓にもなじむようにと、小鉢から大皿まで多彩に揃えているのも嬉しい。9/25(土)~10/1(金)は、土鍋が並ぶ個展「内田可織展」を開催。
背景や物語まで届けて作り手と使い手を繋ぐ
陶器をはじめガラス、漆器、木工、布モノ、竹細工といった日本の生活道具を提案するセレクトショップ。「ものの生まれた背景や物語まで、しっかりと伝えたい」と店主の久保田直さん。なかでも、「暮らしを少しでも満たすことができれば」という思いで、窯元まで足を運んで選び抜いた器は、実用性の高さはもちろん、どこか作家の人柄や土地の魅力を感じられるものばかり。久保田さんが作家の思いまで教えてくれるから、器への愛着が増して一生もののアイテムに。~ 9/26(日)は、益子で活動をする作家の企画展「岡田崇人」岡本芳久 二人展」を開催中。
伝統的かつモダンな器に出会う、都内唯一の小鹿田焼専門店
江戸時代から一子相伝で受け継がれる、大分県の小鹿田焼を扱う店。「300年も前に作られていたとは思えない、モダンな
出で立ちの小鹿田焼の器は、どんな料理もごちそうに変えてくれますよ」とは、学生時代から民藝に魅せられ、小鹿田焼を
愛してやまない店主・くれまつさん。連続した削り目の飛び鉋かんなや花びらのような刷毛目といった代表的な模様のものから、すり鉢やおろし器など実用性の高いもの、無地やサイズ違いのオリジナルの器まで、現存する全9軒の窯元の商品を揃えています。伝統と技法を脈々と受け継ぐ小鹿田焼“そのもの”の魅力に触れてみて。
PHOTO/MANABU SANO WRITING/MAKI FUNABASHI
※メトロミニッツ2021年10月号特集「愛しのうつわ」より転載