ローカルの日常を訪ねる「ステイケーション」。滞在中に出会える、その町ならではの朝の風景をフォトグラファー嶋崎征弘さんの一枚の写真と文でお届けします。今号は、三浦市にある三崎朝市を訪ねました。
午前4時10分、三崎港。師走の日曜日、日の出前の空からはまだ星がちらほら。街灯の下は、この時間にしては驚くほどの人影が行き来している。
港の朝はさむいぞ!とよく聞いたものだが、風もなく優しい寒さ。
辺りは依然真っ暗で、港脇の道を進むと、少し向こうにオレンジ色の光がはみ出していた。
会場は、祭りのような活気で満ちている。港とのコントラスト。魚、三浦野菜、朝採れ卵、各店大将たちの、年輪を重ねた太い声…。
あっという間に小1時間が過ぎ、人出もピークに。テント下は、両手に袋を抱えた買い物客が絶え間なく行き交う。その少し上、東の空は茜色、西の空は天色と静かな朝を迎えていた。
自分も気がつけば、カメラを首にぶら下げ、両腕にまぐろと野菜を抱えていた・・・。
今回訪れたスポット:神奈川県三浦市「三崎朝市」
地元の人々の日々の食卓を
潤す「三崎朝市」。ご自慢
のまぐろや地魚、新鮮な三
浦野菜、卵、パンなどを販
売する約20 店が並ぶ。マ
グロ丼も人気
PHOTO&TEXT/MASAHIRO SHIMAZAKI
※メトロミニッツ2021年2月号「ローカルモーニング」より転載